JENKEMに載ってるジェルミ・クラインのインタビューです。
載ったのが2013年の9月なんで、2年近く前のやつですが今読んでも面白いっす。
元記事:http://www.jenkemmag.com/home/2013/09/24/jeremy-klein-nearly-20-years-of-hook-ups-skateboards/
JENKEM:http://www.jenkemmag.com/home/
ガキのころ、ジェレミー・クラインは俺の大好きなスケーターの一人だった。ビデオゲーム、女の子、キャンディー、スケートボーディング、火遊び。ジェレミーと俺は同じ趣味をしていると思った。俺はアニメや日本のカルチャーにどハマりしたことはないけれど、ジェレミーのブランド「Hook-ups」は大好きだった。でもHook-upsのきわどいデザインのTシャツは学校では禁止になっていて、裏返しに着させられたもんだ。今回Hook-upsが20周年を迎えるという事で、ジェレミーに現在のスケートボードについての意見や、トニーホークのこと、Birdhouseのビデオ「The End」の制作について話を聞いてみた。
君とトニー・ホークは彼がBirdhouseを始めた頃から親しい間柄だし、当時はライダーでもあったよね?トニーがハイになってる時ってどんな感じだったか教えて?
俺がトニーがハイになってるのを見たことがあるのって1回くらいだよ。彼は今も昔も変わらずめちゃくちゃいい奴だね。どんなことにも落ち込んだりしないし。君が言ってるのって、トニーがツアー中に大麻を吸って、(スティーブ)ベラががっかりしたって話のこと?それに関連して面白いことがあったんだけど、ツアー中にベラの友達が俺たちのバンに乗り込もうとしたとき、俺がそいつをおちょくったんだ。そしたらベラからムカつかれちゃって。その頃Birdhouseは俺の名前とBirdhouseProjectのロゴが刺繍がしてある帽子を作ってて、ベラはツアー中ずっとその帽子を被ってたんだけど、その一件以来毎日少しずつ刺繍が外れていって、最終的には俺の名前なのか何なのか読めなくなってた。まぁなんてことない話だけど。仲のいいときも悪い時もあるけど、ベラはいい奴だよ。
Hook-upsのビデオ「Destroying America」で、車で木をなぎ倒してる映像があるけど、どうやったらあんなことできるの?
The Endを作った後で、けっこう簡単にいろんなものを車で乗り越えられるって気がついたんだ。ただ、いつも突っ込んだ後にはハマって動けなくなって大変だったよ。ヒース(カーチャート)って運転してるとき、全然何も考えないんだよね。俺はヒースよりも少し速度を落としてたんだけど、ヒースはもう全速力で突っ込んでいくんだ。木に突っ込んでいくクラッシュには俺も全回車に乗ってたけど、あんまりヤバ過ぎて本当は乗るつもりなんてなかった時もあった。車が爆発するやつ以外のスタントは全部俺たちでやったよ。
木とか茂みに車が突っ込んじゃった後って、どうやって脱出したの?
一度バンが木に突っ込んで動けなくなったとき、かなり大きな木がへし折れちゃってさ、バンがグラインドしながら上に登っちゃったんだ。2、3フィートくらい(1メートルくらい)持ち上がっちゃってさ。それでレッカー車を呼んだんだけど、うちらのバンがかなり深く食い込んでて、バンを引っ張り出そうとしたら逆にレッカー車のほうが引っ張られちゃって溝に落ちちゃったんだ。だからもう一台大きなレッカー車を呼んで、最初のレッカー車と俺たちのバンを順番に引き上げた。馬鹿すぎだよね。でも昼間の大通りだったけど、特に面倒に巻き込まれたりってのはなかったな。
Hookupsのツアー中にバンの中で、乱行パーティーとかやったことある?
いやーないね。ていうか当時はそもそもスケーターってあんまりモテなかったし。それも今とは違うところだね。スケートボーディングは当時と今じゃ全然違うよ。昔は俺たちがデモをやってそこに500人来たとして、その中で女の子はいたとしても10人。そこからさらに俺たちと何かやってくれるような子は1人って感じだったよ。しかもそいつも別に美人でもないっていう。まあ隣にいるウィリー・サントスを見てるよりはマシか、ってくらいでさ。今じゃデモに大勢女の子がやってきて、しかも可愛いって感じでしょ。まぁデモツアーなんて10年くらい行ってないから今実際どうなのか知らないけど。でも今は昔よりずっとオーガナイズされてるから、きっと女の子がたくさん来るよ。
オーガナイズされてると女の子が来るってのはどういうこと?
オーガナイズされてるってのは、例えば今だとスケーターがプロモデルのシューズを出したら、シューカンパニーが主催してパーティーを開いてくれる。でもプロモデルのボードを出したときに毎回パーティーするか?って言ったらしない。でもやればいいのにって思うよ。っていうのもさ、まぁそれと女の子がどう関係するかってことだけど、例えばターゲット(訳注:アメリカのディスカウント・デパートチェーン)が「ターゲットがスポンサーしてるライダーが駐車場にやってきまーす」みたいなイベントの張り紙広告を出すとするよね。そこにたまたまタンポンを買いに来たような女の子がやってきて、その広告を見る。で、「やだ、ちょっとイケメン」とか思って駐車場にやってきたりするってことさ。ね?今じゃスケーターは顔が大事だし、昔よりもずっと一般に受け入れられてるし、変な感じがするよ。
ストリート・リーグに行ったことってある?
いや、ないよ。行くべきだとは思うけど。行ってみたら面白いと思うんだ。大会の映像を見たことあるけど、スケーターがあのコースの上でスケートしてるのを見て変な感じがしたよ。彼らの顔と名前のでっかい垂れ幕が出ててさ。別にいいんだけど、ただ変な感じだなと思っただけさ。あれをデザインしたやつは、なんでああいうのをいいと思ったのか謎だけどね。
他のスポーツのやり方に沿ってデザインしたんだと思うよ。
それは理解できる。でも俺はスケートボーディングをスポーツと絡めるのは好きじゃない。俺はスポーツが嫌いなんだ。そもそも、だからスケートを始めたんだからね。考えてみると面白いよ。今じゃお前らシリアスになりすぎだって言いたくなるくらいの感じになってるけど、俺たちの時代には真面目にスケートします、みたいなノリなんて全くなかった。俺としてはその二つの中間くらいを目指したいね。
誤解しないでもらいたいのは、俺は今のスケートボーディングを素晴らしいと思ってるんだ。ただ、その中のいくつかは別に必要ないんじゃないかと思うんだ。みんなオークレーとか、ああいうブランドのライダーになってるけど、俺がガキのころはオークレーを掛けてる奴なんてダサい奴だった。今はみんなそういうスポンサーに群がってるけど、俺だったらそんなことしたくないな。金が理由だってのは十分理解できる。でも、もし俺がオークレーがスポンサーに付くくらいビッグでスケート界で成功してたら、オークレーより別の、もうちょいクールなブランドを選ぶと思うんだよね。別に何でも自分の好きなものを選べばいいけどさ、いいものを選ぼうよ、とは思うよ。
でもオークリーほどお金をもらえないかもよ
もらえないだろうね。でも分からないよ?オークリーほどダサくなくて、でも金も持ってるってところであれば。俺が言いたいのは、こんなのいつまで続けるんだ?ってことさ。今じゃスケーターが何をダサいと思うのかすら分からなくなってしまった。だって今じゃ誰も何もダサいなんて思わないんでしょ?別に不平不満を言ってるつもりはないんだけど、あまりにも全てが金を中心に回りすぎててさ。理解はできるんだよ。だから今、この新しい時代のスタイルに適応しようと学んでるところさ。
プロスケーターとして得た収入を、自分は賢く使ったと思う?
思うね。
World Industriesのライダーだったころ、ボードのロイヤリティーでどのくらい稼いでたの?
それほど多くないよ。当時は今みたいに給与保証なんかもなかったしね。今は契約書もあるし給与保証もあると思うけど。当時はさ、今月自分のボードの在庫が2500枚あったとして、それが全部売れたら5000ドル(約50万円)もらえるって感じ。でもその翌月にボードが在庫切れで一枚も売れなかったとしたら1円も入ってこないんだ。そんな感じだった。自分がどのくらい稼いでいたのか自分でも分からないんだよ。
ある月は6000ドル、その翌月は500ドルとか、かなりバラバラだったん。で、そのうち年末になるんだけど、当時税金とかをどうやって処理してたのかも不明だね。うちの母親から稼いだ金の30%を税金として納めないといけないって聞かされた時は、まさか本当にそうだなんて思ってなかった。だから全部使っちまったんだ。たぶんプロになって最初の年は40,000ドル(約400万円)くらい稼いだと思うんだけどね。それで年末になって母親に税金を払ってもらわなきゃいけなかった。てっきり俺は母親が俺に貯金させようとして、脅かして言ってるだけだと思ってたんだ。でも実際にそのくらいの税金を払わなきゃならなかった。
Hook-upsが一番売れてたのっていつ頃?
1997年、1998年、1999年。1996年もよかった。クレイジーな時期だったよ。
どのくらい稼いでたの?
それは教えられないけど、とにかく大金だね。まぁ大金ってなんだって話だけど。
夜中にリムジンで繰り出してたときのことを教えて。
Birdhouseのオフィスで働いてるとき、リムジン呼んで街中流して、花火に火を付けて遊んでたっていうアホな話だよ。クソ酔っぱらってリムジンの車内で花火着火してさ、いつも運転手がブチギレてた。特に何の意味もなくやってたな。ステーキハウスに行くこともあれば、すっごい微妙なストリップクラブに行ったりすることもあった。ストリップクラブは最悪だ。超退屈だし、そこで遊んで楽しかったこともない。
そんなことやってて、どうすればリムジンから追い出されずに済むの?
まず最初に花火を持ってるのをバレないようにしないとね。で、走り出してだいたい30分くらい経ってからぶっ放し始める。そうすれば、いくら運転手が怒ったとしても客をその辺に捨てることはできないからね。まぁでも、何も考えずにやってたな。昔はどこへ行くにも花火を持って行ってた。Birdhouseで恒例のクリスマスパーティーがあったんだけど、そこでも花火をぶっ放してたよ。もう今じゃそんな馬鹿なことなんてできないだろうけどね。
ボーリング場でBirdhouseのパーティーをしたとき、友達のブラッドがレイジー・ボウル(訳注:lazy:怠け者とかグダグダという意味)ってのを始めてさ。メシを食ってる席から、座ったままレーンまでボールを投げるっていうやつなんだけど、それやってたらボールがバウンドして従業員のケツに命中しちゃって。それでBirdhouseを訴えるとかなんとかってなったんだけど、結局それがその後どうなったのかは不明だね。
花火に火をつけたりとかパーティーから追い出されたりとかしてて、トニーは怒らなかった?
トニーは世界一クールだよ。俺は彼が怒っているところを一度も見たことがない。何回か怒ったことあるだろうけど、俺の記憶にはないし、俺たちが自分たちのパーティーから追い出される羽目になっても、俺たちに怒ったことはない。毎回Birdhouseのクリスマスパーティーで追い出されるのが恒例になってた。全てのテーブルにダイブして半分に割る、なんてことをしたりしてた。
日本では自分たちのビデオのプレミアから追い出されたよ。The Endを大阪で上映したときなんだけど、俺とヒースで自分たちのパートになったときにステージに登って客が見れないようにブロックして、それから自分たちに火をつけたんだ。俺たちは会場から追い出されて、プレミアもそれで終了になった。だから来ていた客は誰もトニーのパートもバッキーのパートも見れなかった。
昔BordhouseのオフィスでJ・ストリックランドと一緒に働いてたとき、夜遅くまで起きて馬鹿やってたんだよね?
そうだね。一晩中いたりしたよ。「The End」の制作もそこでやってたし。ビデオの中で小屋が爆発するシーンがあるけど、あの小屋は俺とヒースで一から作ったやつなんだ。Birdhouseのオフィスのすぐ外に作った。俺たちは一晩中そこにいたし、倉庫も開きっぱなしだったから、総額何百ドルっていう商品がいつでも誰でも取り放題みたいな状態だった。昔は本当にユルかったよ。ビルの鍵は俺が持ってたんだけど、そこに何時までいるとか、誰かに報告したこともない。雇い主にすら、俺たちが中で何をやってるかなんて教えなかった。とにかくクレジットカードで買い物して、ちょっとでも金を取り戻そうってしてたな。
今のスケートシーンのことって追いかけてる?最近でいいなと思ったことってある?
つい最近、新しいエメリカのビデオを見たよ。出演してるライダー全員好きだ。ていうか、今はスケーターの数が多すぎて全部を追いかけるのは難しいよ。でもあのエメリカのビデオは特別だったね。コリン・プロヴォストのこと知らなくて、初めて彼を見たんだけど、かっこいいパートだった。
思い出したけど、ブランドン・ウエストゲートって、昔ほんの短い期間だけどBirdhouseのライダーだったときがあったんだ。あいつはそのとき15歳か16歳くらいでさ、日本にツアーで行ったときにVIPラウンジっていう俺のお気に入りのストリップクラブに連れて行ったことがあるよ。そこでカミカゼ(カクテル名)を飲ませてたんだけど、次の日俺たちがスケートしてる時に、ブランドンがゲロ吐いてる超ウケる写真が撮れた。
最後にスティーヴ・ロコ(World Industries創始者)と話したのはいつ?
いつだか覚えてない。たぶん12年前とかじゃないかな。彼は今、株の売買をやってると思うよ。スケートのことをやってくれてたらって思うけど・・・でもそれはもうありえないな。
彼は今単純にサーフィンしたりして優雅に過ごしてると思ってたけど?
たぶんね。でもほぼ間違いなく株に手を出してると思うよ。
World Industriesを売った金があれば一生働かなくていいと思うんだけど?
そうだね、働く必要はないと思うよ。でも大金を持ってると、それをもっと増やしたくなるもんなのさ。ロコって、たとえ金なんて必要じゃないときでも、とにかく稼ぎたいっていうタイプなんじゃないかと思う。みんなを馬鹿にして自分の優秀さをアピールしたい性格っていうか。スケート業界に入って大成功してナンバーワンになって、その後スーツ着たクソみたいなビジネスの世界に入ってもまた大成功っていう。単純にそういうやつなんだよ。
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Interview: Ian Michna
Original Illustration: Lauren Kolesinskas
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