2015年11月26日木曜日

OMAR SALAZAR インタビュー JENKEM

JENKEMに載ってた、オマー・サラザーのインタビューです。
載ったのは今年の3月ですね。

今年は4月の末から自分、田舎に引っ越して農業を始めまして、
農作業でばりくそ忙しくて、なかなかインタビューの翻訳もできませんでした。

これはずっとやろうと思ってたので、やっとできてよかったっす。

元記事:http://www.jenkemmag.com/home/2015/03/04/talking-aliens-and-mother-with-omar-salazar/

JENKEM:http://www.jenkemmag.com/home/




オマーのスケートを見た限りだと、超ハイテンションでクレイジーなガキって感じのやつなんだろうなと思っていたが、実際はスケート業界を長年渡り歩いてきたクレイジーなベテランって感じだった。もうすぐ20年になるスケート業界でのキャリアを通して学んだことを生かし、最近Doom Sayersというブランドを立ち上げたオマー。このインタビューで、子どもの頃リタリンを無理やり飲まされたこと、エイリアン・ワークショップの終焉、宇宙人はいるのかいないのか、なんてことを聞いてみた。

君はエネルギーに溢れててハイパーなキャラって感じで知られてるけど、子どもの時ってADHD(注意欠陥・多動性障害)だったの?

そうだよ。でもそれはクソみたいな教師たちにそう言われただけさ。俺はカトリックの学校に行ってたんだけど、マジで最悪な場所だった。俺の初めてのドラッグ体験は、そのカトリックスクールの教師から勧められたリタリン(訳注:今では覚せい剤扱いだが、当時はADHDの薬とされていた)さ。彼女から「あなたにはこれが必要なの!」って言われて、俺は「いや、僕は俺は全然正常だよ!」って言い返したんだけど、向こうは「ダメよ、これを飲みなさい、うちの息子も飲んでるのよ」って言って聞かなくて。その学校は全校生徒にリタリンを飲ませようとしてた。イカれてるよ。強引に飲まされて、俺はもう「オーマイゴッド、とにかく集中しろって何なんだ?」って感じでさ。嫌だった。それでも教師のほうは俺や他の生徒たちにリタリンを飲ませようとし続けてくるから、最終的には舌の下に入れて飲んだふりをして、教師が見てないときに吐き出してた。あんなもん飲んじゃダメだよ。

むちゃくちゃだね!しかも違法行為じゃん・・・おかげで宗教にはうんざりしたんじゃない?

そうだね。当時あのクソ野郎どもを訴えてたら良かったと思うよ。リタリン飲まされたおかげでしばらくの間かなりクレイジーになった。セント・ローズ・スクールって学校だった。最低の学校さ。彼らがそこで教えてたこと、騙すな、盗むな、ってことには賛成するよ。でもマジでむちゃくちゃだった。

そのカトリックの学校で、他にやらされた変なことってある?

マジで馬鹿みたいなことが理由で、俺はしょっちゅうトラブルになってた。例えば学校は「必要としている人には手を差し伸べましょう、恵まれない人には施しをしましょう」とか俺たちに教えてたんだけど、それで俺は「よし!僕の昼ごはんを学校のフェンスの外でたむろしてるホームレスの人たちにあげよう」って思って何週間か自分の昼飯をホームレスにあげてたんだ。それをあるとき学校が発見してさ、フラディスっていうクソ女教師だったんだけど、あいつの名前は一生忘れないぜ。あのクソ女に耳を引っ張られて「何やってるの!自分が何をやってるのかわかってるの!」って大声で怒鳴られた。俺はお前らに教えられたことをやっただけだっつーの!嘘ばっかりだったよ。クソすぎだった。

誰かから性的虐待とかされなかった?(訳注:ボストンの教会でおきた事件を踏まえた質問かと)

いや、大丈夫だったよ。でも他のカトリックの牧師連中もひどかった。嘘ついて話しをでっち上げるような奴らばかりだった。


fs blunt / photo: kyle camarillo


初期のころは、スケートの会社ともうまくいってなかったよね。ファンデーションとか。そういう経験をして、スケート業界が嫌になったりしなかった?

ファンデーションで起きたことは、かなり凹んだし傷ついたし、長いこと引きずったよ。でもその経験のおかげで、よくないことが起きることに対して準備できるようになった。別に話しをドラマチックに広げるつもりはないよ。ただ過去にそういうことがあったっていうだけさ。今じゃ理解もしてるんだけど、でも当時の状況はもっとうまく解決できたと思う。多くの人が賛同してくれたらいいんだけど。俺はただやれって言われたことをやってただけでさ。ライダーが大変な時期を過ごしてるのに、簡単にクビにするなんてないよ。いきなり何の連絡もしなくなるとかじゃなくて、「うまく行ってないぞ」とか言ってくれたら良かったのにって思う。

当時俺は15歳で、チームに入れてめちゃくちゃ嬉しかった。でも彼らは俺のことを単なる馬鹿だと思ってたんだと思う。かなりひどい膝の怪我をしちゃってさ、医者から半月板が裂けてるから手術が必要だって言われた。それで膝のことをファンデーションに話したら、「今俺たちは次のビデオの撮影をやらないといけないんだ。フッテージがないとビデオには出演できないぞ。ビデオに出ないってことは・・・意味わかるだろ」って言われた。

だから怪我したままの膝で可能な限り撮影に出かけた。それとその頃はスケートボードのパッケージは全部ベッドの下に隠してた。もし両親に見つかって、俺がスポンサーされようとしてるってことを知られたら、きっと止められるんじゃないかって思って恐かったんだ。そうやって手術の直前まで撮影をして、フッテージをファンデーションに送った。

手術の途中で、医者が「君は私が言ったことを全然聞いてなかったじゃないか!怪我がむちゃくちゃになってるぞ!」って怒鳴ってる声で起きた。俺はそれを麻酔でフラフラで泣きながら聞くっていう。医者からは、俺はもう二度とスケートできないって言われ続けた。手術では俺のケツかどこかから軟骨を持ってきて、膝に移し替えることになった。それでも俺としては、フッテージを送ったから少なくともビデオには入れる、まだ彼らの一員だ、そう思ってた。でも俺はプレミアに招待されなかったんだ。それで自分からトッド・スワンク(ファンデーションのオーナー)に電話したんだけど、そしたら「来なよ、こっちについたら俺たちに連絡してくれればいいから。ホテルも用意するから問題ない」って言われた。


“I WAS ALL GASSED UP AND DRUGGED AND CRYING. THE DOCTOR JUST KEPT TELLING ME I WAS NEVER GOING TO SKATE AGAIN”

それで年上のスケート友達二人に、車でプレミア会場まで送ってもらったんだ。7時間くらい運転したかな。俺はもう感謝しまくりで、友達たちには会場につけばホテルもあるし、プレミアに参加できるからって言って。で、車で会場に向かいながらトッド・スワンクに今向かってるってことを伝えようと電話したんだけど、誰も出なくて。そして着いたら何にも用意されてなかったんだ。マジで最悪だったよ。友達は7時間も運転してくれたんだぜ!?で、行くところもないから結局彼らは車の中で寝て、車の中はもうスペースがなかったから、俺は車の屋根の上で寝た。って言っても寝れなかったけどね。俺が友達に嘘をついたみたいになったことがただ悲しくて。プレミアは次の日だったんだけど、会場に着いてすぐに、俺はもうチームの一員なんかじゃないってことが分かった。俺はプレミアにいて欲しいとも思われてなかったんだ。

でもファンデーションとTum Yetoにも、良い人たちはいるってことは言っておきたい。今と昔じゃ違うしね。彼らに対して敵対心とかも何も持ってない。今の話は単純に俺が経験したことさ。

駆け出しの大変な時期は、ホテルからタダ飯をもらってしのいでたって聞いたけど。

ずいぶん長いこと部屋もなくカウチに寝泊まりしてた。めっちゃくちゃ感謝してるよ。Tea Streetっていう場所にいたんだけど、ブランドン・ビーブル、リチャード・アンジェリデスと一緒に住んでて、それと時々ステファン・ジャノスキとジョーイっていう女の子も来てた。そのアパートに住んで、なんとかサバイブしてたね。飯はサクラメントを一日中スケートしてまわって、オープンハウス(売り出し中の家)を探すんだ。そこで「俺の母さんがこの家を気に入ってるんだ、もうすぐ戻ってくるから」って言うと、「それじゃクッキーやフルーツがあるから食べていきなさい。水のボトルもあるよ」って言ってもらえるから、それを全部いただいて消えるってのをやってた。そうやってしのいでた。週末に日用品店に行くと、フリーのサンプルがあるからそれをもらいに行ったり。15、6歳のときだね。




宇宙人っていると思う?

どこかにいるとは思うよ。そういうのには興味はあるんだ。アヌンナキの人類宇宙人説とか、どうしてピラミッドが建設されたのかとか。何気にハマってるかもね。チェックしてみてよ。マーク・ジョンソンともそういう話をしてたんだけど、みんなもこういうことに興味をもってチェックしてみるべきだと思うよ。物を浮かすことのできる振動と音の周波数があるとか、マジでヤバいから。世界中にその周波数があって、科学者たちはその音を使って実験をしてるんだって。そうやって古代のエジプト人たちは当時の道具を使っても、ああいう大きな石を運ぶことができたって言われてるんだ。

まぁ俺がハマってるのはそのくらいかな。これ以上深入りはしないよ。それにしてもJFK(ケネディ大統領)の話はひどいよ。「They Killed Our President」っていういい本があるんだ。書いたのはジェシー・ヴェンチュラ(訳注:元プロレスラーのタレント文化人)でさ、だからって笑わないで欲しいんだけど、マジで超いい本なんだよ。彼は本当に頭がいい。

君は今怪我をしててスケートできないみたいだけど、空いた自由な時間は何をしてるの?エロ動画サイトを見まくってる感じ?

(笑)いやいや。5年前に今くらい自由な時間があったらもっと見てるだろうけど。まぁ正直な話、膝の怪我から回復するためにリハビリやってるし、Doom Sayersのプロジェクトもやりながら普段の生活もしてるって感じだから、実際かなり忙しいんだよ。いつも新しいことや何か自分たちのメッセージを届けるのに良いものはないかって考えてるから、けっこう大変なんだ。全然眠れない日とかもあるし。寝返り打ちながら「みんな俺たちがやってることを理解してくれるだろうか?」って一晩中考えちゃったりさ。


photo: Jonathan Mehring, originally appeared in Skateboarder Magazine


彼女はいるの?

どうにかね。5年くらい付き合ってる。くっついたり離れたりって感じで。俺みたいに旅に出てばっかりだと簡単にはいかないよ。

5年もたつとセックスにも飽きてくる?コスモポリタン(訳注:海外のAnAn的な雑誌)のハウツーを読んだことってある?

クリエイティブじゃなければセックスも退屈になるだろうね。俺は自分でも思うけどクリエイティブだ。(笑)もっと若い頃は、店でスケート雑誌読んでるときにコスモポリタンの表紙に「5分以内で相手を落とす方法」みたいなのが書いてあるのが目に入って、どれどれって感じで読んでたけど、今はだいたいスケート雑誌しか読まないね。

これを読んでる読者にオススメするクレイジーな体位ってある?

うーん自分でやってみるしかないよ。流れにまかせてさ。なんでもやってみたらいいいよ。(爆笑)てか知らないよ!インタビューがいきなり性教育になっちゃったよ。まぁ何か違うことを経験したりやってみたりするってことはいいことだよ。やっぱり何事も楽しくやらないとね。スケートもそうだし、なんでもそう。自分をオープンにして、何か違うことをするってのは絶対いいことだよ。


“IF YOU’RE NOT A CREATIVE PERSON THEN SEX CAN GET PRETTY BORING. I’M A CREATIVE PERSON, I THINK”


彼女にしたくなるような良い女の子を見つけるためにはどこに行けばいいかな?

知らないよ・・・自分の好きな音楽のコンサートとかライブとかかな。好きな音楽聴けるし。そこにいる女の子はベロベロになってセックスするためにそこにいるんじゃなくて、音楽を聴くためにそこにいるからね。もしかしたらその子たちはドラマーとかボーカルの奴と寝たいのかもしれないけど。まぁでも普通は友達と一緒に楽しむために来てるでしょ。そういうところにいる子ってのは自分と同じ音楽が好きだってことだし、気軽に「やあ」って感じで声をかけるのがベストだと思うよ。

オースティン・ジレットにも同じ質問をしたんだけど、彼はホームセンターにいる子がいいって言ってたよ。

(笑)はいはい!でもそこに来てる子は自分の家のパイプを修理しないといけなくなっててイラついてるかもよ。ホームセンターなんて最悪だよ。そこをトライするオースティンには拍手だね。まぁとにかくやってみることさ。




君の今のスポンサーについても教えてくれない?エイリアンとはどうなったの?

俺も何か知ってればいいんだけど・・・エイリアンに関しては崩壊の仕方がマジで最悪だったね。ちょっと凹んだよ。Aveとディルがやめたときに、俺も辞めて何かやることもできたんだけど、友達のチャド・ボワーズ(元エイリアンのチームマネージャー。現Quasi(Mother)。)とチームのことを考えてエイリアンに残ることにしたんだ。みんなを残して去るのはできないって思ったから残った。それからしばらくしたらチャドがクビになって、俺はもうギリギリそこにいるって感じになった。「一体何が起きてるんだ!?(チャドがいなくなって)誰と話をしたらいいのかもわからない」って感じになった。

それから3、4ヶ月くらいエイリアンに残ってたんだけど、そこで3ヶ月間全然給料が入ってないことに気がついたんだ。「どうしたんだ?ちょっと前までチームオブジイヤーとかの賞を取ったり、ビデオを出したりとかしてたのに」そう思ってたらロブ・デューデックが出てきて、俺たちを助けてくれるはずが、突然終わりになったんだ。

その間誰からも話がなかった。誰も電話もしてこなかったし、俺としては一体これは誰が何してるんだ?って感じで。俺が唯一連絡を取ってたチャドがクビになっちゃってさ、そもそもチャドに残って欲しいって言われて残ったのに。長年会社のためにやってきたのに、こんな感じでクビになるのかよって、悲しかったし傷ついた。連絡のひとつもなかった。ロブ・デューデックからの連絡もなかった。ていうかマジであいつは何者なんだ?俺たちは親友だと思ってたぜ、兄弟。(笑)ってまぁ冗談だけど。どうでもいい。

そうだね、でももはやロブのできることの限界を超えてて、やることが多すぎたんじゃないかと思うんだよね。彼はマジでなんとかしようとしてた

そうかもね。でも電話の一本くらいよこせよっていう。彼は彼でやることがたくさんあったっていうのも分かるけど。まぁ今話したことが実際に起きたことだよ。ロブがエイリアンを買ってからと、その前を合わせて、俺から彼に50回くらいは電話したんだ。ロブが忙しい人だってのは知ってるし、家柄が良いってことも知ってるけど、それにしてもって感じだね。

“THAT’S HOW YOU GET RID OF PEOPLE AFTER ALL THESE YEARS?”

エイリアンのライダーとして、素晴らしい時間を過ごしてきたし、一緒にやってこられて最高だった。でも俺としてはもう終わりだね。こんな感じになってしまって残念だよ。いまだに誰からも何の連絡もない。自分たちの他にも懸命に働いている人たちがいるってことを分かってほしいよ。でも突然ナシにさせられた。「今までありがとう」とかそんなことも言われてないし、未払いの給料ももらってない。今その金があれば医療費にまわせたんだけど。言いたいのはそれだけだね。

復活したエイリアン・ワークショップについてどう思う?

彼らは自分たちのことをやってるだけなんじゃないかな。特に言うことはないよ。こないだヒース・カーチャートがやってるBLACKっていうバーに行ってさ、あそこも女の子に出会うにはいい場所だよ。すごいクールなところさ。そこでヒースと復活したエイリアンについて話したんだけど、誰も何も知らなかった。俺たちは誰も何も聞かされてなかったんだ。

別にそれで疲れ果てたりもしてないよ。ただ、ビジネスにはこういうやり方もあるんだってことを学んだだけさ。他人がやることを見て物事を学ぶんだ。コミュニケーションってやつだよ。もうこれ以上会社を維持できないってなったらさ、普通はそれをライダーや従業員たちに話して、「今までありがとう」って言って少しばかりの退職金を渡すもんだよ。俺たちにだって支払いがあるんだから。このプロ・スケートボードの世界で、俺たちは責任あるスケーター、人間であろうと努力してるけど、実際のところそのための準備なんて何もしてないんだ。俺たちはみんなスケートが大好きなガキたちでさ、マジでスケートは最高だよ、でも誰も俺たちに税金のことや、保険のこと、そういうことを教えてくれない。だからいきなり全部を持って行かれたら、本当に大変さ。




それで今はどういう状況なの?新しく立ち上がったMother(改名して現在はQuasi)に加入とか?

今のところ、俺はどこのボードカンパニーにも所属してない。彼ら(Mother)とも話をしたけど、今はどこのチームにも所属できるような状態じゃないってことを伝えた。今俺は怪我をしてて、スケートして彼らに貢献することができないからね。自分の気持ちと身体、そして自分のためになるのかってことが全部揃わないのに、ただ単に給料をもらいたくないんだ。誰の時間も無駄にしたくない。彼らの時間も、君の時間も、誰の時間もね。もし俺がとにかく金が欲しいっていう人間だったら、とっくにエナジードリンクのスポンサーを付けてるよ。でもそれはしたくないんだ。俺は今自分についてるスポンサーに満足してる。

“I’M NOT GONNA COLLECT A PAYCHECK IF MY MIND AND BODY AND INTEREST AREN’T FULLY INTO IT. BECAUSE IF I WAS ALL ABOUT THAT, I WOULD HAVE ALREADY GOTTEN AN ENERGY DRINK SPONSOR”


(Motherの)グラフィックを見たけど、超やばいよね。今はまだスケートを再開できてないから、何も焦ることはない。Motherのライダーはジェイク・ジョンソン、ギルバート・クロケット、そしてタイラー・ブレッドソーだ。今ライダーになって給料をもらえたらそれは熱いけど、だからってそれはしない。他にもすごいカンパニーからオファーをもらってるけど、自分の気持ちが今はそこに行ってないんだ。来年とか怪我が良くなるまで給料をはらってくれるっていうカンパニーもあった。それはすごくありがたいんだけど、そうすることが良いことだと思えないんだ。ほとんどの人は俺は馬鹿だって言うだろうけど・・・どうすればいいのか考えてるところだよ。自分がお返しすることができないのに、何かをしてくれって言いたくない。スケートを再開したい。怪我の前はめちゃめちゃスケートしまくってて、新しいNIKEのビデオの撮影で超テンション上がってて良い感じだったんだ。そんなときに大怪我しちゃってさ。9ヶ月前くらいのことなんだけど。けっこう経つね。全快までにはあと4、5ヶ月か、もっとかかる。

君のカンパニー、Doom Sayersをスケートボードのカンパニーにすることを考えたりはしない?

ボードカンパニーにするつもりはないよ。特にそうする理由がなければね。Doom Sayersは周りからお前はダメだとか、ネガティブな言葉に囲まれてる人たちに、そういうネガティブなことをポジティブな力に変えることができるってことを知って欲しくてやってるんだ。それがDoom Sayersのコンセプトだよ。握手してる手の片方が蛇なってるのを見れば、多くの人が俺たちのメッセージをわかってくれると思う。「俺がやるとは思わないって?見てろ」って言って、やってやるんだ。

Interview: Ian Michna
Photography: Brendan KleinKyle Camarillo & Nike SB.
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つい最近、Thrasherのサイトでもビデオが公開されてましたね。

いよいよ本格的に始動しそうなDoom Sayers Clubですが、上のインディのビデオやThrasherのインタビューでも言っているように、Doom Sayersとは自分に向かってネガティブな言葉をかけてくる連中のことで、そういうネガティブなものを燃料にしてポジティブなことをやってやるのがDoom Sayers Clubだそうです。



2015年11月3日火曜日

Jeremy Klein Interview JENKEM

超絶久しぶりにインタビュー記事です。

JENKEMに載ってるジェルミ・クラインのインタビューです。
載ったのが2013年の9月なんで、2年近く前のやつですが今読んでも面白いっす。

元記事:http://www.jenkemmag.com/home/2013/09/24/jeremy-klein-nearly-20-years-of-hook-ups-skateboards/
JENKEM:http://www.jenkemmag.com/home/




ガキのころ、ジェレミー・クラインは俺の大好きなスケーターの一人だった。ビデオゲーム、女の子、キャンディー、スケートボーディング、火遊び。ジェレミーと俺は同じ趣味をしていると思った。俺はアニメや日本のカルチャーにどハマりしたことはないけれど、ジェレミーのブランド「Hook-ups」は大好きだった。でもHook-upsのきわどいデザインのTシャツは学校では禁止になっていて、裏返しに着させられたもんだ。今回Hook-upsが20周年を迎えるという事で、ジェレミーに現在のスケートボードについての意見や、トニーホークのこと、Birdhouseのビデオ「The End」の制作について話を聞いてみた。


君とトニー・ホークは彼がBirdhouseを始めた頃から親しい間柄だし、当時はライダーでもあったよね?トニーがハイになってる時ってどんな感じだったか教えて?

俺がトニーがハイになってるのを見たことがあるのって1回くらいだよ。彼は今も昔も変わらずめちゃくちゃいい奴だね。どんなことにも落ち込んだりしないし。君が言ってるのって、トニーがツアー中に大麻を吸って、(スティーブ)ベラががっかりしたって話のこと?それに関連して面白いことがあったんだけど、ツアー中にベラの友達が俺たちのバンに乗り込もうとしたとき、俺がそいつをおちょくったんだ。そしたらベラからムカつかれちゃって。その頃Birdhouseは俺の名前とBirdhouseProjectのロゴが刺繍がしてある帽子を作ってて、ベラはツアー中ずっとその帽子を被ってたんだけど、その一件以来毎日少しずつ刺繍が外れていって、最終的には俺の名前なのか何なのか読めなくなってた。まぁなんてことない話だけど。仲のいいときも悪い時もあるけど、ベラはいい奴だよ。




Hook-upsのビデオ「Destroying America」で、車で木をなぎ倒してる映像があるけど、どうやったらあんなことできるの?

The Endを作った後で、けっこう簡単にいろんなものを車で乗り越えられるって気がついたんだ。ただ、いつも突っ込んだ後にはハマって動けなくなって大変だったよ。ヒース(カーチャート)って運転してるとき、全然何も考えないんだよね。俺はヒースよりも少し速度を落としてたんだけど、ヒースはもう全速力で突っ込んでいくんだ。木に突っ込んでいくクラッシュには俺も全回車に乗ってたけど、あんまりヤバ過ぎて本当は乗るつもりなんてなかった時もあった。車が爆発するやつ以外のスタントは全部俺たちでやったよ。

木とか茂みに車が突っ込んじゃった後って、どうやって脱出したの?

一度バンが木に突っ込んで動けなくなったとき、かなり大きな木がへし折れちゃってさ、バンがグラインドしながら上に登っちゃったんだ。2、3フィートくらい(1メートルくらい)持ち上がっちゃってさ。それでレッカー車を呼んだんだけど、うちらのバンがかなり深く食い込んでて、バンを引っ張り出そうとしたら逆にレッカー車のほうが引っ張られちゃって溝に落ちちゃったんだ。だからもう一台大きなレッカー車を呼んで、最初のレッカー車と俺たちのバンを順番に引き上げた。馬鹿すぎだよね。でも昼間の大通りだったけど、特に面倒に巻き込まれたりってのはなかったな。

Hookupsのツアー中にバンの中で、乱行パーティーとかやったことある?

いやーないね。ていうか当時はそもそもスケーターってあんまりモテなかったし。それも今とは違うところだね。スケートボーディングは当時と今じゃ全然違うよ。昔は俺たちがデモをやってそこに500人来たとして、その中で女の子はいたとしても10人。そこからさらに俺たちと何かやってくれるような子は1人って感じだったよ。しかもそいつも別に美人でもないっていう。まあ隣にいるウィリー・サントスを見てるよりはマシか、ってくらいでさ。今じゃデモに大勢女の子がやってきて、しかも可愛いって感じでしょ。まぁデモツアーなんて10年くらい行ってないから今実際どうなのか知らないけど。でも今は昔よりずっとオーガナイズされてるから、きっと女の子がたくさん来るよ。

オーガナイズされてると女の子が来るってのはどういうこと?

オーガナイズされてるってのは、例えば今だとスケーターがプロモデルのシューズを出したら、シューカンパニーが主催してパーティーを開いてくれる。でもプロモデルのボードを出したときに毎回パーティーするか?って言ったらしない。でもやればいいのにって思うよ。っていうのもさ、まぁそれと女の子がどう関係するかってことだけど、例えばターゲット(訳注:アメリカのディスカウント・デパートチェーン)が「ターゲットがスポンサーしてるライダーが駐車場にやってきまーす」みたいなイベントの張り紙広告を出すとするよね。そこにたまたまタンポンを買いに来たような女の子がやってきて、その広告を見る。で、「やだ、ちょっとイケメン」とか思って駐車場にやってきたりするってことさ。ね?今じゃスケーターは顔が大事だし、昔よりもずっと一般に受け入れられてるし、変な感じがするよ。

ストリート・リーグに行ったことってある?

いや、ないよ。行くべきだとは思うけど。行ってみたら面白いと思うんだ。大会の映像を見たことあるけど、スケーターがあのコースの上でスケートしてるのを見て変な感じがしたよ。彼らの顔と名前のでっかい垂れ幕が出ててさ。別にいいんだけど、ただ変な感じだなと思っただけさ。あれをデザインしたやつは、なんでああいうのをいいと思ったのか謎だけどね。

他のスポーツのやり方に沿ってデザインしたんだと思うよ。

それは理解できる。でも俺はスケートボーディングをスポーツと絡めるのは好きじゃない。俺はスポーツが嫌いなんだ。そもそも、だからスケートを始めたんだからね。考えてみると面白いよ。今じゃお前らシリアスになりすぎだって言いたくなるくらいの感じになってるけど、俺たちの時代には真面目にスケートします、みたいなノリなんて全くなかった。俺としてはその二つの中間くらいを目指したいね。

誤解しないでもらいたいのは、俺は今のスケートボーディングを素晴らしいと思ってるんだ。ただ、その中のいくつかは別に必要ないんじゃないかと思うんだ。みんなオークレーとか、ああいうブランドのライダーになってるけど、俺がガキのころはオークレーを掛けてる奴なんてダサい奴だった。今はみんなそういうスポンサーに群がってるけど、俺だったらそんなことしたくないな。金が理由だってのは十分理解できる。でも、もし俺がオークレーがスポンサーに付くくらいビッグでスケート界で成功してたら、オークレーより別の、もうちょいクールなブランドを選ぶと思うんだよね。別に何でも自分の好きなものを選べばいいけどさ、いいものを選ぼうよ、とは思うよ。

でもオークリーほどお金をもらえないかもよ

もらえないだろうね。でも分からないよ?オークリーほどダサくなくて、でも金も持ってるってところであれば。俺が言いたいのは、こんなのいつまで続けるんだ?ってことさ。今じゃスケーターが何をダサいと思うのかすら分からなくなってしまった。だって今じゃ誰も何もダサいなんて思わないんでしょ?別に不平不満を言ってるつもりはないんだけど、あまりにも全てが金を中心に回りすぎててさ。理解はできるんだよ。だから今、この新しい時代のスタイルに適応しようと学んでるところさ。




プロスケーターとして得た収入を、自分は賢く使ったと思う?

思うね。

World Industriesのライダーだったころ、ボードのロイヤリティーでどのくらい稼いでたの?

それほど多くないよ。当時は今みたいに給与保証なんかもなかったしね。今は契約書もあるし給与保証もあると思うけど。当時はさ、今月自分のボードの在庫が2500枚あったとして、それが全部売れたら5000ドル(約50万円)もらえるって感じ。でもその翌月にボードが在庫切れで一枚も売れなかったとしたら1円も入ってこないんだ。そんな感じだった。自分がどのくらい稼いでいたのか自分でも分からないんだよ。

ある月は6000ドル、その翌月は500ドルとか、かなりバラバラだったん。で、そのうち年末になるんだけど、当時税金とかをどうやって処理してたのかも不明だね。うちの母親から稼いだ金の30%を税金として納めないといけないって聞かされた時は、まさか本当にそうだなんて思ってなかった。だから全部使っちまったんだ。たぶんプロになって最初の年は40,000ドル(約400万円)くらい稼いだと思うんだけどね。それで年末になって母親に税金を払ってもらわなきゃいけなかった。てっきり俺は母親が俺に貯金させようとして、脅かして言ってるだけだと思ってたんだ。でも実際にそのくらいの税金を払わなきゃならなかった。

Hook-upsが一番売れてたのっていつ頃?

1997年、1998年、1999年。1996年もよかった。クレイジーな時期だったよ。

どのくらい稼いでたの?

それは教えられないけど、とにかく大金だね。まぁ大金ってなんだって話だけど。



夜中にリムジンで繰り出してたときのことを教えて。

Birdhouseのオフィスで働いてるとき、リムジン呼んで街中流して、花火に火を付けて遊んでたっていうアホな話だよ。クソ酔っぱらってリムジンの車内で花火着火してさ、いつも運転手がブチギレてた。特に何の意味もなくやってたな。ステーキハウスに行くこともあれば、すっごい微妙なストリップクラブに行ったりすることもあった。ストリップクラブは最悪だ。超退屈だし、そこで遊んで楽しかったこともない。

そんなことやってて、どうすればリムジンから追い出されずに済むの?

まず最初に花火を持ってるのをバレないようにしないとね。で、走り出してだいたい30分くらい経ってからぶっ放し始める。そうすれば、いくら運転手が怒ったとしても客をその辺に捨てることはできないからね。まぁでも、何も考えずにやってたな。昔はどこへ行くにも花火を持って行ってた。Birdhouseで恒例のクリスマスパーティーがあったんだけど、そこでも花火をぶっ放してたよ。もう今じゃそんな馬鹿なことなんてできないだろうけどね。

ボーリング場でBirdhouseのパーティーをしたとき、友達のブラッドがレイジー・ボウル(訳注:lazy:怠け者とかグダグダという意味)ってのを始めてさ。メシを食ってる席から、座ったままレーンまでボールを投げるっていうやつなんだけど、それやってたらボールがバウンドして従業員のケツに命中しちゃって。それでBirdhouseを訴えるとかなんとかってなったんだけど、結局それがその後どうなったのかは不明だね。

花火に火をつけたりとかパーティーから追い出されたりとかしてて、トニーは怒らなかった?

トニーは世界一クールだよ。俺は彼が怒っているところを一度も見たことがない。何回か怒ったことあるだろうけど、俺の記憶にはないし、俺たちが自分たちのパーティーから追い出される羽目になっても、俺たちに怒ったことはない。毎回Birdhouseのクリスマスパーティーで追い出されるのが恒例になってた。全てのテーブルにダイブして半分に割る、なんてことをしたりしてた。

日本では自分たちのビデオのプレミアから追い出されたよ。The Endを大阪で上映したときなんだけど、俺とヒースで自分たちのパートになったときにステージに登って客が見れないようにブロックして、それから自分たちに火をつけたんだ。俺たちは会場から追い出されて、プレミアもそれで終了になった。だから来ていた客は誰もトニーのパートもバッキーのパートも見れなかった。

昔BordhouseのオフィスでJ・ストリックランドと一緒に働いてたとき、夜遅くまで起きて馬鹿やってたんだよね?

そうだね。一晩中いたりしたよ。「The End」の制作もそこでやってたし。ビデオの中で小屋が爆発するシーンがあるけど、あの小屋は俺とヒースで一から作ったやつなんだ。Birdhouseのオフィスのすぐ外に作った。俺たちは一晩中そこにいたし、倉庫も開きっぱなしだったから、総額何百ドルっていう商品がいつでも誰でも取り放題みたいな状態だった。昔は本当にユルかったよ。ビルの鍵は俺が持ってたんだけど、そこに何時までいるとか、誰かに報告したこともない。雇い主にすら、俺たちが中で何をやってるかなんて教えなかった。とにかくクレジットカードで買い物して、ちょっとでも金を取り戻そうってしてたな。



今のスケートシーンのことって追いかけてる?最近でいいなと思ったことってある?

つい最近、新しいエメリカのビデオを見たよ。出演してるライダー全員好きだ。ていうか、今はスケーターの数が多すぎて全部を追いかけるのは難しいよ。でもあのエメリカのビデオは特別だったね。コリン・プロヴォストのこと知らなくて、初めて彼を見たんだけど、かっこいいパートだった。

思い出したけど、ブランドン・ウエストゲートって、昔ほんの短い期間だけどBirdhouseのライダーだったときがあったんだ。あいつはそのとき15歳か16歳くらいでさ、日本にツアーで行ったときにVIPラウンジっていう俺のお気に入りのストリップクラブに連れて行ったことがあるよ。そこでカミカゼ(カクテル名)を飲ませてたんだけど、次の日俺たちがスケートしてる時に、ブランドンがゲロ吐いてる超ウケる写真が撮れた。

最後にスティーヴ・ロコ(World Industries創始者)と話したのはいつ?

いつだか覚えてない。たぶん12年前とかじゃないかな。彼は今、株の売買をやってると思うよ。スケートのことをやってくれてたらって思うけど・・・でもそれはもうありえないな。

彼は今単純にサーフィンしたりして優雅に過ごしてると思ってたけど?

たぶんね。でもほぼ間違いなく株に手を出してると思うよ。

World Industriesを売った金があれば一生働かなくていいと思うんだけど?

そうだね、働く必要はないと思うよ。でも大金を持ってると、それをもっと増やしたくなるもんなのさ。ロコって、たとえ金なんて必要じゃないときでも、とにかく稼ぎたいっていうタイプなんじゃないかと思う。みんなを馬鹿にして自分の優秀さをアピールしたい性格っていうか。スケート業界に入って大成功してナンバーワンになって、その後スーツ着たクソみたいなビジネスの世界に入ってもまた大成功っていう。単純にそういうやつなんだよ。


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Interview: Ian Michna
Original Illustration: Lauren Kolesinskas
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最近エトニーズとHook-upsのコラボシューズもリリースされました。
欲しい・・・


2015年3月24日火曜日

根っこは何処へゆく Future Is Primitive

ついに発表できる日が来ました・・・

スケボーと尺八を軸としたドキュメンタリー、
「根っこは何処へゆく」がもうじき完成です。

予告編どうぞ!



ウェブサイトはこちらです。

http://futureisprimitive.com


Finally I can put this out!

The skateboard & shakuhachi documentary,
"Future Is Primitive" is coming soon!!

Here is the trailer and website.
Check it out!

Please keep your eyes on this.


2015年1月4日日曜日

AUSTYN GILLETTE Interview by JENKEM

今年最後の翻訳記事です。

JENKEMのAustyn Gilletのインタビューです。
かなり面白いです。

JENKEM:http://www.jenkemmag.com/home/
元記事:http://www.jenkemmag.com/home/2014/11/19/candid-conversation-with-austyn-gillette/

photo: ryan allan

オースティン・ジレットをインタビューするのは楽しい。なぜなら触れちゃいけない話題なんて何一つないからだ。嫌味なジョークから女の子の話やドラッグの話まで、普通のスケーターならインタビューで話すことを避けたがる話題も、オースティンはむしろ楽しんで話してくれる。外見からだけだと、クールで乾いたユーモアの持ち主という感じだが、その裏には鋭い洞察力を持った思慮深い努力家の顔を持っていることは、あまり知られていない。まだ子供のころから、オースティンは実質的に自力で生活してきた。リバティー・ボードショップ(スケートショップ)で働いて家賃やその他の請求書の支払いをし、自分で飯を食い、それと同時にスケートキャリアを積むためにはどうしたらいいのかを考えていた。Habitatなど初期の重要なスポンサーの助けがなかったら、今頃は全く別のオースティン・ジレットになっていただろう。

君のアドバイスを聞きたいんだけど。

何に載るんだっけ?

Jenkemだよ。

オーケー、パーフェクト。

君は女の子にモテそうだよね。素敵な女の子と出会うためにはどうしたらいいのかな。

ファック…知らないよ。そんなもんにレシピなんてないよ。ぶっちゃけ最近すごく良い子に出会ったけど、別にバーで出会ったとかそんなんじゃない。このうわべばかりの世の中で、中身のある人に出会うのはマジで難しいよ。でもそう言う俺自身、薄っぺらいやつなんだけど。「こいつは見た目がよくない」なんて思ったりするからね。だからどのツラ下げてって感じだけど、どこに行けば中身のある人に会えるかなんて分からないよ。申し訳ないけど、カリフォルニアじゃないね。少なくともLAじゃない。

勃起したくないときに勃起しちゃったときって、どうやって隠す?

チ◯ポのサイズにもよるけど、押し込んで隠せばいいよ。ベルトの下に持ってきて、その上からTシャツ被せて、もっこりしてんのをバレないようにする。金玉を叩くのもいいね。あれは効くよ。あとは全然別のことを考える。おばあちゃんがウ◯コしてるところを想像するとか。でも全然効果ないときもあるけど。ミーガン法のサイト(変質者リストのサイト)に載りたくなかったら、とにかく何としてでも隠さないと。俺の母親はよくそのサイトをチェックしてたよ。俺たち子供が学校からの帰り道にいたずらされないようにね。基本的にはグーグルマップみたいなやつでさ、住所を打ち込むと、その周辺にいる性犯罪者のリストが見られるんだ。

photo: andrew James peters.

ディラン・リーダーのHUFのシューズのコマーシャルについてどう思う?

アンオーソドックス。それだけかな。ヤバいスケート。まぁでも知らないよ。まさに、ああいうのがディランの好きな物なんだ。

あんまりシリアスに自分のことを考えすぎんなよ、とか彼に言ったことある?

別にディランはそんな奴じゃないよ!そういう風に思われちゃってるのが不思議なんだけど。まぁ俺はあいつを個人的によく知ってるからだろうな。俺たちはいつも冗談ばっかり言ってるよ。外ではシリアスな表情と笑顔の両方を交互に見せたりするけど、でも実は超面白い奴なんだよ。もしかしたらあのコマーシャルを作ってた時はダークな時期だったのかもね。知らないけど。裸の女が出てきたり、あの音楽だったり。あのとき俺はずっと呑んだくれてたたから気づかなかったけど。でもあんなスケートビデオなんて今まで見たことないよ。

ベルリンで君が彼と一緒に住んでいたとき、みんな君たちのことをゲイだと思ったんじゃない?

たぶんね。別にどうってことないけど。17歳の時に初めてベルリンに行って、ベルグハイン(ゲイが大勢集まるクラブ)に入ろうとしたんだけど、入場拒否された。乳首のところに穴を開けたTシャツまで着て行ったのにダメだった。たぶん俺は違うって感じたんだろうね。あそこじゃ笑顔でいちゃダメなんだ。悲しい顔をしたゲイでないといけない。そこなんだよ。そういうところが俺には耐えられない。俺はエクスタシーなんてキメたりしないし、あんなもんいらない。でもみんなはエクスタシーをキメたいからあそこに行くんだろ?それともゲイとか女の子の集団で一晩中踊って、プライベートルームの中でセックスでもしてんの?Berghainに行くならエクスタシーでキマってないと、逆に変人扱いされる。

俺もあそこに行ったことあるけど、別にエクスタシーはキメてなかったよ…

君は変人だ!このいかれたサイコ野郎め!俺は中に入ったことないから知らないだけなんだろうけど、中はカーニバルみたいになってるんじゃないの?ドラッグとセックスのカーニバル。みんな踊ってるんだけど何も見えなくて、窓は全部黒く塗られてて外界から遮断されてて、自分自身も外界から遮断されるんだ。中に入ったことのある奴からはそう聞いた。ドイツ訛りで「ヤバいパーティだぜ!10時間も踊りっぱなしだ!」って言ってたよ。それ聞いて全然入りたいと思わないけど。

最近遊びでドラッグやったことってある?

ハロウィーンだね。あれはイカれてた。夜中の3時に(マジック)マッシュルーム食って、Target(訳注:アメリカのディスカウント百貨店チェーン)に行ったんだ。カボチャとしばらく喋ったりとかして、次の日の朝8時まで遊んだな。2年前のクリスマスイヴでも、マッシュルーム食ってWalmart(同じくアメリカのディスカウント百貨店チェーン)に行ったんだ。前からやってみたかったんだよね。棚の2段目に置いてあったトレーニングマシンに乗ろうとして追い出されたけど。ああいう場所って面白いから好きなんだ。とにかく全部がすごい勢いで迫ってくるっていうか。歯ブラシを買いに来たのに、歯ブラシを買わずに全く必要のないフローリング・ワイパーとバナナの皮むき器を買っちゃう、みたいな。ああいうでかい店に行ってトリップするのは楽しいよ。

スーパーストアでトリップ。それが休みのときにやること?

そうだね。スーパーストア・トリッピング。今君にそう言われちゃったから、これからは休日のお約束になりそうだよ。



HUFのライダーになる前には、きっと他の大企業から多額のオファーが来てたと思うんだけど、どうやってそれを落ち着いて処理して、最終的にHUFのライダーになることを決めたの?

別にそんな感じでもなかったよ。不思議だけど、みんなそういう感じで(HUFのライダーに)なったと思ってる。でも実際はそうじゃない。カンパニーの多くは俺の業界内での評判を知ってるから、大企業のライダーにはならないだろうって知ってた。チームには馴染まないだろうし、ブランドのイメージも変えられないだろうし、そもそもそんなことやりたがらないだろうってね。わかんないけど。でもスケーターがオーナーのブランドのほうがいいに決まってるし、誰だってそう言うよ。そういうことさ。俺はキース(ハフナゲル。オーナー)とも、仲のいい友達みたいに話せる。「ファックオフ」とか「遊ぼうぜ」とか「ビール飲もうぜ」とか彼に対して言えるし、(HUFが作っている)ウィードソックスの悪口だって言える。本当に友達みたいな関係なんだよ。だからカンパニーと一緒に成長していきたいって思えるし、成長する姿を見たいって思う。だって俺たちは世界で一番大きなシューズカンパニーなんかじゃ全然ないからね。

大企業のシューズブランドは大人数のチームを抱えてるけど、HUFにはもっとチャンスがあるんだ。脇に追いやられて放って置かれたりしない。大企業はチームをAチーム、Bチーム、Cチームって分けてるんだ。マジでそうしてるんだよ。みんなが知ってるかどうかは知らないけど、でも実際そうなんだよ。ファーストクラスに乗れるライダーと、エコノミーに乗せられるライダーと、1年に1回くらいしかツアーに連れて行ってもらえないライダーがいる。チームをカテゴリー分けしてるんだ。HUFではそんなことは起きない。俺たちは全員エコノミーだ。全員クソエコノミーに座るんだ。ハフだって真ん中の席に座るし、ラッキーだったら外側に座れる。みんな平等なんだ。大事なことだよ。俺たちは共同体なんだ。

キャリアの初期にはQuicksilverのライダーだったよね?どうだった?

最高だったよ。ケリー・スレイターとチームメートだったなんてね。(笑)でも旅に行ったりできていただけで、別に大金をもらってたわけじゃない。でも何でもやってくれたよ。どこかに行きたい、そこで撮影したいって言えば、そこに行かせてくれるんだ。頼んだその日に航空券をくれたよ。だから例えば、「JENKEMが一緒に何かやりたがってるからニューヨークに行きたい」なんて言えば、もうそれだけで航空券がもらえるんだ。アート(サーリ)やステファン(ジャノスキ)や他のみんながいた時代のことは知らないんだけどね。その当時はすごかったらしいよ。自分たちのプライベートジェット持ってたりとか。俺はスケートが本当に景気がよかった時期に乗り遅れたんだよね。ギリギリあと一歩遅かった。

プロスケーターでいることで、一番大変なことって何?

一番しんどいのは、周りのレベルに合わせて絶えず向上し続けないといけないことかな。俺は自分に何ができて何ができないのかを分かってるし、今は本当に無理だと感じてる。それが一番大変なことだね。だからストリートリーグに参加してるってところもあるんだ。嫌でもネクストレベルに行かないといけない環境に身を置いてる。もはやアスリート的に取り組まないといけないくらいな感じがするけど、それが今のスケートの現状だし、そこで何とかしようとはしてる。とは言っても、俺はそういうタイプじゃないってみんな知ってるけどね。俺はクリス・コールとか他の人たちみたいに上手くない。

もう一つ大変なことってわかる?そういうのって、スケートボードの楽しい面を奪ってしまうんだ。大変なことって言うより、悲しいことだね。それが見ててわかるんだ。今のキッズたちは自然とそうなっていくっていうより、とにかくストリートリーグにいるようなエリートスケーターにならないといけないと思ってる。俺がガキの頃は、もうインターネットの時代にはなっていたけど、でもYouTubeの動画がきっかけでスポンサーが付くとか、そういうのはなかった。Hi-8のテープと、あとは口コミだよ。俺の場合はもっと自然にスポンサードされるようになった。最近は俺より10倍も上手い人たちが、全然楽しんで滑ってないのを見る。悲しいよ。でも今はそのくらいレベルが高いんだ。俺もそういうことの影響を受けてる。


photo courtesy of brad staba / big time distribution

君は高校時代、自己学習プログラムで勉強してたんだよね?どうして?

8thグレード(中学2年)の時に、俺は初めてのHabitatのビデオパートの撮影をしてたんだ。それで半年間学校に行ってなかった。だから高校に入る時も、俺はカウンセラーに「半年は学校に来られない」ってことを言わなくちゃならなかった。でもそのときカウンセラーは「たぶん君は僕よりもお金を稼ぐようになるだろうね」って言って、頑張るように言ってくれたんだ。あれは嬉しかったな。それで彼は俺のために自己学習プログラムの申し込みをしてくれた。だから出来る限り早く高校の過程を終わらせようとしたよ。高2は飛び級した。でも高校最後の年になって、Habitatのみんなから「高校は行っといたほうがいい」って言われたんだ。経験しておけってね。みんなから後悔するぞって言われたよ。みんな俺に高校に行って欲しがってた。

俺の人生はものすごい早さで進んでたからね。たぶんそれは俺の家庭環境と関係があるんだろうけど。ガキのころに与えられなかったもの、そして俺が自分自身のためにやらなきゃいけなかったこと。俺の家は貧乏だったから、保険やらなんやらを俺が自分で払わなきゃならなかった。まだたった13歳のときにね。全部のことをガキのうちからこなしてたから、みんな俺に少しゆっくりして欲しかったんだと思う。すこし落ち着いて、17歳のくせに30歳みたいに振る舞うような、早熟しすぎの奴にならないようにってね。あれは最高のアドバイスだった。高校は大嫌いだったけど、最後の年は学校に行って、ちゃんと卒業した。

photo: andrew james peters

なんでそんなに大変な家庭環境だったの?

うちの家って普通のよくある家庭じゃないんだ。両親は俺が4歳のときに離婚して、マジで最悪だったんだけど、他にもドラッグの問題やら色々あって、すごくピリピリしてた。親父は俺が生まれる前までは裕福だったけど、離婚してからどんどん悪くなっていった。13歳から18歳になるまで親父と一緒にクソぼろいアパートに住んでたんだけど、親父は全然金を稼いでなかったから、俺はスケートショップで働き始めた。リバティー・ボードショップだね。俺はまだ14歳だったから、法的にあそこで働ける年齢じゃなかったけど、みんな友達だったから(働けたんだ)。だから14歳でもうすでに自分で自分の支払いをしてたし、食事も、自分の面倒は自分でみてた。その感覚自体は好きだったんだ。仕事を終えた後の充足感とか、仕事の成果を見たり、プロダクトを見たりね。早い段階で色んなことを学んだよ。

良かったよ。その年で労働っていうのは何かを理解したし、何もしなければ何も得られないってことも学んだ。かなり早い年齢で、何かをしたいなら、それに向かって行動しないといけないってことを学んだんだ。そういう風になれたのは良かったと思うんだけど、そのおかげで他人に助けを求めることを、ちょっと躊躇するようになった。でも他人からの助けを受け取らないって態度でいると、それは友達を失う事になるんだ。自分の人生にその人たちを関わらせないってことだからね。そういう良くない面もあった。「俺は自分ひとりで何でもできる。もう10年もそうやってきた」って感じさ。だから俺には自分自身と、兄弟だけだった(訳注:兄なのか弟なのかは不明。たぶん弟?)。兄弟だけが俺の家族さ。親父は俺が19歳のときに死んじまった。普通とは違う家庭環境だったから、今とは全然違う方向に行く可能性もあった。ドラッグにハマってソファーの上でずっと座ったまま何もしないで、大麻に有り金全部使っちまうような奴になってた可能性もあった。

他にももっと、みんなが知らないエグい家庭の話とかあるけど、それは俺が言わないからね。「俺の人生はマジでハードだ、むちゃくちゃだ」なんて言わない。だって今はそうじゃないから。人生うまくいってるよ。もっとひどい人生だってあり得た。エボラ出血熱に感染したりとか。(笑)まぁそれは悪い冗談だけど、でも本当にもっと悪い人生になることもあり得た。

Habitatは君を助けてくれた?ある意味君にとって家族みたいなものになってたりする?

そうだね、Habitatのみんな、特にブレンナン・コンロイは俺のことを本当に助けてくれたよ。ダニー・ガルシアにも俺が13歳のころから面倒みてもらったし、そういう人たちが周りにいてくれて本当に良かった。スケートをしてたおかげで彼らに出会えたし、自分にとって正しいチームのライダーになれた。もしあの時Bakerのライダーになってたら、俺は今頃ボロボロになってたかもね。でも俺はHabitatを選んだ。それは本当に良かったと思ってる。どうやって全てがうまくいったのかは分からないけど、でもうまくいったんだ。

Photography: Andrew James Peters & Ryan Allan
Interview: James Lee
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2014年11月21日金曜日

THE GINO IANNUCCI INTERVIEW by JENKEM

JENKEMのジノ・イアヌーチ兄貴のインタビューです。

Chocolateを抜けたって聞いた時はびっくりしましたね。
今回も面白いインタビューです。

Thank you JENKEM for this interview!! Always so good!

元記事:http://www.jenkemmag.com/home/2014/11/12/the-gino-iannucci-interview/
JENKEM:http://www.jenkemmag.com/home/

photo: sara sani

正直言って、最初にジノがChocolateをやめると聞いた時は奇妙な感じがした。41歳になる彼が、どうして15年以上も在籍したスポンサーを辞めたりするんだ?これがきっかけで、彼のフッテージや写真がもっと見られるようになるのか?キャリアのかなり後半でChocolateのファミリーたちから去らなければならなかった理由とは何なのか?ジノが人生の新しい扉を開き、まだ見ぬ場所へと歩き始めた今、こういった質問を彼に聞くことができた。

君はFucking Awesomeの一番新しいライダーになったけど、加入を決めてジェイソン(ディル)に話したのはいつ?

最初にジェイソン(ディル)とアンソニー(ヴァン・エンジェレン)がAlien Workshopを辞めて新しいボードカンパニーを始めるってこと、つまりFucking Awesomeをボードカンパニーに拡張するってことを聞いたときは、すぐにこれはヤバいことになるぞってブチ上がったよ。なんとも表現できない感覚になった。FAはちょっとした起爆剤になるだろうと思ったし、スケート業界もそれを必要としていた。ずいぶん長い間、スケート業界は同じことの繰り返しだったからね。リスペクトされている彼らのような人たちが小さなカンパニーを始めたことが、すごく嬉しかった。

で、ある日撮影か何かをしていたついでにSupremeに寄ったら、そこにジェイソンもいたんだ。長いこと彼とは会ってなかったけど、そんなの関係ないんだよ。彼とは会えばすぐに昔と同じようになれる。そんな感じで店の前に座って話をしたんだ。Fucking Awesomeのことを聞いた時から、頭の片隅では「俺も参加したい」って思ってた。かっこいいし、小さいし、新しいし、それに他とは違ってる。(FAのライダーになるって話は)そのときSupremeの前で座って話してるときに出てきたんだ。俺は「やるぜ」って言った。自分の心の中で、自分のいたい場所はFAだって分かってたんだ。もし心でそう感じて、本当に心からそう思うんだったら、そうする以外にないんだよ。

ジェイソンとアンソニーと一緒にやれるのは最高だよ。特にジェイソンとは一緒にプロスケーターのキャリアをスタートさせたしね。始めてカリフォルニアに行った時は、ハンティントン・ビーチのジョン・ルセロ(Black Labelのオーナー)のところにステイしてたんだけど、初めて会ったスケーターがジェイソンだった。すぐに俺たちは友達になって毎日一緒に滑ってたよ。Black Labelの後は101にも一緒に移ったし、ずっと一緒にスケートしてたから、今また彼と一緒にやれるのは最高だね。正直もしジェイソンじゃなかったら、Chocolateを辞めることはなかったよ。まあキャリアのこの時期で、ちょっと新しいことをしたくなったんだ。

Fucking Awesomeってブランド名には「Fucking」が入ってるけど、それって最終的に問題になりそうだとは思わない?

明らかにそうなるよね。ジェイソンともそのことについて話をしたよ。ショップの中には「Fucking」って入ってることでFucking Awesomeの板を取り扱わないって店も間違いなくあると思うんだ。ショップにはキッズの親たちもやって来るし、親たちは「Fucking」なんて字は見たがらないからね。でも俺からすると、そういう部分も含めてFAはいいカンパニーだと思うんだ。ぶっちゃけ逆にアツいよ。そういうショップなんてクソ食らえさ。別にショプを攻撃するつもりもないけど、でもFAっていうのはそういうカンパニーなんだ。長いこと続けていくうちに、もっと利益を上げないとってなってくるかもしれないけど、でもZumiezみたいなチェーン店で売られるようなボードカンパニーじゃないってところが最高なんだ。シンプルにね。


shoveit noseslide (2013) / photo: joeface

ジェイソン・ディルとFucking Awesomeから、「Hockey」って名前の姉妹ブランドが立ち上げられることが発表されたけど、これって君がホッケー好きなのと関係あるの?

いや、ないよ。ジェイソンから聞くまで知らなかったし。いい名前だよ。面白いし目立つ名前だ。みんな「は?ホッケー?マジで?」ってなるよね。嫌でも考えさせられる。最高だね。いい名前だよ。でも俺のこととは関係ないよ。俺自身ホッケーやってたりしたけど、でもそれは単なる偶然さ。

15年以上も在籍したChocolateをどうやって辞めたの?

(辞めるのは)死ぬほど難しかったよ。誰も俺が辞めるなんて思ってなかったと思うし。俺が嫌になってたり、辞めたがってるなんて兆候も何もなかったしね。一度も問題なんて起きたことなかった。リック(ハワード)と話したんだけど、そのとき俺はフロリダにいたから会って直接じゃなく、電話で話をしないといけなくて、それは申し訳なかったし辛かったな。ジェイソンから「もう彼らには(辞めることを)話したのか?」って聞かれてた。ジェイソンもAlienを辞めた経験があったから、彼からアドバイスをもらってたんだ。彼らにとってもAlienを辞めるのがどんなに難しかったかってことや、泣きながらやったってこととかね。

俺は車のシートに座って、リックに電話したんだ。今自分の心がどこにあるのかってこと、自分が何をやりたいのかってこと、そしてもうどうすることもできないってことを話した。最悪だったのは、Chocolateの20周年と重なってしまったことだね。最悪のタイミングだよ。今年はChocolateが色々とたくさん動いていたときだったから、その時期に自分がそういう風に感じてるってことが、すごく嫌だったし本当に辛かった。

Chocolateの20周年イベントが終わってから移籍を公表したのは、そういう状況に配慮してのこと?

それは当然だよね。そうするように頼まれたし、義務以上に俺もそうしたかったし。「ちょっと待って、いまは沢山やらないといけないことがある」ってね。リスペクトだよ。Chocolateが20周年を振り返るイベントをやってるときに、それをぶち壊すようなことはできないよ。俺だってその歴史の一部だったんだし。だからイベントにも出たし、行かない理由もなかった。リック、ミーガン、マイク、Girl/Chocolateのみんな、チコ、全員に感謝したい。長い間一緒だったし、彼らのことは本当に気にかけてるし、こんなに長い間ファミリーの一員でいられて本当に感謝してる。


photo: logan hill (2014)


君はあまりこのことを話してきてないけど、2000年代の半ばごろに刑務所に入ってた時期があったよね。そのことについて話してもらえる?

「Year Right!」の後から、急に物事が悪くなっていったんだ。最初は1ヶ月間、群の刑務所に入るくらいの話だったんだけど、そのすぐ後に別件で捕まって、刑期が4ヶ月間に伸びて、しかも州北部の刑務所に送られることになった。もう群刑務所のレベルじゃない。保釈されて裁判の手続きなんかをやってたんだけど、そういう手続きや判決を待ってるストレスで参っちゃって、全てのことに対して興味をなくしてしまったんだ。特にスケートに対してね。

「Nothing But The Truth(NIKE SBのビデオ)」の撮影の時も上手くいってなかった。俺はロングアイランドに当時の彼女と一緒に住んでたんだけど、俺が4ヶ月刑務所に行ったあとの猶予期間中も、俺たちは禁酒してはそれを破っての繰り返しだった。めちゃくちゃだったよ。スケートなんて全然できてなかった。一個の告訴がまた別の告訴を呼ぶって感じだった。もう自分が幽霊みたいになってたのは自分でも分かってた。州北部の刑務所に送られることが確定したとき、弁護士からは多分全部で2年くらい入ることになるだろうって言われたよ。その時、もうスケートのキャリアは終わったなと思った。そんなに長い刑務所暮らしの間に自分が何をしたらいいのか考えたね。商売とかそういうものを学ぶのか?それにしてもスペードとかカジノとかのカードゲームを一日中、2年間も続けるなんて気が狂いそうだ!って思ったよ。

でも州北部の刑務所に送られた後で、ショック・プログラムっていうものがあることを知ったんだ。海兵隊のブートキャンプ式の刑務所で、犯した罪が暴力的なものじゃなく、州北部に来たのも初めての場合、そこに入ることができるんだ。もしそこに入れたら、普通の刑務所でどのくらいの期間入る事になっていたとしても、半年のうちに家に帰れる。もちろん俺もそこに入ったよ。そしたらナイアガラの滝の近くのもっと北部の刑務所に送られた。40人くらいで兵舎の中に入れられるんだけど、すごく厳しくてさ。ちょっとしたミスでも罰せられるんだ。何か失敗をすると必ず地面に這わされて、何らかのエクササイズをさせられる。誤解しないでくれよ、もちろん体を鍛えるためなんかじゃなくて嫌がらせだよ。あるとき、朝のフィジカル・トレーニングの時間にちょっとしたことがあって、俺たち40人全員、凍ったガチョウの糞で覆われてる運動場を左から右、上から下って感じで30分間転がり続けさせられたこともあった。あれは楽しかったな!(皮肉)

このプログラムを通して、謙虚でいること、自己実現、そしてもちろん、感謝することを学んだよ。それとこの6ヶ月間で、規則正しい生活ってのも学んだ。そこでは朝5時に起きて、2時間エクササイズして、朝食食って、それから仕事を3時か4時までやる。俺の仕事は倉庫の管理で、食材や掃除道具なんかが全部そこに収められてた。食材が届いたら、トラックから積み出して冷蔵庫にいれて、倉庫内を掃除する…とかそういうことをやるんだ。あの規則正しい生活はちょっと良かったな。それまでそんな生活なんてしたことなかったし、ちょっと調子良かったんだよね。自分が何をするのか、何をしないといけないのか分かってるし、ルーティンにも慣れるし。今までの人生とは違ってた。今まで経験したことのないものだったよ。

刑務所や更正施設に行く前は、酔っ払ってスケートしてたの?

いや、酔っ払ってスケートなんてできないよ。たぶんずいぶん昔、20代前半のころなんかは、ビールを何本か飲んでから滑っても大丈夫だったけど、それでもめちゃめちゃ飲むってことはなかったよ。年を取るにつれて、酔っ払ってるときは板に触れさえしなくなった。ほんとよくないよ。しばらくシラフで身体の調子が良くても、また酒を開けてしまうんだ。そういうことを続けてると、せっかく何歩か前進しても、またそれと同じくらい後退してしまう。そしてしばらくすると、自分がただ前進と後退を繰り返しているだけだってことに気づくんだ。悪夢だよ。前進なんてしてなくて、ずっと停滞したままなんだ。板に乗れてると感じてたのに全然ダメだと感じたり、精神的に強かったのに、すぐに弱くなったり。そんな感じで生きるのはしんどいよ。両極端なんだ。最近はシラフでいるように心がけてて、健康を維持して板に乗ってるようにしてる。時々酒を飲みたくなる時も正直あるけど、色々大変な目に遭ってきたから、今は楽しんで酒を飲むことはできないし、また飲んでしまって自己嫌悪に陥ったりなんて無理だね。




君の写真やフッテージで、まだ世に出してないものとかってある?

いくつかあると思うけど…っていうか、みんなFucking Awesomeのビデオが出ることを期待してると思うから、質問としてはそこに俺のフルパートはあるのか?ってことだよね?ボリュームのあるパートを作れたらいいなとは思うよ。でもみんなにはちょっと立ち止まって考えて、現実的になって欲しいな。俺だって自分のできる限りのことをやって、自分の目で見ても価値があると思えるもの、ジェイソンとアンソニーが見ても良いと思ってもらえるものを出したいよ。

みんなからフルーパートを期待されてる。みんな俺がキャリアのどの辺にいるのかを知ってるのに、それでもフルーパートのことを聞いてくるんだから参るよ。ネガティブな気持ちになってしまうんだ。なんでみんながそんなに高い期待を俺に寄せてるのか分からない。時々自分はただ、みんなをがっかりさせてるだけなんじゃないかって気持ちになってしまう。40歳になって思うのはさ、30代で素晴らしいビデオパートを出せるスケーターなんてほんの一握りで、特別なスケーターだけなんだよ。誰でも出来ることじゃない。だからそういう事は置いといて、ただスケートを楽しもうぜっていう。10分もあるようなパートを作る必要なんてないんだから、楽しんで、そこからベストなものを引き出そうよって思うんだ。

君はソーシャルメディアを使ってないし、インターネットやスケートのサイトもあんまりチェックしないって聞いたけど、どうして?

ネットはもちろん見るよ。でもスケート関係はあまりチェックしていられないね。情報が多すぎるんだ。そういうのを見てもスケートに行きたいってならないし、むしろ板を放り投げたくなる。この話はもっと続けられるけど、この辺にしとくよ。とにかく情報が多すぎて、どうでもよくなる。最新情報とかは無視しておきたい。そうすれば自分のやりたいことをやれるからね。スケート雑誌は今でも好きだよ。タワレコ行って、ちょっとしたもん買って、スケート雑誌全部チェックしてっていう時代が懐かしいよ。今はコンピューターの前に座ってスクロールしてるだけさ!指が痙攣しちまうよ!

スポンサーからInstagramとかTwitterを始めるように言われたことってない?

あるスポンサーから言われたことはあるよ。彼らは断固として俺にFacebookとかツイッターのアカウトを作るように言ってきた。かなり嫌だったね。結局俺はアカウントを作らなかったし、うまく行かなかったよね。正直ちょっとあきれたよ。今の時代、それが求められることだなんてね。そんな時代になるなんて思ってもみなかった。さっきも言ったように、俺にとっては、そういうのは無視して飲み込まれないってのが最上だよ。それが助けになるっていうのも分かるけど、でも個人的にはやり過ぎだよ。やってられないね。俺はただ自分のことをやりたい。JENKEMは時々チェックするし、他にも面白いと思う、リアルだと思ってチェックしてるサイトもあるよ。でも色々見すぎちゃうと、板に乗りたくなくなってしまうんだ。そんな感じだね。

ナイキに在籍して10年以上になるけど、もう金銭的には一生安泰なの?

一生安泰?それは面白い質問だね。適当に言っちゃうけど、スケーターはまだ野球やフットボールや、バスケットボールのような給料のレベルには達してないよ。特に俺はね!最近はスケート業界にはたくさんお金が流れてるけど、その質問はポール(ロドリゲス)やステファン(ジャノスキ)には相応しいけど、俺向きじゃないね。俺も悪くはないけど。ナイキはずっと俺に良くしてくれてる。それは間違い無いよ!


the future of gino

スケートや自身のキャリアの中でまだやり遂げたい目標とかってある?

自分の中では、やりたいと思ってる事やトリックがいつも何個かある。撮影したらかっこいいだろうなと思うトリックのアイデアとかね。でもスケートで何かを成し遂げるってことだと…自分としては自分の全盛期は随分前に終わったと思ってるんだ。でもそんな全盛期を持てたこと、カリフォルニアに住めたこと、Chocolateや101、Black Label、そして今はFucking Awesomeみたいな素晴らしいカンパニーのライダーになれたことを幸せだと思ってる。今は過去のことは過去のことで、自分の全盛期がもう過去になってるってことにも満足してるんだ。今は年をとって、単純にスケートを楽しみたいと思ってるよ。

若い世代がどんどんヤバくなっててさ、超うまいし超テクニカルになって、すぐにトリックを決めちゃうのを見てて、ちょっと苦しかった時もあったよ。恐くなってくるんだ。「うーん、俺はまだこの世界にいていいのか?俺はまだ通用してるのか?」ってね。でも時を経るにつれて、そういうもんじゃないってことに気付き始めるんだ。みんな個性があって、みんな何かを持ってる。40歳だろうと19歳だろうとね。14歳くらいのキッズは俺のパートを見ても何とも思わないだろうけど、それより年上の奴らは興味を持ってくれるかもしれない。誰にだって、何かあるんだ。


最近スケートで見たいのはそういうことかな。全部かっこいいって思いたい。何でもいいんだ。そういう風に考えるのって、自分が年をとって、ついていけなくなったからだと思ってたんだけど、でもそれって本当のことだと思うんだ。どんなことでもいいんだよ。ちょっと前に、友達からBones BrigadeチームのリユニオンがHouse of Vans(Vansのスケートパーク)であった時の映像を見せてもらったんだ。ケビン・スタブ、トニー・ホーク、ホソイ、ランス・マウンテン…みんなバート・ランプでスケートしてて超カッコよかった。彼らが自分のやることをやってプッシュし続けてるのを見て、一つ学んだよ。周りの人たちだけでなく自分自身にも感動を与えて、スケートボーディングに参加してハッピーでいること。そういうところをみんなはリスペクトするんだよ。俺もストリートスケートで同じことができると思うんだ。俺の身体がもつ限りね。もしスケートがカッコよければ、それが何であろうと良いものなんだよ。人々は理解して評価してくれる。それだけさ。それがスケートの最高なところだよ。


Interview: Ian Michna
Photography: Sara SaniLogan Hill & JoeFace
Special Thanks: Ray Mate & Mighty Healthy

2014年10月2日木曜日

ANDREW REYNOLDS INTERVIEW by JENKEM

JENKEMのアンドリュー・レイノルズのインタビューです。

ボスです。かっこいいす。
最初の質問が超直球でウケます。

元記事:http://www.jenkemmag.com/home/2014/09/02/the-andrew-reynolds-interview-2/
JENKEM:http://www.jenkemmag.com/home/


photo: atiba / courtesy of emerica


どんなサブカルチャーでも、20年以上にわたってトップに立ち続けているような人間は稀だ。みんな知っているように、勢いに乗ってシーンに登場するだけでも大変なのに、それを維持し続けるとなるともっと難しい。アンドリュー・レイノルズはそうした数少ない人間の一人だ。スケートボーディングがいくつもの時代を経た今でも、変わらずにそのキャリアをプッシュし続けている。彼は90年代のころと変わらず「ボス」のままだ。徐々に写真やアートや、業界内での仕事を始めるようになる他のレジェンドたちと違い、レイノルズは30代になってからも自分のスケートを進化させながら、そのトップの座を保持し続けている。日ごとに、そしてトリックごとに。



君って億万長者なの?

うーん…100万ドル(約1億円)持ってたら億万長者?

もちろん、そうだよ。

だったら、それに近いところにはいるね。100万ドル近くは持ってるんじゃないかな。でももし、過去に起こった出来事のうちのいくつかが起こらずに、そしてもっと違った選択をしてきていたら、たぶん今持ってる財産の3倍か4倍は持ってたと思うよ。今持っている知識を当時いくらかでも知っていれば、って思う。…昔はレクサスのSUVにベンツ、BMWなんかを持ってた。別れた元嫁もBMWに乗ってたし、丘にある家は彼女に持って行かれた。…すごくお金をかけたのに、一緒に持って行けないものってのは沢山ある。今はこの美しいフォードのVictoriaに乗ってる。それで満足だよ。人生は経験して学んで行くものだね。

しばらく前から断捨離を始めたよね?いろんなものを売って、小さな家に引っ越して。どうして?


単純に、ベッドルームが5つもあるような家に、俺と子供一人で住むのは馬鹿げてると思っただけだよ。俺はいわゆる普通の家に住みたかったんだ。今までいろんなもので金を失ってきた。キャデラックを何台も持ってた時期があったんだけど、それってギャング映画やOutkastとか色んなものからの影響でさ、キャデラックを持ってないといけないと思い込んでたんだ。ある時から欲しいなんて思わなくなったけどね。昔は古い車が好きで、他に何も考えてなかったんだ。今はもうそういうものに興味はない。家にも車にも何にもね。食べるものと、家族と、友達と、それと住むところがあれば、そういうことは少しも重要じゃないよ。



君はもう10年以上シラフだけど、そもそもどういう風にして酒やドラッグにハマっていったの?

小さな町で育つとさ、それがみんなのやることなんだよ。パーティさ。多分みんな退屈で、何かやることはないかって探してるんだと思う。大人になる過程の一部だよ。当時俺は16とか17とかで、友達のほとんどは年上だったし。そうやって入っていった感じだね。まだ16歳のときから、飲むときはゲロを吐くか、記憶を失くすまで飲んでた。ガキすぎて酒のことなんて分かってなかったんだ。記憶を失くすまで飲んで次の日ゲロ吐いて、それがパーティをしてるってことだと思ってた。そのころに草にもハマりだした。南部ってのはさ、みんな車を乗り回しながら草吸ってるんだよ。今でも(南部は)そうさ。たぶんそれが南部のノリなんだと思う。Outkastの曲を聴いて、ブラント巻いて吸って。交差点でエリッサ(スティーマー)を見かけて、車の窓からブラントをまわしてやったことなんかもあったな。

18歳になってカリフォルニアに引っ越して来たんだけど、(トム)ペニーとか(チャド)マスカとか、俺が尊敬していたスケーターはみんなカリフォルニアにいて、ヤバいスケートをしてた。そういうカルチャーってのもカリフォルニアではもっと受け入れられていて、草吸って酒飲んでスケートしてってのは普通のことだったんだ。ダスティン(ドリン)はガキの頃からドラッグをやってたんだけど、ある晩彼がコカインを持って来てテーブルに置いたんだ。それでコカインをやった。悪いことだとかは何も考えてなかったね。草と同じようなもんだった。

何ヶ月か後にも誰かがコカインを持ってたんで、そこでもやった。そのときから、当時19歳だったんだけど、コカインをやるようになった。それからまた別の奴らと付き合うようになって、そいつらはクラックとか他のドラッグをやってたんだけど、俺は草吸いながらコカインもキメるようになった。あれば何でもやったよ。エクスタシー…とにかくあの時期はなんでもやってみた時期だった。でも毎回後悔してたんだ。毎回これが最後だってね。朝起きて思うんだ、「ファック、俺は何をやってんだ?馬鹿すぎる。こんなことしたくない」ってね。でもまたビールを何杯か飲んで軽く草吸って、みんなでパーティしてたら頭が切り替わってしまって「ルールなんてない、行くぜ」ってなってしまう。それは俺が依存症だったからさ。みんながみんなそういう感じになるわけじゃないけど、もしドラッグ依存でしかもアル中だったら、そういう風になるんだよ。

ドラッグとかでスケートの助けになったものってある?

ないよ。絶対ない。草も酒もドラッグも、何の助けにもなりはしない。これは自信を持ってそう言えるよ。マジで何もない。誰にとってもね。本当にそう思う。もし誰かが「ハイになってるときのほうがスケートできる」とか「ビールを飲めば何にでもトライするぜ」なんて言ってたとしたら、それは大嘘だよ。クリアな意識でいるときだけ、物事に集中して良い仕事ができるんだ。

君のライダーでもあり友達でもある、アントワン・ディクソンが刑務所から出てきたね。彼についてのニュースとかってある?

そうだな、こういう感じで彼について話したくはないかな。彼は自分の道を進んでる。今何をしてるのかはよく分かんないよ。

young reynolds at patrick o’dells art show / photo: @morgnar courtesy of active

今多くのボードブランドがチームを縮小しているみたいだね。君もスパンキーとブレイドンを切った。将来的にスケートのチームって少人数になると思う?たとえば3、4人だけでブランド全体を代表する、みたいな?


それは分からないね。今はそういう風になりそうに見えるけど。でも俺にとってはチーム全体を好きになるっていうのが普通なんだ。ほとんどそれが全てだよ。ファミリーなんだ。俺がガキのころはプランBや(ワールドの)20 Shot Sequence みたいなビデオを見て、「なんてヤバいチームなんだ!」って思ったもんだよ。彼らはみんな一緒につるむし、同じスポットで滑って楽しんでる。個人的にはそのバイブスを維持して行こうとしてるよ。Bakerはそれが全てさ。みんながみんなずっとプロでいられたら、って思うけど、実際問題そうはいかない。それは納得してるんだ。物事のサイクルってそういうものだろ?そういうのも全てスケートボーディングの一部さ。

JENKEMで何年か前にジェイ・ストリックランドをインタビューしたんだけど、彼は未だに過去のことにこだわってたよ。君たちは今は仲直りしてるの?(訳注:この時のインタビューでジェイ・ストリックランドはレイノルズたちに裏切られた、Bakerのロゴやグラフィックをデザインしたのは俺なのに、などの話をしている。)

2、3年前にジェイとニューヨークで会ったよ。彼がBakerをクビになったことは、別にそんなに問題になってるとは思ってないよ。未だに納得出来ないでいるとしたら、それは彼の性格の問題だと思う。彼は例えば、もしタコスショップなんかで誰かにディスられたとしたらもう二度とその店には行かないような、そういうタイプの人なんだよ。(ジェイがクビになったのは)もう15年も前の話だぜ?クレイジーだ。ニューヨークでは結構長く話したし、いい感じだったけど。でも分かんないな。俺は仲直りをするでも何でもオープンだよ。

ジェイミー・トーマスはライダーたちにビデオパートの撮影でトリックをメイクさせるために、インセンティブをあげたりしてモチベーションを上げようとすることで知られてるけど、そんな風にお金を餌にしてライダーにトリックをメイクさせたことってある?

一回もないよ。俺は基本的にみんなに好きにやらせてるよ。まぁ友達として一緒に滑っているときに、「これメイクしたら20ドルだ!」みたいに言うことはあるけど。別にトリック・リストとかないし、何かメイクしたら給料を上げるとかもない。みんなには何でもやりたいことをやらせるようにしてる。キーナン(ミルトン)やジノ(イアヌーチ)みたいに、フッテージの量は少なくても、その価値が反比例して高いスケーターが好きだ。だから誰かに向かってどんなトリックをすべきだとか、どのくらいフッテージがないとダメだとか言わないよ。

君は最初のころはトニー・ホークのカンパニー、Birdhouseのライダーだったよね。そのころのことで、今でも心に残ってることってある?

もちろんあるよ。もしトニーがデモにいたとしたら、それはトニーがヤバいことをやってくれるってことなんだ。気取った奴らはそうは思わないかもしれないけど、俺はそういうのって最高にかっこいいと思う。俺がデモで滑るときは、ベストを尽くしてキッズたちのためにヤバいスケートをする。だってキッズたちはそれを見に来てるんだからね。常にそのことをトニーから学んできたよ。体調最悪で足首は腫れ上がってて、3週間もツアーにでてボロボロになってる状態でも、どんなときでもトニーはデモに出て、凄いスケートをするんだ。何があってもね。たとえどんな家族内の出来事があっても、たとえ酷いツアーだったとしても、いつでも彼は全力で滑って、そして何に対しても一言も不満を口にしないんだ。

人から気づかれたり有名でいることに、疲れたり嫌になったりすることってある?

いやいや、ないよ。こないだもスパンキーと一緒にタダでスターバックスのコーヒーをもらったんだけどさ、普通はそんなこと(訳注:有名人で 得したとか)を自分で言ったりなんてしたくないだろ。だから店を出る時に、逆に冗談で「こういうの俺ほんと大好きなんだよね!」なんて言ったりしたけどね。まぁでも誰かが俺たちに気づいて、それでコーヒーをタダでくれたりってのは有り難いことだよ。それに向こうもいい気分になれるしね。誰かに何かをしてやったってことでさ。例えばニック・ケイヴ(ミュージシャン)とか、誰か尊敬している人が自分の職場にやってきたら、俺だって何かあげたくなると思う。そして両方ともいい気分になれる。キッズたちはいつもいい感じだよ。最高だね。だから(有名でいることが嫌だとかは)ないね!全部最高さ。


photo: @morgnar courtesy of active


君はいま30代半ばで、いまだにギャップやステアを飛んでるよね。みんなに教えてあげられる健康の秘訣だったり、ルーティーンとかってある?

俺がスケートを始めた時代は、ストレッチとか健康でいることはスケートと全く無縁な時代だったから、そういうのは新しいことなんだ。ストリート・リーグなんかじゃ、スケーターがストレッチしているのを見るだろうし、あの中にはパーソナル・トレーナーを雇ってる奴なんかもいるんじゃないかな。正直、もし今でもフライドチキンを食ってタバコ吸って、ストレッチなんか全然しなくても22歳のころと同じように滑れるんだったら、そうしてるよ。でも俺にとってはスケートを続けるってのはサバイバルなんだ。あと、今はシラフだってのもあるね。タバコも吸わないし、ドラッグも酒もやらない。それはだいぶ役に立ってるよ。

今のところ肉も乳製品もやめた。ほとんどスムージーばっかりだよ。それとVegaっていう植物性のプロテインパウダーも使ってる。勉強したところによると、スケートの後で筋肉痛になるのは、筋肉が切れたあと乳酸が出るからなんだ。プロテインってのは筋肉が超回復するのに必要なものだから、ハードにスケートした後はプロテインを採るのが一番いい。次の日筋肉痛になるのを避けることができるからね。

常にフルーツや野菜、水をもっと採って、もっとストレッチするように心がけてる。そうすると気持ちがいいからね。もしそういうことをやらなくても、スケートできなくはないけど、やったほうが間違いなく調子がいい。大きな水のボトルを1日3本飲んで、毎日ストレッチを続ければ、正直50歳くらいまではかなり上手く滑り続けることができると思う。長く続けるコツは、ちょっとしたことの積み重ねだよ。

すごく難しいトリックや、恐いトリックをトライするとき、何も考えてない無の状態になるっていうスケーターの話を聞くけど、そういうことって経験ある?


もちろん。ジム・グレコとそのことについて話し合ったことがあるよ。トリックをトライすることで、常にその無の状態を追い求めてるんだ。ほんのガキだったころから、そのことに気づいてたよ。フロリダにいた頃はたくさんコンテストに出てたんだけど、後からみんなが「ツェッペリンがかかってたな、カッケー」とか言ってても、俺は「何の話してんの」って感じだった。自分が滑っている間はずっと、俺にとっては無音だったんだ。タンパ・プロ(コンテスト)とかでも、超集中して無音になる。もしコンテストとかデモとかで、かかってる曲が何だったか言えたとしたら、それは俺があまりそこにいたいと思ってなかったって証拠だよ。

音楽が聴こえなくなること以外に、コンテストのランの途中とかトリックをトライしているときとかに、無の状態になったりする?


君もスケートやってるから分かると思うけど…人々がお金を払ってまで瞑想やヨガを学ぼうとするのは、それが理由だよ。(スケートの場合は)それの最も極端な形だね。スケーターが2週間くらい滑らずにいたら「ああ。外に出て何かしたい!」ってなるのは、そういう感覚や、普段の生活を忘れる感じが染み付いちゃってるからだと思う。必要なんだ。




君はゲームの「Tony Hawk’s Pro Skater」にも登場キャラとして出てたよね。それでお金って結構もらえた?


初回作では、ゲームの売り上げに従ってキャラクターになった奴らみんなにロイヤリティが支払われる仕組みだった。ゲームが発売された後、キャラクターになった奴らはかなり注目されるようになったよ。当時はデモに来るキッズの4分の1以上が、「トニー・ホークのゲームで君をプレイしたよ!」っって俺に話しかけてきた。「君の新しいビデオパートを見たよ!」じゃなくてね。で、初回作のギャラをみんなもらったんだけど、エリッサ・スティーマーや俺とかキャラクターになった奴らはみんな大笑いだったよ。ロイヤリティの小切手をもらったんだけど、190,000ドル(約2000万円)くらいあった。俺たちみんな「マジで?超最高だぜ!」って感じだったな。

そのあと、誰だか知らないけどギャラはタダでいいから自分もゲームのキャラにしてくれってゲーム会社に言ったプロスケーターがいてさ、それで会社のほうも「こいつらがタダでもやりたいって言ってくるんなら、次回作からは定額のギャラにしよう」ってことになった。実際次回作からはそうなっって、ギャラは定額で10,000ドル(約100万円)くらいになった。だからって文句は言えないけどね。だったら100万円なんていらねー、なんて言える立場じゃなかった。大ヒットゲームだったからね、みんなOKしたよ。それにしてもエリッサ・スティーマーも2000万円もらえたのは最高だったな。(笑)

Bakerのビデオ「Baker 3」で、君は「こういうビデオが出続けている限り、俺たちはオリンピックにはならない」って書いてたけど、時を経て、スケートボーディングがオリンピックの競技種目になる日がすぐそこまで来ているけど、このことについて今は違った考え方になったりしてる?

うーん、今はそういう事に対してそれほど頑固じゃなくなったな。正直言って、どうでもいい。世界を見渡してみればさ、そんなことよりも飢えに苦しんでいる人たちとか、そういう問題が沢山あるだろ。(そういうことに比べれば)スケートがオリンピック競技になることなんて、別に心配することじゃないよ。

俺はカリーム(キャンベル)が太いパンツを腰履きして、リーボック履いてハリウッド中をスケートしてた時代が好きだ。BakerやPalaceが好きだ。ジョン・ディクソン、リッキー・オヨラ、イーストコーストのスケーターたち…ウェス・クレマー、グラント・テイラー。Deathwishのライダー全員、みんな好きだ。俺がスケートで好きなものってのはそういうものだよ。いつだってそういうリアルでロウなスケートは存在し続ける。そして今はスケートには別の面もあるってことさ。オリンピックになったらバランスが取れるようになるんじゃない?他のスポーツにも洗練されたクリーンな面と、荒っぽい不良な感じの面って両方あるのかな?知らないな…まぁどうでもいいけど。オリンピックになったら、誰かが大金を稼ぐのは間違いないね。それは分かる。

photo: atiba / courtesy of emerica


スケートが世界的に大観衆の目に触れるようになることで、君みたいなカンパニーのオーナーにとっては利益になるんじゃないかと思うんだけど、スケートボードがもっと売れるようになるとは思わない?

思わないね。そこがみんなが勘違いしているところだと思う。ナイキとかマウンテン・デューとかの企業はさ、別にこういう企業に反対しているわけじゃないよ、でも彼らはスケートで大金を稼げると想像してると思うんだ。でも、いくつかスケートブランドを運営している俺の立場からすると、別にそんなに大きな市場じゃない。俺は真実を知ってるからね。そんなに大金なんて稼げないよ。本当にスケートしてるスケーター、つまり実際に板が折れるまで乗って、ボロボロのシューズを履いてる奴らが何人いるのか?分かんないよ。

ネブラスカであったZumiez(アメリカのチェーン・スケートショップ)のコンテストに行った時、そこには30人しかいなかったよ。みんな実際よりもスケートは大きいと思っていて、金を稼げると思ってる。世界中でJanoski(訳注:Nike SBのStephan Janoskiモデル)が流行っててみんな履いてるから、「すごいな、プロスケーターのシューズってそんなに売れるのか?」みたいになってるけどね。でも彼のシューズはたまたまチャック・テイラーみたいになっただけだよ。ステファンは素晴らしいタイムレスなデザインをしたけど、そんなのは人生で1度あるかないかのことさ。他のファッションとの関係とかもあって、みんなスケートボーディングを実際よりも大きいと勘違いしている。

真実を話すなら、スケートは小さいと思う。俺は俺のところのライダーのプロボードがどのくらい売れてるのかを知ってる。一番売れているライダーの板でも、どのくらい売れるものなのかも知ってる。そんなに多くないよ。逆にそれがいいんだけど。俺たちにとってはね。この小さなカルチャーの中でカンパニーを運営している、俺たちみたいなスケーターにとってはさ。他の人たちが金を稼げると思って外から入って来てるけど、実際はそうじゃない。投資した金が返ってこなくなったときに、こういう人たちが考えを変えるかどうかを見てみたいね。いずれ分かるよ。

photo: connor harrison schultze

自分のプロとしてのキャリアが終わる前に、スケートボーディングで成し遂げておきたい目標とかってある?

俺はBakerやPissdrunx、それに俺たちの仲間が引き起こしてしまったダメージってのがあると思ってて、それを出来る限り修復していきたいと思ってる。出来る限りキッズたちを酒やドラッグ、そういうライフスタイルから遠ざけることができるようにね。俺にとって良い仕事だと思うんだ。俺はスケートボーディングをユニークで、小さくて、そして楽しいもののままにしたい。それだけだね。

君は初期のBakerは間違ったメッセージを送っていて、その影響で道を誤ったキッズたちもいるだろう、って感じてるの?


そうだね。嘘をつかずにやってると、こういうことが起きてしまう。俺たちがやってたことは全て真実だからね、Beagle(Bakerのフィルマー)がドキュメンタリーを作ったとしたら、あれが俺たちさ。あれがBakerだった。それは変えられない。でも今は俺は一つの手本として、クールに見られるためにそういうことをする必要なんてないってことを伝えたいんだ。沢山のキッズがデモで俺のところに来て、「色々ドラッグとかにハマり始めちゃってヤバかったけど、リハビリに行ってアル中のカウンセリングに行って、今はもうやんなくなったよ」っていう話をしてくれる。多いよ。誰かの人生を救えるかもしれない。俺にとっては「大好きなスケーターだ」って言われるよりも大事なことだよ。キッズの一人くらいは、ヘロインのオーバードーズにならないように出来てるかもしれない。そっちのほうがスケートより大きいよ。


Interview: Ian Michna

Original Illustration: Anders N

2014年8月18日月曜日

続報&速報 スケートボーディングとオリンピック

もはやスケートがオリンピック競技になる未来は確定のようです。

知らんところで勝手に決められてますけど、
まあ政治と一緒で世の中そういうもんですよね。

スケートは今確かに日本でもすごく人気があるし、
北米やヨーロッパでは、もはや人気があるとか言う必要ないくらいスケーター多いし。

企業的にもオリンピックになったら儲かるし
これはまぁ当然の流れだとは思います。

好きか嫌いかは別として。





Street League Endorses ISF As Official IOC Skateboarding Federation 




元記事:http://business.transworld.net/152294/news/street-league-endorses-isf-official-ioc-skateboarding-federation/


ロサンゼルス、カリフォルニア(2014年8月12日付け)ーStreet League Skateboarding(SLS)とInternational Skateboarding Federation(ISF)は戦略的な提携関係を結び、SLSはISFが国際オリンピック委員会からスケートボーディングの正式な組織として認められるよう、支援していくことを発表した。この提携により、SLSとISFは最適なストリート・スケートボーディング大会を行うための公式ガイドラインを作成し、SLS Super Crown World Championshipのグローバルな予選システムを、ISF公認のストリート・スケートボーディングの世界大会として共同で進めていく。

SLSの代表取締役であるBrian Atlasは、ISFを支援していくことについて以下のような声明を出した。

「もしスケートボーディングが世界的な規模で受け入れられる機会があるとすれば、それは正しい人たちの手によって行われるべきです。そして我々はISFの他に、競技としてのスケートボーディングについての経験を持ち、正しく提示できる組織はないと考えております。」

そしてAtlasはこう続ける。

「ISFは既に世界各国に代表者を持ち、この(オリンピックという)大規模なプラットフォームにスケートボーディングを加えることについて、正しい目的を持っています。我々は彼らと正式に提携することでISFの持つビジョンの実現の手助けをし、またグローバルなスケートボーディング競技のコミュニティに貢献するため、我々の大会のフォーマットをどのように進化させていけばよいのかを共に考えてまいります」


ISFの代表取締役であるGary Reamは、この戦略的提携についてこう説明する。

「ISFは10年ものあいだ、より大きな規模でのスケートボーディングのコミュニティを相互に結びつけ、アスリートとファンの双方にとって可能な限りベストな形でスケートボーディングを世間に提示してまいりました」

「競技的なストリート・スケートボーディングを始めるにあたり、Street League Skateboardingよりも良い場所はありません。それはトップスケートボーダーたちからの支持を得ているからというだけでなく、その大会フォーマットは革命的で、ある意味グローバル規模で行うスケートボーディング競技にとって最適なものであるからです」


今年の夏、中国の南京で行われるユースオリンピック大会で、スケートボーディングはエキシビションスポーツとしてデビューする予定だ。戦略的にスケートボーディングをプロモーションしていくために、この大会用に建設されたスケートパークはその後も残されることになる。Reamはこうも言っている。

「80ヶ国以上のパートナーシップを使い、世界のスケートボーディングのファミリーを可能な限り結びつけ、互いに関わり合って行くことが非常に重要であります。男子、女子で地域ごとの予選を我々が主催するイベントで行い、スケートボード設備の発展、およびプローモーション活動を継続的に行います。そしてあらゆる方法を用いて、世界中の子供たちがスケートボーディングのライフスタイルに参加し、その恩恵を受けられるように努力してまいります。Street Leagueとの提携は、こうした目標を達成するための助けとなることを、我々は確信しております」

この提携の詳細については数ヶ月後に明らかになる予定だが、SLSは既にこの戦略的提携の主要項目についての概要を出している。適切なスケートコースの建設のニーズや、最適な即時採点の方法および大会のフォーマット、そしてストリート・スケートボーディング大会を適切に行うための各種チェック項目などだ。それに加え、SLSのSuper Crown World Championshipは世界予選システムを採用し、ISFが認めるストリート・スケートボーディングの公式な世界大会として位置づけられる予定になっている。



International Skateboarding Federation (ISF)について

ISFは2004年に設立され、今では80ヶ国以上の加盟国がある。正式に組織された非営利組織で、スケートボーディングの公式な運営団体でもある。スケートボーディングというスポーツをグローバルに組織し管理するために設立され、またスケートボーディングをアスリートとファンの双方にとって最適な形で提示していくことを目的としている。

Street League Skateboardingについて

SLSはストリート・スケートボーディングの初めてのプロリーグ。SLSは世界で最もエキサイティングな25人のプロスケーターによる大会。分かりやすいISXという即時採点フォーマットを採用し、他に類をみないコンクリートのスケートプラザを使って行われる。賞金額はスケート史上最大。2014年度のアリーナで行われるSLSの大会は全てFOX Sportsチャンネル1とFOX Sports GOで生中継され、世界に向けてはライブ・ウェブキャストをstreetleague.comで配信している。

詳細は www.streetleague.com もしくは @streetleagueをフォロー。


---追記(2014/08/22)---

ユースオリンピックでは、こんな感じで紹介されてます。
http://www.olympic.org/news/speed-strength-tricks-and-kicks-check-out-the-nanjing-2014-sports-lab/234842



他の新参入スポーツと一緒に並べられると…
うーん違和感ハンパねぇぜ!

エキシビションにはショーン・マルトとクリス・コールが参加するようです。
http://business.transworld.net/152383/news/sean-malto-chris-cole-join-isf-youth-olympic-games-exhibition/