JENKEMに掲載されたポンタスのインタビューです。
インタビューっていうか、もはや人生の教えを説かれているような感じです。
元記事: http://www.jenkemmag.com/home/2014/02/17/pontus-alv-interview/
JENKEM: http://www.jenkemmag.com/home/
In Search Of The Miraculousの冒頭で、ポンタスが彼のじいさんの屍体と一緒に座っている姿が映し出される。
俺の知る限り、スケートボーディングの歴史上こんなことをやった奴は今までいない。有名なビッグスポットであるEl Toroでキックフリップをトライするとか、ウォールライドをかますとか、他のこともできただろうに、彼は死についてじっくりと考える、というほうを選んだ。これは奇妙な選択だし、勇気のある選択でもある。結局彼のこういうところがスケートの歴史に刻まれることになるんだろう。ポンタス・アルヴは単なるスケートボーダーじゃない。彼は奇妙で、頑強で、そしてロマンティックな人間で、彼のビジョンは今のムーヴメントを形作る後押しをした。成長を続けるPolar Skateboardのボスとして、ポンタスはスケートボーディングのアンダーグラウンドを引っ張り、その有能な精神とヨーロッパでも屈指のクイックなスケートスタイルで、フォロワーたちを牽引し続けている。
アメリカ人のほとんどは、何人かの「スーパースター」以外、ヨーロッパのスケーターのことを注目も意識もしていないけど、それはどうしてだと思う?
それはものすごくアメリカ式の物の見方なんだと思うよ。スケートボードの歴史を見てみても、全てはカリフォルニアから始まったし、アメリカのメディア、カンパニー、そしてマガジンによって、あらゆることが決められてきた。もしスケートの世界で何者かになりたかったら、アメリカに行かないといけなかった。俺がガキのころはそういう感じだったよ。他に選択肢なんてなくて、世界中の人たちはアメリカを見ていた。もし君がアメリカにいなければ、それは存在していないことと同じだったんだ。
そういう物の考え方って今でも残っているとは思うけど、でも変わってきているよ。すごい速さで変わってきてる。今みたいにみんなが(アメリカ以外の)海外、ヨーロッパに注意を向けるになったのは、長いスケートの歴史のなかで初めてのことだよ。みんな新しいことや、他とは異なるものに注目している。(ヨーロッパのスケートは)カルフォルニア式のスケートや、カリフォルニア式の撮影方法とはかなり違うんだ。それに世界中のシーンが台頭してきている。日本のシーンは素晴らしい作品を生み出しているし、オーストラリアのPassportクルーもヤバいし、東海岸もかっこいいことをやっている。(こういうスケートシーンは)アメリカから離れて行ってるような感じがするよ。俺たちのヨーロッパ、日本、オーストラリアのシーンは全て繋がっていて、カルフォルニア式のスケートと激しく競い合ってる。それははっきりと見て取れるよ。かといって、別に警告とかそういうことを言いたいわけじゃない。今多くのカンパニーが、どうして自分たちはうまくいっていないのかってことを考えているけど、基本的には他に新しいものが生まれてるからなんだよ。今じゃヤバいヨーロッパ出身のスケーターが一人いるってもんじゃない。チーム全体、ブランド全体の規模なんだ。そしてインターネットのお蔭で、世界はものすごく狭くなってる。
photo: josh stewart
君はお父さんのアートワークを使ったり、普通とは違ったボードグラフィックを手掛けてるよね。どうしてああいったボードを出す必要があると感じたの?どうしてキッズたちはああいったものに興味があるだろうと思ったの?
自分のカンパニーを始める理由ってのは、基本的に自分がやりたいと思うことをなんでもできるからなんだ。それがメインの理由だよ。もちろん、カンパニーが大きくなれば、そこには定番モノも生まれるし、どんなものが売れるのか、売れないのかも分かってくる。でもだからといって、数字をカンパニーのベースにしちゃダメだよ。俺のじいさんも親父も、二人とも強烈なキャラだった。彼らはインスピレーションの源なんだ。たくさん影響を受けたよ。今は二人とも亡くなっているけど、素晴らしいアートワーク、写真、ペインティングなんかを残してくれた。俺はパーソナルなものを作るのが好きなんだ。だからウチのライダーたちにも、なにか自分の家族とか歴史にまつわるものはないかっていつも聞くんだ。家族の記録とか、写真、映像、アートワークとかね。板のグラフィックがパーソナルなものなのってイイよ。俺はそのライダーにとって意味のあるグラフィックが好きだ。
こういうことをやり続けることはとても大事だよ。利益や売り上げのためだけにモノを作るなんてことはやっちゃだめだ。もちろんたくさんの人たちが、ロゴボードやシンプルでクリーンなやつを欲しがってるのも分かってるよ。そういうのが売れるのも分かってる。でも、そういうのは俺たちのやりたいことじゃないんだ。俺にとっては、アートワークやグラフィックを前面に出すことは大事なことなんだ。時には他の人にとってちょっと謎だったり、違っていたり、パーソナルなものだったり、単純に変な感じのグラフィックの板を出すこともあるかもしれないけど、そういうものがこのカンパニーを形作っているんだ。それが全てのポイントだよ。俺たちは金が欲しくてやってるんじゃない。俺たちは自分たちの(スケートへの)パッション、愛のためにやっているんだ。もちろん会社が大きくなれば、ビジネス的なこともやらないといけないけどね。自分たちのMoney Cow(Cash Cow。ドル箱、黒字部門のこと)を持っていないといけない。楽しいことを続けるためにね。
オールドスクールな指なし手袋を作りたいんだ。指なし手袋をはめてスケートするのが個人的に大好きなんだよね。手のひらを守れるからさ。他の人からは、ちょっとゲイっぽいとかホモっぽいとか色々言われるかもしれないけど気にしないよ。俺は作りたいんだ。作った手袋が5つしか売れなくて、1000ユーロ大損することになるとしても俺は作る。知ったこっちゃないよ。でもたいていの場合うまくいくよ。実際に市場に出してみるまで、何が売れるか分からなかったりするからね。
ollie shifty nyc / photo: nils svensson
君のお父さんって、君が若いころに亡くなったの?
そうだね、俺は10歳だった。
それは君にとってかなり大きく影響したんじゃない?たとえばやる気やモチベーションの元になったり?どう思う?
そうだね。親父が病気になって、俺はまだ子供のころに自分の父親の看病をしなくちゃならなかった。彼が亡くなるまでね。亡くなるときまで、俺はずっと親父の傍にいた。子供ながらに自分の父親の看病をし、亡くなるのを見て、人生は永遠じゃないってのを悟ったんだ。俺たちは誰だっていつかは死ぬってことを分かっているけど、皆それをあえて考えようとはしない。In Search Of The Miraculousも同じことだよ。ビデオの冒頭で、俺はじいさんの隣で座っている。もちろん彼は死んでるよ。俺は彼と共にそこに座って、ただ死を見つめ、死を感じているんだ。死は危険なものじゃない。それは人生のごく自然な一部なんだ。俺たちはみんな死ぬ。だから死に慣れ親しんでおくんだ。そのために俺はそこに座り、じいさんの死体を見ながら彼にさよならを告げ、死と友人になっているんだ。そうすることで人生は少しだけ怖いものじゃなくなる。
それにモチベーションも上がるしね。朝起きて目を覚ますためには、俺たちには死ってものが必要なんだ。死というものがなかったら、人生は意味の分からないものになる。永遠の命を持っていたらって想像してみてよ。くだらないだろ。死があるから人生は生きる価値があるんだ。君が今若くて美しければ、それを最大限に生かすんだ。今から10年後には、俺は44歳になる。そのころにはちょっと太ってしまっているだろうし、あんまり魅力的でもないだろう。だから俺は今やらないといけない。今この人生を生きないといけないんだ。死の床につきながら、「ちくしょう、やり残したことがある」なんて思いたくない。俺は人生を生きて、自分の可能性を出し切ったってこと、たくさんの最高の友達を持てたってこと、いくつかの素晴らしい作品を残せたってこと、たくさんの素晴らしい経験をしたってこと、世界を見れたってこと、そういうことを分かって死にたい。
同感だね。死は自分のやっていることに背景を与えるのに役立つよね。
人生はそこにある。いつだって君の目の前にあるんだ。それを欲しければ、掴みに行かないといけないってことを、君は理解する必要がある。じっと座ったまま、夢が実現するのを待っているなんてダメだよ。全力でそれに向けて動き出さないと。そうすれば、夢は叶うかもしれない。もちろん頑張ったからって夢が実現できるっていう保証はないよ。でも挑戦しなけりゃ始まらない。もしかしたら夢は叶わないかもしれない。君はハリウッドの映画スターや、ロックスターにはなれないかもしれない。でもだから何だっていうんだ。君は挑戦する過程で何かを学ぶだろうし、そうすることで君は自分の人生を生きたことになるんだ。
君はいつもスケーターがオーナーの会社をサポートするべきだって言ってるけど、何年か前にEmericaを辞めて、スケートの外で誕生した会社(訳注:コンバース)からサポートされるようになったよね。これってちょっと偽善的だとは思わない?
スケート業界/文化のコアな部分やリーダーってのは、俺の意見では常にスケートボードのカンパニーが何をし、何を作るのかってことがベースになってる。全てはそこから始まって、それ以外のことは後からついてくるんだ。シューズのスポンサーや洋服のブランドの契約とかは、コアのムーヴメントを支えるものさ。コアなものってのは普通はあまり売れないから、100%インディペンデントのままで、スケーターがフルタイムでスケートできるようにサポートすることは難しい。でもドープなボードブランドのライダーになれば、ドープなシューズや洋服のスポンサーも付いてきて、それで生活できるようになる。これは業界内の秘密でもなんでもないよ。もし君がダサいボードカンパニーのライダーなら、普通、業界の人間は誰一人として君に近づこうとはしない。俺は実際にそういうことを経験してきたんだ。俺がMad Circleのライダーだったときは、イケてると思われていたから誰もが友達だった。俺がArcade Skateboardsのライダーだったときは、誰も俺のことなんか気にもしなかった。厳しい現実だけど、それはそういうもんなんだよ。イケてるブランドのチームに在籍して、ジャジーに君のスケートをプレゼンしてもらえなければ、君のスケートなんて何の意味もないんだ。
俺はCarhartt WIP(スケーターがオーナーのブランドじゃないけど、それは誰も気にしてないみたいだ)からサポートを受けている。彼らは12年もの間、俺のアイデアやビジョンを実現するサポートをしてくれた。Emericaにも10年サポートしてもらったけど、俺たちの関係は最終的にうまくいかなくなった。長年にわたってEmericaから受けてきたサポートには、本当に感謝しているよ。コンバースに関しては、俺はもともと彼らのシューズのファンだったんだ。ジャックパーセル、ワンスター・クラシックとか、クールだよ!一緒に仕事をする人たちは俺のビジョンやアイデアを理解してくれて、それが実現できるようにサポートしてくれる。でも俺はブランドにコントロールされたりしないし、何をしろとか言わせたりしない。俺の側からの取引はとてもクリアだし、俺のビジョンにはサポートが必要なんだ。でも俺のミッションは同じだよ。スケートボーディングのためにクールなことをするんだ。
カーハートやコンバースからの基本給がなかったら、俺は家賃や食費なんかをまかなうことができないし、Polar Skate Co.は今のような形にはなってなかっただろう。彼らがいなければ俺は他に仕事をしないといけなかっただろうね。俺は、スケートボードカンパニー(ボードブランド)はスケーターによって運営されることが大事だと思う。それだけだよ。
artwork by pontus alv
君がEmericaのライダーだったとき、あるインタビューで、Emericaは君をUSのチームに入れてくれないし、宣伝もしてくれないって言ってたね。どうしてだと思う?
それが理由で俺はEmericaを辞めたんだ。俺は自分がUSAの本当のチームのライダーだって気がしなかったから辞めたんだ。俺はヨーロッパチームの一人ってだけで、彼らは別に俺たちに何かしてくれるってわけでもなかった。スケーターとして君自身を表現するためのプラットフォームを持てるかどうか、そしてスポンサーは君の考えたアイデアを基に、君をスケーターとしてバックアップしてくれるかどうか。そこが問題なんだ。俺たちはいつも単なるヨーロッパチームにすぎないって感じだった。ヨーロッパの代理店、もしくは何かのヨーロッパ用のプログラムに組み込まれているに過ぎないだけ。いつだって3軍チームにいるような気分さ。DVDのボーナスの、ヨーロッパセクションにフッテージが収録されるくらいのもんでさ。俺たちはそういうのに嫌気がさして、自分たちで自分たちのことをやろうぜってことになったんだ。そして実行した。そして今、俺たちは彼らと競い合ってる。興味深いよね。
全てのカンパニーとまでは言わないけど、カリフォルニアの多くのカンパニーは今ビビっていると思う。なぜなら、スケートボーディングがもはやLAとかオレンジカウンティ―とかをベースとしたものではなくなってしまったからさ。今じゃスケートボーディングはグローバルなカルチャーで、世界中で動きが生まれている。もし世界中でプロダクトを売りたければ、世界中でアクティブに動いて、そしてサポートしないといけないんだ。マーケティングをして、チームを使ってグローバルなアプローチをする必要がある。俺たちはヨーロッパのいろんなところにライダーがいるし、日本にもサポートしているスケーターがいる。アクティブに何かをしていかないといけない。LAにいたまま、グローバルなマーケティングができるなんて考えちゃ駄目だよ。もうそういう時代じゃない。悪いけど、目を覚ませって感じだね。
アメリカのスケーターって他の国のスケーターとは違う態度をしていると思う?
いや、昔俺がサンフランシスコに住んでた時も今も、みんないいバイブスだよ。俺はアメリカのシーンからいつも歓迎されていると感じる。でも、もちろん嫌な奴ってのは世界中のどこにでもいるよ。嫌な奴は嫌な奴さ。俺はそうならないように気を付けてる。俺のことを嫌な奴だっていう人もいるかもしれないけど、俺はちょっとシャイなんだ。新しい人たちに囲まれすぎると、なんだか緊張してしまう。もし自分が他の人たちに対して親切であれば、他の人たちも自分に親切にしてくれると思うんだ。もちろん常にその通りとはいかないけどね。でも嫌な奴らだって、そのうち気付くよ。スーパースター気取りの嫌な奴でいたって、何の得にもなりはしないってね。そんな態度じゃ人生はいい方向に導かれていかないよ。注目されるようになって、自分のことをイケてると思って態度が悪くなるスケーターっているけど、お笑いだよ。自分がスケートボードでやっていることのお蔭で、何をやってもいいっていう許可証をもらったと考えるなんて馬鹿さ。君のスケートは素晴らしいよ、でも人としてはどうなんだ?ってね。スケートボードが上手いからって、それで嫌な奴になっていいってことにはならないよ。
more artwork from pontus alv
宗教とか、スピリチュアルな力とか、そういうのって信じてる?
正式な宗教とかは持ってない。俺はクリスチャンじゃないし、特定の神も持たない。でもカルマに関してはある程度信じてる。俺は誠実に生きて、正しいことを行うように心がけてる。もしそうせずに、嘘をついたり誰かをひどい目に合わせてしまったりしたら、そういうことは自分に返ってくると思ってる。だから俺は昆虫を殺すときとかも時々嫌な気持ちになる。でも肉は食うんだよ。意味わかんないよね。
映像を作っているときに、スピリチュアルなパワーと繋がったような感覚になったことはあるよ。6ヶ月7ヶ月も、1日10時間も座り続けて、2秒間のシークエンスのためにフレームを一つずつ動かしていくような作業をしてるとさ、何日も、何週間も、何か月も瞑想しているのと同じような感じになってくるんだ。編集作業にどっぷり浸かっているときに、自分の内側になにかエネルギーのようなものを感じ始めるような、瞑想みたいに何かと繋がったような経験をしたことがある。説明できないけど、それは恐いものじゃない。自分をオープンにして、そのエナジーを自分の中に入りこませるんだ。俺はそういった力を自分の体の中に入れることや、何をするべきかについてそれらのエナジーの声を聞くことを恐れたりしない。
Do you find that alcohol, weed or any substances help you skate better or be more creative?
アルコールとかウィード(訳注:大麻です)とか、そういったものは上手にスケートしたり、よりクリエイティブになるための手助けになると思う?
酒を飲むのは大好きだよ。大麻を吸うのも好きだ。俺がまた大麻を吸いだしたのは、Aaron Herringtonのおかげだよ。彼はアメリカ人だからさ、大麻を吸うの好きなんだよね。俺は会社のことですごくストレスが溜まってたから、夜とか仕事終わりとかにリラックスするために、また吸い始めたんだ。ジョイント吸ってちょっとぼーっとするのさ。むちゃくちゃ草好きってわけじゃないよ。若干馬鹿っぽいけど、今はそういう感じだね。クリエイティブでいることとスケートに関しては、シラフか、たまにはちょっと酔っぱらっているぐらいでもいいね。でも撮影するときは駄目だ。俺はシャープに、細かいところまで正確でいたいんだ。
今後5年とかそこらの間に、スケートの業界はどういう風になっていると思う?
もっとグローバルなものになると思う。スケートボーディングはバブルみたいになるだろうね(訳注:いわゆる日本で言う「バブル」とは違う意味です)。いろんな違うシーン、ローカルで繋がったブランドやスケーターたちが、泡の様にたくさん出てくると思うんだ。それらのいくつかはお互いに交流しあって、色んなことをしていくと思う。今みたいにLAのバブルひとつで世界中をコントロールしているような状況にはならないだろうね。俺の予想は間違ってるかもしれないけどね。もちろん商業的なものも、もっと入ってくるだろうけど、俺からすると、それは大きな贈り物さ。Monster、Street League、そういうもの全てに感謝さ。ああいうのはアンダーグラウンドをより強くするだけだよ。たくさんの人たちが、ああいうものとは違う方向に方向転換している。それは俺たちにとってはプレゼントだよ。
そうだね、そういう両極端なものがないとスケートは面白くないよね。
その通り。素晴らしいことだよ。奴らがオリンピック的な考え方や、ESPNみたいなスポーツチャンネル、Street Leagueみたいなコンテストをスケートボーディングに持ち込もうとすればするほど、たくさんの人たちがふざけんなってなって、コインの別の面を見ようとする。俺たち(Polar)や、Palace、Magenta、Welcome Skateboards、Hopps、Theories of Atlantisが扱っているすべてのブランド、こういったブランドが生まれ、オリジナルなことをやっている。最高だよ。でも心配も常にあるけどね。もし俺たちがビッグになってしまったら、どうなるだろう?はたして今と同じでいられるだろうか?っていう心配がね。俺はそのことをしっかりと認識しているよ。スケートボーディングの歴史を見てみればさ、GirlはRocco(World Industries)がいやになって生まれたんだし、そのRoccoはPowellやH-Streetとかから抜け出した人だ。(会社が)大きくなってしまって、自分が何になりたかったのかを見失うかもしれないってのは、マジでこわいよ。
pontus films hjalte halberg / photo: josh stewart
そうだね。そんなに長い間ブランドを維持するってのはかなり大変だろうと思う。Girlは去年20周年だったけど、ハンパないよね。
そうだね。でも物事ってのは古くなる。どんなに君のやっていることが素晴らしくても、みんな「ああ、これ知ってるよ」って感じになってしまう。一つの領域であまりにも確立してしまうと、そこから変化することが難しくなる。きっと彼ら(Girlのライダー)の多くはVX-1000(訳注:HD登場以前にスケートでよく使われていたビデオカメラ。未だに愛好者多し。)を持って、LAで何か適当に撮影して回りたがっていると思うんだけど、そういうことはGirl全体の方針や歴史とは完全に反することになってしまう。もしMike CarrollとKostonがVXで撮影した映像を出したとしたら、みんな変に感じると思うんだ。そういうのはPretty Sweetや彼らが辿ってきた道とは正反対だからね。自分自身のアイデアの枠に囚われてしまうんだ。だから一つのコーナー、ひとつの領域に自分自身を閉じ込めてしまわないようにするのは、本当に大事なことなんだ。バリエーションを持って、新しいことや違ったことを同時にやらないといけない。そうすれば一つのイメージに固定されずに済む。それがうまく長く続けるコツだと思う。
いままで自己中心的だって言われたことってある?
うーん、そうだね、わからない。「エゴが強い奴だ」って言われても気にしないけどね。ただ俺は自分が何をしたいのか、どのようにするべきか、どのように見えるか、そういうことについてものすごく明確なビジョンがあるんだ。俺は他人を喜ばすために自分のビジョンを曲げたりしない。そういうことを、ビジョンを持っていると言うのか、エゴを持っているというのかは分からない。でも理解してくれる人たちがいて、「ポンタスのやりたいようにやらせよう、それをみんなが気に入ってくれたらいいじゃないか」って感じでいてくれる。俺は他人を喜ばせるためじゃなく、自分のやりたいようにやる。それか何もやらない。そういう風じゃないと俺は何もできないんだ。
オーケーありがとう。インタビューはこれで終わりだよ。
スケートボードの話はしなくていいの?
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