2022年3月3日木曜日

ウクライナで何が起こっているのか?その2 by PLACE SKATEBOARD CULTURE

昨日の投稿のつづき、「ウクライナで何が起こっているのか?」のパート2です。元の記事が公開されたのは2022年2月22日です。

今回はロシア人スケーター、キリル・コロブコフのインタビューです。こうしたリアルな声はとても貴重だと思います。最後のほうなんてこの人泣きながらメール書いてたんじゃないかと訳しながら思いました。

今回も夫婦で訳しました。それではどうぞ。

The original article:https://place.tv/what-ukraine-2/


ロング・リードシリーズにようこそ。「ウクライナで何が起こっているのか?」昨日はウクライナのサーシャ・グロシェボイに、ハリコフの現地の状況を教えてもらった。その後もロシア大統領ウラジミール・プーチンが感情的な会見を行い、ルガンスクとドネツクが独立国家として承認され、ロシア軍が進軍するなど、様々なことが起こった。 

前回の投稿を受けて多くの反応、支援の声が届いている。また、ウクライナの分離主義者側の人々ともコンタクトが取れそうだ。 今はまだ何も決まってはいないが、この記事のパート3もあるかもしれない。 現場の状況は急速に変化している中、果たしてロシアの人々は何を考えているのだろう?

ロシアの人々はこの紛争のさらなる拡大が彼らにとって何を意味するのかを知っているのだろうか? 僕たち西側の世界は、ヨーロッパ全面戦争の可能性を受け入れる準備ができているのだろうか?これらの疑問に僕たちだけで答えるのはまだ難しい。そこでモスクワ在住のロシア人、キリル・コロブコフに意見を聞いた。キリルはただのロシア人というより世界市民といったタイプで、昔はヴァン・ワステルやケニー・リードと共に世界中を旅していた人だ。今回のインタビューもパキスタンから受けてくれた。 彼は世界中に友達がいて、世界の見方も偏っていない。 今のような時代、現地で実際に暮らす人々の声を聞き、何が起こっているのかを知ることは重要だ。 今は立場を問わず誰にとっても試練の時であり、この紛争が生み出すであろう犠牲者の方々のことを思うと心が痛む。

インタビュー、序文:  Roland Hoogwater.

写真: Barabakaa & Benjamin Markstein.


※インタビューに際し、キリルから以下の注意書きを入れて欲しいと頼まれた。

「これはあくまでも僕個人の意見であり、間違っているところもあるかもしれないけど、僕からは現状そう見えている」


やぁキリル、調子はどう?サーシャにもインタビューをしたんだけど、ウクライナについての報道はロシアではどんな風なのか聞きたかったんだ。戦争の話題で持ちきりになってる?

ロシアの公式メディアは、 戦争が起きるとしたら「アメリカとNATO諸国による敵対的な行動により、隣国同士であるロシアとウクライナの関係が悪化させられている」ことが原因だという。俺的にはすべてがジョージ・オーウェルのディストピア小説、「1984」を連想させる。ロシアのプロパガンダは例えば「黒は白」「戦争は平和」のように、真実とは異なる伝え方をして人々を撹乱することに長けている。だけどロシアではもう長い間そんなことの繰り返しで、国営メディアはもうそれ以上の新しい手法を持っていない。

今の危機を取りつくろうためにメディアでは、アメリカやNATOは悪とされていて、ロシアはあらゆる手段でそれに立ち向かっているとされている。そしてウクライナの政府はアメリカの操り人形になってるって。俺はまったく違う風に見ているよ。

クリミアを乗っ取ったのはウクライナじゃない。ウクライナの南東部で紛争を始めたのはウクライナじゃない。ロシアとの国境に10万人の軍隊を展開したのはウクライナじゃないし、国際条約 (ブダペスト覚書)に違反したのもウクライナじゃない。

俺が知る限り、それは全てロシアがしたことだ。そしてウクライナにとっての脅威とはロシアであって、その逆ではない。自国軍以外でロシアの侵略から国を守ることができるのはNATOだけだということを考えれば、ウクライナがNATOに参加することは非常に論理的だと思う。でもロシアとの紛争のリスクを考えると、NATOがすぐにウクライナを加盟させることも無いと思う。

ほんの数ヶ月前までロシアとウクライナの直接戦争なんてあり得ないって思っていた。今も戦争が起こらないことを願っているけど、それが起きる可能性も排除しない。プーチンはウクライナがとてつもない圧力にさらされている現状を楽しんでいると思う。

2014年にクリミア半島を併合して以来初めて、プーチンはジョー・バイデン大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのオーラフ・ショルツ首相など西側諸国のトップからの直接の連絡や訪問を数多く受けている。この状況を作り出したおかげで、ロシアは国際社会の檜舞台に立てたよ。



モスクワでのキリル。
写真: Benjamin Markstein.


興味深いね。ストリートでも友達同士でこのことについて話したりするの?

俺の周りの大多数がこの戦争に反対なことが救いだよ。2014年のクリミア半島併合には賛成だった人たちでさえ、この戦争には反対なことが多いのが面白かった。

こんな戦争が起きれば、ロシアに対して新たな経済制裁が発動されて、今までとはレベルが違う厳しいものになることは目に見えてる。それによってロシア経済は近代史上最大の危機に見舞われるだろうし、生活水準は深刻なまでに低下するだろう。

ルーブルと、ほとんどのロシアの株式の価値はどん底まで落ちるだろうし、経済的損害を別にしても、戦争を始めること自体とんでもない責任を負うことになる。 それにウクライナ軍は過去8年間の経験を経て2014年当時よりも強力になっていると思うよ。

2014年の紛争開始以降、ウクライナの人々はドネツクとルガンスク人民共和国で”あちら側の”政府がどういうものなのかを見てきた。 彼らは全力を尽くしてウクライナを守ろうとすると思う。

教育を受けた賢い人たちは当然心配しているものの、このレベルの決定はクレムリンで行われいるということを皆理解している。つまり、ロシアが何をすべきか、政府が国民に意見を求めることはない。去年の反政府デモ以降、法律が厳しくなって大規模なデモをロシアで行うことはほぼ不可能なんだ。


2014年の以前の出来事についてはどう思ってる?クリミアの併合とか。

個人的にはクリミアのことも反対だよ。火事に遭った隣の家から自転車盗んでるような気分だ。 住民投票があったとしても、現地のクリミアの人々にロシアに戻りたいという傾向があったとしても、起きたことの後味は悪い。

俺個人としては、クリミアがウクライナの一部だった時の方がクリミアに楽に行けた。チケットを取ればすぐ行けたから。今はクリミアにいたことがウクライナ当局にバレたらウクライナに入国できなくなるから、気をつけないといけない。 それに制裁措置のおかげで、クリミア半島では国際的なサービスが機能しない。 例えばVisaやMastercardは使うのが難しい。リゾート業界は競争がなくなって、サービスの質は下がったのに価格は高くなった。 2014年の併合後、ロシアはクリミア半島の都市開発とインフラの整備にたくさん投資をしているけど、クリミアの人々は今でも色々な面倒を強いられてる。


現地では今の様子ってどう感じる?サーシャは、迫りくる危機のことは気にせず、戦争は起きると踏んでいる西側メディアの報道も無視して自分の生活を続けようとしていると教えてくれたよ。

俺たちはみんな危険地帯にいると思ってる。この重圧の中でどちらかが一歩でも踏み間違えるととんでもないことになる。現地でのロシアの軍事演習のことも心配だけど、世界中の誇張されたヒステリックな報道も意味がわからない。ブルームバーグは一時「ロシアがウクライナを侵略」なんて間違った見出しをウェブサイトに出していた。こういう間違いが致命的なんだよ。 戦争を始めるのは簡単だけど終わらせるのはとても難しい。この状況ではすべての立場の人が責任あるアプローチを心がけないといけない。

これから何が起こるかわからない。政治家はみんな狂ってると思う。ロシアもウクライナもアメリカも!ロシア国境沿いにはNATO軍がいるし。正直みんなクソ喰らえって感じ。ウクライナにもロシアにも普通の人たちが暮らしてるんだよ。戦争の中でなんか生きたくない人たちがさ。誰を何を信じろって?ニュースは全部嘘っぱちだよ。(笑)現地で何が起きてるかなんて誰も知らないんだ。


たくさんのロシア人が声をあげているよね。これはロシアの戦争じゃなくてプーチンの戦争だ、とか。でも一方で、ウクライナは昔からずっとロシアの国土だったとか言ってる人もいる。それはどう思う?

ロシアを旧ソビエト地域や東スラブ世界全体の中心として見たい人たちがいるのはわかってる。

俺はロシアには生活水準の高さや、都市や田舎での生活環境の良さで、隣国から慕われる国になって欲しい。  公平な警察、合理的な法律、科学的な成果、現代医学での世界貢献、そういったもので知られるロシアになって欲しい。世界中の人々が国籍や宗教を超えて自発的に協力し合っている姿を見たいけど、その理由がロシアが隣国に武器を向けて世界中の人を脅かしているからなんて嫌だ。暴力や武器を使って他人から良く見られることなんて無いよ。


キリル本当にありがとう、最後に言いたいことは?

ボムるのは国じゃない、ダウンヒルだけにしろ!



2022年3月2日水曜日

ウクライナで何が起こっているのか その1 by PLACE SKATEBOARD CULTURE

何年も放置していたこのブログですが、とても大事だと思う記事があったので、日本語訳を載せることにしました。

今回の翻訳は自分の嫁さんの可奈子ちゃんがやってくれました。ちょっとした直しだけ自分が手伝ってます。

ベルリンのスケートウェブサイト、https://place.tv/に掲載された現地在住スケーターへのインタビュー記事です。リアルです。ロシアがウクライナに侵攻する直前(2022/02/18)のインタビューです。明日にはロシアのスケーターの記事をあげようと思います。


The original article:https://place.tv/sasha-ukraine/


Placeのロングリード・シリーズへようこそ。これほどあからさまに地政学的な記事は、2016年にドラルド・トランプが大統領に選ばれたことについてアレックス・ オルソン、デニス・ブセニッツ、パトリック・オデールなどにインタビューした時以来で、本当に久しぶりだ。ただし、今回の記事には当時のようなビッグネームは登場しないということを先に言っておく。

だが今回の事は以前の記事以上に、俺たちの未来に直接関わってくることだ。最近はウクライナ情勢をニュースで見ない日は無い。社会のあらゆる階層(少なくともヨーローッパでは)で、人々はロシアが軍隊や兵器を強化していること、国境で血が流れていることを話題にしている。西側メディアによる報道はアメリカ大統領と対立する(高い)可能性や、大統領の言葉の選び方の意味などに焦点を当てている。

最近の情勢を注視している人からすれば、ウクライナ側からの声はないがしろにされているのが現状で、報道は現場の状況を正確に描写していないように見える。

実際真実がどこにあるのかはわからないが、僕たちはウクライナ、正確に言えばハリコフとういう街に住んでいるスケーターを知っている。 僕たちのチャンネルにも何回も出演している、サーシャ・グロシェボイに連絡を取り、現在の状況と周りの人々の考えについて聞いた。参考までに、ハリコフとはロシアとの国境に最も近い大都市で、緊張が高まっているのは本当だ。とにかく、このインタビューをスタートして、この疑問に答えてみよう:「ウクライナで一体何が起こっているのか?」


序文&インタビュー :Roland Hoogwater.

サムネイル: Kevin Vietzke.

写真: Daniel Vaysberg.

サーシャ、元気にしてる?ハリコフやウクライナの今の様子はどんな感じ?

今は何の問題もない 。みんな外に出てカフェに行ったりコーヒー飲んだりしているよ。いつもと同じに感じる。ウクライナに関するニュースは大袈裟すぎだと思う。でも状況を考えてウクライナを出た友達もいるし、俺も出たほうがいいかなと思い始めてる。でも今のところは大丈夫。この戦争状態って実際8年くらい続いてるんだよ。今まで地元やキエフではそれを感じたことはなかったけど。

状況はここ数週間で変化した?俺のいるベルリンでは戦争がいよいよ始まるんじゃないかって雰囲気になってる。でもウクライナ側からすると、みんな落ち着けよって感じらしいね。

みんなの話題にはなるけど誰もパニックにはなってないよ。だってこちらはこの状況の中で何年も生活してきたんだ。大体の人は「今回はどうなるかね」って感じ。本当に戦争になったらみんなウクライナを離れると思うけど。

君も戦争が起きたらウクライナを離れる?

うん、もちろん。トライするよ。

戦争にはなると思う?それかこれは力比べのゲームだと思う?

わからないな。政治的なゲームなだけのようにも感じるし。プーチンは大統領の座に長く居座りすぎだし、俺は尊敬していない。ウクライナの大統領は変わるけどプーチンはロシアでずっと同じ地位にいる。彼を信じていないし、年寄りすぎて頭がおかしくなったんじゃないかと思う。

ロシアには知り合いがいっぱいいるでしょ?今の状況について話したりする?

するよ。モスクワにいる友達と話した。あいつ、戦争が起きそうになってることを知らなくてウケたよ。あっちではあんまりみんなテレビやニュースを見ないんだ。だから俺が教えたんだよ。今も友達同士(笑)。ほら、それがスケートボーディングだからさ。

それやばいね。街でスケートしてて何か気づいたことはある?警察とか大勢出動していたりするの?

ないない。でもニュースではパスポートを常に持ち歩いた方がいいって言ってる。警察は市民に今は責任と敬意を持って行動するようにと言ってる。それくらいかな。

じゃあ何も普段の生活で変化は無いんだ?もちろんストレスはあるだろうし、みんなの話題にはなっているだろうけど。

ないない。どう説明していいかわからないけど、緊張感はあるけど全部いつも通り。でもバイデンが今月16日にロシアがウクライナに侵略して、戦争が始まるって言ってた時は怖かった。仕事でキエフ行きの飛行機に乗る直前だった彼女と合流した。もし戦争があるならウクライナを一緒に出たかったんだ。空港が閉鎖されるかもって噂があって、でも結局それはフェイクニュースで、彼女も無事飛行機で仕事に行けて大丈夫だった。ただその時に考えたんだ。もし本当に戦争が起きてすべて封鎖された時にどうやって国を出ればいいのかって。自分の国が好きだからこのまま無事に何も起こらないで欲しいと願っているけど、今のところ念のためにウクライナを出ようと思ってる。

想像できるよ。実際には戦争は起こってないのに、その可能性のために準備を始めなきゃいけないなんて変な感じだよね。君以外の家族はこの状況をどう思っているの?

母さんはこの戦争は起きると思ってない。彼女は大丈夫だろう。慣れっこのローカルだから(笑)。さっきも言ったけど、この状況で何年も生活しているからね。ドネツクでは今も戦争が継続中だけど、誰も気にしてない。キエフに住んでるドネツク出身の友達は、母親に会いに行くのが超大変みたい。ドネツクに行くにはまずロシアに行って、そこからぐるっとウクライナを回る必要がある。狂ってるよ。だって5時間で着く距離なのに20時間かかるんだぜ。

彼は戦争の前からキエフに住んでるの?

彼がドネツクからキエフに引っ越したのはちょうど色んなことが始まった頃かな。たくさんの人が戦地に近い都市からハリコフの俺の地元や他の都市に移動した。多くのウクライナ人が戦争によりホームを失ったんだよ。

今回新たに戦地に近い都市の人たちが、戦争を避けるために移動してきているようには感じる?

確かにそうだね。俺の地元からもキエフに移動してる人たちがたくさんいる。ヨーロッパやポーランドに近くなるからね。でもロシアが何か言ったわけじゃない。ロシア軍は国境沿いに配備されているけど、それだけ。ウクライナも同じで、パニックは起こしたくない。政府は大丈夫だと言う。ヨーロッパやイギリス、アメリカのニュースがパニックを起こすんだよ。彼らが全てを知っているはずがないのに。バイデンはまたここ数日の間にロシアがウクライナを侵略するって言ってる。わからないけど俺たちはただ待ってるだけ。今の状況は大丈夫。でもみんなこの話題で持ちきりで、一部の人々は国を出た。みんな怖いから。俺の友達の数人もイタリアやドイツとか、知り合いのいるところに避難したよ。


Sasha Groshevoy, photos by Daniel Vaysberg.

なんか狂ってるよね。君が今話してくれていること、感じているプレッシャーがどれほどのものかわからないけど、その何が起こるかわからない感じはありありと想像できる。

そうだよな。ほんと狂ってる。

何も起こらないことを願ってるよ。

俺もだよ。今はもう2022年だぜ。こんなことありえないよ。

明日は 母なるロシアよりキリル・コロブコフのインタビュー記事を掲載するのでお見逃しなく。


追記1:2022年2月21日現在、サーシャはキエフに向かっていて23日に出国する便に乗ろうとしている。

追記2:インタービュー後、ウクライナに家族を持つ写真家のダニエル・ベイスバーグとも簡単に話をしたが、サーシャと同じような思いだった。今回の危機によって、他に同じような辛い経験をしている全ての人々の無事を願う。

追記3:このインタビューは2022年2月18日の金曜日に行われた。現在の現場の状況を100%正確には反映していない可能性があることを記しておく。




2018年1月15日月曜日

中国オリンピック・スケートチーム

JENKEMに載ってた、中国のオリンピック・スケートチームについての記事です。

まずは動画を見てください。来たなぁ〜!まぁこうなるよね〜!って感じです。笑
日本はどうなるんでしょうね。まじで根っこは何処へゆく。

元記事:http://www.jenkemmag.com/home/2018/01/08/chinas-creating-skateboarding-army/

JENKEM:http://www.jenkemmag.com/home/


こんな感じにはならないで欲しいと願っていたが、オリンピックが現実のものとして近づいてくるにつれて、以前俺たちがJENKEMで書いたオリンピック予想の記事と同じくらい、イかれたギコい事態が起き始めている。上のビデオは本物の、中国オリンピック・スケートボーディング選手強化合宿のプロモーション動画だ。ドヤ顔で競技場のトラック上をプッシュする男の子と女の子たち。彼らは皆、オリンピックのスケートボーディング競技で中国代表選手になるためにトレーニングをしている。気をつけろ、中国はマジで勝ちにきている。

この動画はアンドリュー・グァンというスケーターから送ってもらって知ったのだが、動画を見ただけでは全貌が掴めず、もっと情報が必要だった。幸運なことに俺の嫁が中国語も英語も堪能だったので、彼女に色々と調べてもらった。ここで言う「調べる」とは「可能な限り全ての情報を集めて、俺のためにその全部を翻訳してもらう」ってこと。なんてラッキーなんだ俺は。

中国エクストリーム・スポーツ協会のスケーター、Hu Tianyou (@sk8jeremy

嫁が見つけたのは、中国エクストリーム・スポーツ協会(Chinese Extreme Sports Association 略してCESA)と、中国ローラースケート協会(China Roller Skating Association 略ししてCRSA)という二つの団体。彼らは共に、中国がいかにマジでオリンピック・スケートチームのために子供達を集めているのかを喧伝している。

中国エクストリーム・スポーツ協会は、学校、協会、コミュニティ・センターから、ほぼ全てのスポーツのリーグに至るまで、青少年に関連するあらゆる組織・団体から広く、オリンピックのスケートボーディング代表選手候補となる人材を募っている。中国ローラースケート協会は中国版Xゲームスとでも言うべき、「CX Open」という大会を主催しており、母国にメダルをもたらすために準備万端のスケーターたちをすでに揃えている。他の小さな団体は、まだ無名な子供達を国中から集め、トップ選手たちと競わせるためにトレーニングを行なっている。

中国エクストリーム・スポーツ協会のスケーター、Liu Jiaming (@sber_liujiaming)

中国ローラースケート協会のガイドラインによると、強化合宿に参加するためには、年齢が8〜14歳であること、スケートボーディングもしくは格闘技、体操、ダイビングなどの全身を使うスポーツの経験があること、などの条件が設けられている。もちろん少林寺拳法の道場からも、腕立て伏せとランニングの結果が良いというだけで選手候補に選ばれているキッズもいる。そして中国だから当然ではあるが、中国エクストリーム・スポーツ協会に所属するキッズは「強い愛国心と、勝利を母国にもたらすという強いモチベーション」が求められる。これがでっち上げのプロパガンダではない証拠に、中国選手団の一団がハンティントン・ビーチのスケートパークで目撃されている。

現在、中国ローラースケート協会は6つの省で強化合宿を行うとしている。合宿には宿泊施設、食堂、ストリートとボールのコースを持つインドア・パーク、そしてフィットネスセンターがあり、同時に30人以上は収容不可、スタッフにはトレーナー、栄養士、医師、心理カウンセラーがいるという。スケーターは、一年に最低でも4ヶ月間は強化合宿に参加しなければならない。この実質的にウッドワード・キャンプと同じような合宿施設に、学校に行くかわりに何ヶ月もタダで住み込めるなんて、考えてみるとちょっとアツい気もする。


中国エクストリーム・スポーツ協会のユース・スケーター、Yi Ding

もし中国の第一の目標が、光り輝くオリンピックのメダルを勝ち取ることならば、見込みのある未来のオリンピック選手をスケート合宿に送り込むことは当然の取り組みだ。我々はライアン・シャクラーやナイジャ・ヒューストンなどを通して、子供を神をも恐れぬスケート・マシーンにしてしまうことは実際に可能であることを知っている。

しかし、こういったオリンピックの騒ぎに興味がない中国のスケーターたちは、どうなるのだろうか?今や世界中のほとんどのスケートボードの工場とスケートシューズの工場があり、スケートスポットも豊富でスケーターが世界中から集まるようになった中国。しかし、そこで昔からシーンを作ってきたスケーターたちは、まるでメディアに取り上げてもらえていない。

もし中国のオリンピック・スケートチームが、体操の平行棒やマットの上でバク転なんかでも競うことが好きな子供達で構成されることになったとしたら、本物のスケートスポットの探し方も知らず、ローカルのクルーの一員でもなく、警備員と揉める経験も一度もしたことがないような人物が、中国のスケートボーディングの顔になってしまう可能性がある。またその時が来れば、中国のドメスブランドはオリンピック効果で世界中に自分たちを宣伝する機会を得ることができるだろう。

インスタでも色々と調べてみたが、中国エクストリーム・スポーツ協会に所属するスケーターたちの大半が、専属3人のコーチも含め、他の何百万人といる俺たちと同じ理由でスケートしているようだ。つまり「スケートが大好き」だってこと。中国のオリンピック委員会が、ただキックフリップを絶対ミスらないとか、ナイジャのように美しくスプリットをメイクできるからって理由だけで代表を選ばず、ヤバいスケートをする、情熱のあるスケーターを代表に選んでくれることを願う。

Written by: Nic Dobija-Nootens
Research and translation by: Zoe Chen
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2017年6月21日水曜日

「根っこは何処へゆく」 ロンドン上映 道中記



昨年のロンドンでの上映会の道中記をYouTubeにアップしました。
内容的にもかなり面白いです。

ぜひご覧ください!

Last year's London trip video is now on YouTube!
It was such a great trip. I can't thank everyone enough!

2016年5月23日月曜日

Mike Carroll JENKEMインタビュー


JENKEMに載ってたマイク・キャロルのインタビューです。もちろんマーク・ジョンソンがLakaiを辞めた件も語っております。




photo: nick zegel


スケートボーディングは、常に一つの大きな家族のようなものとして考えられてきた。スケート業界がどれほどの金額を動かすようになっても、俺たちはカンパニーのオーナーとそのライダー、つまり雇用者と被雇用者の関係は、むしろ兄弟(姉妹)のような関係であって欲しいと思っているし、これはスケートの歴史の初めから続く考え方だ。この歴史を受け継ぐ、GirlそしてLakaiの創設者の一人であるマイク・キャロルほど、スケーターとして会社を運営すること、そしてスタイリッシュにボードに乗ることを同時に実現できた例は少ない。

しかし、大企業が参入してきて外部からの金がスケート業界に流れ込むようになり、そして人気スケーターたちが引退間近にまで年をとってきた今、この昔ながらのファミリー的考え方は失われつつあるし、この急速な変化はどうしても目に入ってしまう。皮肉な話だが、スケーターたちは自分たちだけで業界を回していくには大きすぎるほど、スケートボーディングの価値を自分たちで高めてしまったのかもしれない。

キャロルが経営するカンパニーも、現在のこうした厳しい状況と無関係ではいられない。ジノがChocolateから去り、今年の初めにはマリアーノとコストンがGirlから去った。そしてマーク・ジョンソンがLakaiを去り、Adidasのライダーになったことがアナウンスされた。マークがAdidasのライダーになったというニュースを先週土曜日の朝に知り、事の成り行きを把握しようとしていたとき、なんとマイク・キャロル本人から、今Lakaiで起きていること、そしてCrailtapの将来について話したいと電話があった。



photo: ben colen

ここ最近GirlとLakaiのチームや会社内部で色々と変化があったみたいだけど、僕たちに知っておいて欲しいことってある?それとも偶然色々タイミングが重なっただけ?

俺も辞めていった人たちの理由は何なんだろうって、あれこれ推測するしかないんだけど、40歳になった大人が大人の決断をしたっていう感じだと思う。15とか25とかの若い時はスケートだけしてればいいし、お金のことは家賃と光熱費のことだけ考えていればいい。でも今じゃ彼らも家を持ってて子供もいて、嫁もいて、考えることがたくさんある。そのくらいの年齢の大人が持ってる、スケートの世界とは別の仕事のスキルを身につけたければ、それはもう違う世界だからさ、俺たちみたいな当時17歳と19歳のガキが始めたスケートボード・カンパニーで働いていても学べないよね。


コストンとガイが辞めたとき、もっと大きなアナウンスとかあるかと思ってたけど、インスタグラムにちょいとアップしただけだったね。それ以外の(アナウンスの)計画とかはなかったの?

そうだね。残念だった。エリックは簡単なインスタのポストじゃなくて、もっと盛大な感じで送り出すべきだってくらい、長年ほんとに多くのことをやってきてくれたからね。ああいう感じになってしまったのは色々理由があるんだけど、あれはエリックの責任でも俺たちの責任でもない。俺たちが聞いていたよりも早くアナウンスが動き始めちゃったから、それに合わせるために俺たちもインスタで早急にアナウンスしなくちゃならなかったんだ。でも彼らに対して何も悪く言うことはないし、彼らも俺らに対して何もないと思ってるよ。



ガイとコストンが辞めた後、ビーブルのパークで鉢合わせして、元カノと会ったときみたいな気まずい感じになったりしなかった?

(笑)俺はあのパークにいつも行ってるけど、彼らは来ない。一回だけ鉢合わせしたことあるけど、元カノみたいな気まずい感じにはならなかったよ。子供もいて養う家族もできたこの歳になると、決断ってのも(ガキの頃とは)全然違うよ。だから誰かが辞めて別のところに移りたいなら、それを引き止める理由はない。俺たちの側からするとちょっと辛いけどね。

俺たちは昔から契約書は作らないことにしてるんだけど、ブライアン(アンダーソン)とアレックス(オルソン)が辞めたとき、それを考え直させられた。商品を捌けさせるために少し時間をくれって言ったんだけど、アレックスはすぐにでも終わらせて公表したがってさ、あれはちょっと性急すぎた。


“FOR GIRL AND CHOCOLATE WE NEVER HAD CONTRACTS, 
BUT WITH LAKAI WE ALWAYS HAVE.”

ライダーと契約書を交わしたことがないってクールだね。

Lakaiは創立以来ずっと契約書を交わしてるけど、GirlとChocolateではライダーと契約書を交わしたことはないんだ。でも、永遠に続くものなんてないってことに気がついちゃったから、その方針を変えなきゃいけないかもしれない。今までは信頼の握手で十分だった。俺たちのやってることに賛成できなければ、よそに移ってもいい。ただ仁義だけは通してくれっていう感じだった。そんな感じでやっていきたかったけど、今のご時世そういう風にはやれなくなってきてるね。


photo: ben colen

GirlとLakaiは今どんな状況なの?新しいビデオを作ったりしてる?

Lakaiのビデオを制作中だよ。Lakaiのライダーたちで色んなところに行ってる。それが次の大きなプロジェクトだね。撮影はフェデリコ(ヴィテッタ)と、ダニエル・ウィートリー。メザにも幾つかのラフカットで手伝ってもらってる。ビデオの編集はメザがやることになるかも。まぁでも、フェデリコとウィートリーがメインで動いてるよ。

マイク・モーはスケートを再開してる?重傷を負ってたんだよね。

うん、彼は今スケートを再開してるよ。トリックをちょこちょこ出来るようになってきてるけど、まだ100%じゃない。かなり大変だよ。もし自分がモーの立場で同じ目に遭ってたら、気がおかしくなってたと思う。膝をひねったときに神経かなんかを伸ばしてしまって、脚が基本的には麻痺してしまったんだ。そういうのをドロップ・フット(下垂足)って言うらしい。つま先を上げたいときに上げられるように、スプリングのついた補助器具を着けてたんだけど、何も着けずに立った状態で脚を上げたら、ブランブランの状態になる。カミソリを当てたとしても、何も感じないかもしれないってくらい。

モーはスケートがしたくてたまらないんだ。彼が今の身体の状態でも完璧にトリックを決めてるのを見ると、本当に嬉しいよ。俺がそんな気持ちになってるときは、彼はその百倍くらい最高に嬉しいだろうけどね。一生スケートだけしていたいってくらい、あいつは本当にスケートが大好きなんだ。

キッズと一緒にあの事故に遭っちゃって、マイク・モーが受けた悪影響って他に何かあるかな?

ゴルフカートを運転してあの事故(訳注:モーが運転しててカートが横転、自分以外にも人が乗っていた為、ドライバーの責任としてみんなを助けようとして足を突き出した結果、脚ががっつりあらぬ方向に曲がったそうです)が起きたこと、そしてその結果の怪我やら諸々、モーがそんな目に遭うべきだったかどうかに関係なく、それは起きてしまったことだ。こんなに長くスケートできなかったことが、一番キツかったことじゃないかな。良かったのは、この事故で彼の責任では誰も怪我しなかったことだね。


photo: ben colen


Girlで一番ボードが売れてるのは誰?

俺だよ・・・

はい(笑)。マルトとかはどう?

もちろん俺だよ・・・キッズは40歳のおっさんが好きなんだ。ってそれは冗談だけど、ころころ変動するから(誰が一番売れているか)はっきり言えないよ。実は秘密でJカサノバとのコラボデッキを売ってるから、たぶんジェレミー・ロジャースなんじゃないかな。

あの有名なCrailtapのパークはなくなっちゃったよね?何があったの?

別の場所にFourstarとLakaiの倉庫を持ってたんだけど、それじゃ効率がよくないから、パークを潰して倉庫にすることにしたんだ。お陰で全商品を同じ敷地内に置けるようになった。でも来年までには場所を作ってパークを復活させたいと思ってる。

マーク・ジョンソンがLakaiを抜けるっていう噂がずっとあったけど、本当に抜けてadidasのライダーになっちゃったね。何があったの?

その噂は何年もあった。マークにはadidasからずっとオファーが来てたからね。でも当時はマークも正直にオファーが来たことを俺たちに教えてくれたから、それと同等の給料を彼に支払うことができた。全て何の問題もなかったよ。当時は彼自身、辞めたいと思ってなかったと思うし。Lakaiに残りたがってたと思う。

財政的に、みんなも知ってると思うけど、特にここ何年かはタフな状況だ。財政的な立て直しをしなくちゃならなくて、みんなの給料を見直したり減給しないといけなくなった。マークも含めてね。でも彼はそれを理解してくれたし、ちゃんと話し合った。

でも最近また財政的な決断を迫られることになって、またマークの給料を削る必要が出てきた。何年もずっとマークにはいい給料を払ってきたし、彼には手をつけないように最善を尽くしてきた。財政的に苦しくて他のライダーの給料をカットしないといけなかったときも、マークは減給しなかった。ずっとマークのことは守ってきたんだけど、とうとう他に削るところがなくなってしまった。

減給をしないといけなくなって、本当に残念だって彼に話した。何年もLakaiのために血や汗や涙を流して懸命に働いてくれたのに、(こんなことになって)このまま残り続けろって言うのは申し訳ないってね。しばらく話し合ったけど、彼がadidasに移籍するだろうなってのは分かってた。またその噂が立ち始めたけど、それはお互い話し合って納得し合ったことだよ。悲しかったけどね。「もっといい条件のところに行ったほうがいいと思う」なんて彼に言わないといけないなんて、最悪だった。あいつらの攻勢は凄まじいよ。マークはもうすぐ40歳になるし、この歳になったら自分のための決断をしないと。結局Lakaiに残ることにして、後からその決断を後悔したりして欲しくなかった。

一ヶ月くらい前に契約破棄の同意書を彼に送ったんだ。同意書で、今ある商品を売り切るために移籍のアナウンスはしばらく待ってほしいっていうお願いをした。同意書は俺たちと商品を守るために作ったんだ。でも同意書については話し合いでどうとでも変更できるってことも彼に伝えた。とにかく、しばらくの間は大人しくして欲しいっていうお願いをしたんだ。お願いしすぎなのは十分わかってたけど。でも、そうしてもらうことにお金を払ってる感じだったからね・・・でもまた移籍の噂がどんどん出てきた。それで彼に連絡を取ろうとしたんだけど、二日間くらいずっと返事がなくて。「Away Daysのプレミアで君の移籍がアナウンスされるって噂を聞いたけど、どうなってるんだ?」って率直に聞いた。俺は移籍は今年の夏か7月くらいだと思ってた。

ようやく彼から電話が来て、「明日アナウンスなんてないよ・・・誰がそんなこと言ったの?」って言われた。それで「明日は何もアナウンスはないんだな?」って聞いたら「ない」って答えだった。そして次の日、アディダスのプレミアに行った人から「マークがビデオの中でアナウンスされてたよ」ってメールで知らされた。マジかよ・・・って感じだった。つい前日の夜に電話で話して、何もないって言ってたのに。

俺に電話で話すくらいできただろ、向こうとの契約の関係とかでアナウンスを遅らせるのはちょっと難しい、とかさ。俺たちは友達なんだから、話してくれればいいじゃん。友達じゃないとしたら、弁護士呼んできて話そうぜってことだよ。


photo: nick zegel


君たち二人は仲直りしたの?今はお互い話せる状態?

彼からの唯一の返答は「君は同意書を読んだ?」だった。まるで同意書に何か問題があるかのような口ぶりだった。それ以外は彼から何の返答もないし、たぶんこれからも返答はないと思うよ。真正面から嘘をつかれた。アナウンスとか何もないって言ってたのにね。彼から要望があれば、いくらでも同意書に変更なんてできたのに、電話でクソみたいな嘘をつかれた。相当ナメてるでしょ。チームのことも馬鹿にしてる。あんな形でマークがadidasに加入したことを知ることになるなんて、チームの俺たちにとって最悪な夜になった。俺たちは友達だと思ってたのにね・・・

はっきりさせておきたいんだけど、彼には他にいいオファーがあったらそっちに行っていい、ってことは言ってたんだよね?ということはマークがLakaiを辞めたことに腹を立ててるんじゃなくて、君たちに時間をくれなかったことに腹を立ててるの?

俺が怒ってるのは、プレミアの直前の夜に、アナウンスなんてないって嘘をつかれたこと、そして弁護士を通して解決しようって言われたからだよ。シューズのデザイナー、営業、プロダクション、チーム、Lakaiのみんなが彼のために今まで一生懸命働いてきた。それなのに、アディダスのプレミアに行ったら予想もしてないパンチが飛んできた。あんな形で知ることになるなんて、俺たちが馬鹿みたいだろ。俺に男らしく正直に話すこともできない、あの異常な嘘つき野郎のせいでさ。

プレミアの前の夜、マークと俺が電話で話したときに言ってくれたらよかった。その時に俺は怒ったかもしれないけど、少なくとも彼は正直に話してくれたことになるし、俺からチームに連絡もできたから、あんなプレミアで知ることにならずに済んだ。個人的に色々あるのも知ってるし、彼のプライバシーも尊重してるし深入りはしない。ただ、彼が今回のことで取った行動には、本当にがっかりしてる。彼が自分を弁護するために何を言うのか興味があるね。自分の行動を正当化するためにどんな嘘を言うのか。


“IT JUST MAKES US LOOK LIKE FUCKING IDIOTS, 
BECAUSE THIS DUDE IS A PATHOLOGICAL LIAR.”

これからリリースされるマーク・ジョンソンのLakaiのプロダクトはどうするの?こういう事が起こった時、普通の会社だったらどうするの?

在庫を全部あいつの家に着払いで送りつけるね。ペニスバンドもつけて、ワセリンなしでこれでもケツにぶっ刺しやがれ!ってね。まぁ今俺たちがやることは、まず最初に、あいつはChocolateをクビだ。メールを送ったりもしない。これを読むか、誰かから聞かされて知ることになる。どうせ既に彼の中では辞めたことになってるかもしれないけどね。たった今から、マークはChocolateをクビだよ。それに関して揉めようがどうしようが、やることをやるだけだ。シューズに関しては・・・既に生産に入ってるやつが沢山あるから、こういうことが起きた場合、普通は法的措置を取るんだけど、それって俺たちらしくないよね。だから優先順位のトップではないけど、そういうことも考え始めてる。

ううう、こうすれば丸く収まるとか、マークから何か埋め合わせできることってないかな?

俺たちはお互いいい関係だったと思ってたけど、今はもう仕事上の関係はない、以上。って感じだね。今後お互い顔を合わせることはないと思うよ。今まで疑問に感じることがあっても、良い奴の面もあったから、良いように解釈してあげてたけど、あんな嘘つき野郎になった今じゃもう何も信用できない。スケーターとしては素晴らしいよ。それは誤解しないで欲しい。彼が史上最高のスケーターの一人なのは間違いない。でも、そいつがどんなに素晴らしいスケートボーダーだろうと、誠実じゃなかったらさ・・・信用できないやつとは付き合えない。


photo: ben colen


面白い仮説があるから聞いて欲しいんだけど。

ほんと?俺もあるよ。20年説。

なにそれ?

20年説ってのは、Girlの20周年にブライアン(アンダーソン)とアレックス(オルソン)が辞めて、Chocolateの20周年にジノ(イアヌーチ)が辞めた。20周年には良いことが起きないっていう説。

ということは、20周年の呪いが来る前の19年目で会社を止めればいいのかな?

そうだね、そういうことになるね。会社のポリシーとしては一番大事だと思うよ。19年目で止める。(笑)

それか20周年はスルーして、19年目の次は21年目にするとか・・・

エレベーターの階みたいにね。20は新しい13(不吉な数字)だよ。

photo: ben colen


ネットで面白い仮説を見つけたんだけど、スケート業界に入ってきてる大企業シューズメーカーは、小さなインディペンデント・ボードブランドを後押ししてハードグッズ市場にブランドを沢山溢れさせることで、君たちCrailtapやDwindle(Fallenが倒産する前)みたいなブランドの注意をシューズブランド(Lakai)のセールスよりも、ボードのセールスが落ちてきてることに向けさせて、そっちに時間と人材を使わせようとしてるんじゃないか、っていう説があるよ。

(笑)大企業はそんくらいエグいことを考えててもおかしくないとは思うよ。誰に言われたかは忘れたけど、そういう大企業シューズメーカーで働いてる奴が言ってたんだけど、そこでは5年計画のミーティングがあって、誰を蹴落とすかっていうのを詰めていくらしいよ。”戦略”として。「このライバル会社を追い出すにはどうしたらいいか」ってね。そしてターゲットを特定の会社に絞るらしい。超エグいよ。でもスケートの最高なところってREAL、FA、Creatureみたいに色んなカンパニーが沢山あることでしょ。みんなでスケートボーディングを作ってるんだ。他の会社を蹴散らそうとする会社ってさ・・・もう既に居場所は確保できてるんだから、別に他の会社を潰す必要ないだろ、っていう。スケーターを一人残らず自分のものにする必要なんてないよ。こんな話しをしてもしょうがないけど。

キャスパーっていうクソ野郎の話はしたっけ?カーステン(クリッパン)が、Lakaiのイントロビデオをリリースしたその1週間後にNIKEに移籍したときのこと覚えてる?あの時はマジで「おいおい何だそれ?」って感じだった。そしたらそのキャスパーってやつがサム(Lakaiのチームマネージャー)に電話してきてさ、「カーステンがLakaiを辞めたけどさ、俺たちとしてはElementも辞めさせたいんだよね。もっとクールなカンパニーのライダーになってほしいんだけど、彼をGirlのライダーにしてくんない?」なんて言ってきやがった。お前マジでそこまで馬鹿か?って思ったよ。マジでそれをクールだと思うのか?俺たちはカーステン・クリッパンをLakaiに迎え入れられて超喜んでたんだ。でもイントロビデオを出した瞬間に出ていった。そしたらキャスパーって奴がそのカーステンをGirlに入れさせようとしてきた・・・ファックだ。キャスパーって奴はクソ野郎だよ。

俺には君たちがターゲットになってるように思えるんだけど・・・

(笑)誰かがマスター・プランを作ってるんじゃない?こういう風にしてFourstar、Lakai、Girl、Chocolateをぶっ潰そうってさ。まぁ冗談だけど。でも実際俺たちがターゲットになってるとするなら、それは俺たちはライダーや従業員を超慎重に選んでるからだよ。全員ヤバいやつしかいないから、俺たちがターゲットにされるんだ。俺たちがイケてるから、あいつらは俺たちの持ってるものを欲しがるんだよ。(笑)


Intro: CK (@cnkerr)
Interview: Ian Michna
Photography: Ben Colen (@bencolen) & Nick Zegel (@zeegisbreathing)
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2016年5月16日月曜日

Louis C.K. on Cell Phones ルイスCK 携帯について



自分の大好きなルイスCKというコメディアンがいるんですが、
そのルイスCKがこれまた自分の好きなトークショーホスト、
コナン・オブライエンの番組にゲスト出演したときのものです。

この人のスタンドアップ(漫談に近いもの)の翻訳したい・・・
お仕事のご依頼お待ちしております。


2016年4月18日月曜日

ALI BOULALA ON HIS SECRET TRIP TO LYON WITH THRASHER MAGAZINE 日本語訳




AFTER SKATEというサイトにあった、アリ・ボウララが、ジョーズがこの伝説の25段ステアを飛んだ時の裏話を語っているインタビューです。

AFTER SKATE:http://afterskate.com/

Thank you Mark for letting me translate this article!


ALI BOULALA ON HIS SECRET TRIP TO LYON WITH THRASHER MAGAZINE

Photo: Olivier Chassignole

数は少ないものの、誰もが知っているスポットといえばカールスバッド・ギャップ、EMBのゴンズ・ギャップ、ウォーレンバーグなど色々ある。何故これらのスポットが有名になったのか。それはスケートボーディングの進化を後押ししてきたからだ。それはまるで昔話のヒーローが輝かしい勝利を通して栄光を手に入れ、歴史にその名を刻むのと同じように、これらのスポットはスケーターにとって攻略すべき場所、現代のクエストとなった。しかしリヨンにあるこの25段ステアは他の有名スポットとは訳が違う。なにしろこのスポットに住む魔物は誰も倒せず、魔物の塔から姫は救出されていなかったのだ。

だからこそ、この25段ステアは伝説のスポットになったのかもしれない。このスポットはここで最終章なのか?そう誰もが思っていたが、つい最近スラッシャー・マガジンがアーロン・”ジョーズ”・ホモキを主人公に、新しい章の扉を開いた。




もうこのスポットは放っておいて、伝説は伝説のままにしておくべきか?それとも誰かが挑戦すべきか?何年もスケーターの間で議論が交わされてきたが、ついに今回決着がついたのだ。しかしそれでこのスポットの特別感は失われてしまったのだろうか?それとも、むしろ今まで以上に面白いことになったのだろうか?

ジョーズがメイクしたという噂が事実で、そこにアリも関わっていると聞き、その時何があったのか聞きたくてたまらなくなり、アリにインタビューを行った。以下、アリが語ってくれた話を紹介しよう。



この話はどうやって始まったの?

スラッシャーのマイケル・バーネットからメールが届いたんだ。彼とは長年の友人だし、一緒にたくさん写真も撮ってきた。今回のメールは「ヘイ!ミスター・ホモキとリヨンでトップシークレット・ミッションがあるんだけど、君にも参加して欲しい」ってことだった。ホモキの名前を見てすぐに、ああ、あのジョーズって奴があの25段ステアを飛ぶんだな、ってピンときたよ。実際その通りだったし。それからフレンチ・フレッドに「スラッシャーがジョーズとミッションあるから俺もリヨンに行くことになったよ」って電話した。その後知ったんだけど、実はジョーズは1年前くらいにすでに一回トライしに行ってて、でもメイクできなかったんだ。その時何回くらいトライしたか知らないけど、たしか8回くらいトライして、最後はボードが折れて鬼スラムして膝を強打したらしい。


スラッシャーが俺に連絡をよこしたのは、俺のノウハウが必要だからってことで、俺のためにリヨン行きの飛行機のチケットを手配してくれた。俺も暇だったし、リヨンに行ったよ。5日間くらいいたのかな、そこでジョーズに会ったんだけど、俺がこのミッションに参加しに来たことをすごく喜んで興奮してた。「Sorry」は彼が初めて見たスケートビデオのひとつだって言ってたよ。

Ali and Michael Burnett (Photo: Ali Boulala)

そして25段のステアに行ってジョーズがトライを始めた。何回トライしたか忘れたけど、その日はメイクできなかった。何回かトライした後でセキュリティーからキックアウトされたんだ。俺は内心ジョーズはメイクできないんじゃないか、そもそも不可能なんじゃないか?って思った。セキュリティーにキックアウトされて分かったけど、向こうも俺たちがなんでここにいるのか知ってるようだった。面白いのは、俺たちが泊まってたホテルって、まさにあのステアがあるホテルだったんだ。俺だけじゃなくみんなも思ったかもしれないけど、セキュリティーのせいでメイクするのは無理なんじゃないかって思ったよ。

君がトライしたときは何かトラブルとかあった?

いや、なかったよ。それも今回と違ったところだね。あの時は特に準備もせずにあそこに行ってトライしたんだ。でも今回はカメラが8台も至る所にあるし、大人数での撮影だった。ジョーズの親父まで来てたよ!俺がトライしたときはフォトグラファーのフレッドと俺だけだった。二回目に行った時は、他にジェレミー・ダックリンが加わっただけ。でも今回はカメラを何台も使った大掛かりな撮影だったし、とにかく人が多かった。誰かがスケートのトリックをトライする為に、ここまでするって何だかちょっと変な感じだったよ。

でもそれはこのスポットだからだよね。このスポットに関しては全てが文字通りビッグだよ。

ハハハ!そうだね。でも俺はあそこをスポットとは呼ばないよ。普通あんなところにスケートしに行ったりしないだろ。さっき言ったみたいに変な感じはしたけど、あの場所がそれだけ伝説化して、クールでもあったよ。それでさ、ジョーズはトライし続けたんだけど、一回ウィールが吹っ飛んじゃって。板の上に着地したんだけど、ウィールが吹っ飛んでスラムしちゃったんだ。それを見てまた思ったよ。たぶんスケートボード自体があの衝撃に耐えられないんじゃないか。人の問題じゃなく、ギアの問題なんじゃないか?ってね。だからその時はまだメイクは無理だろうって思ってた。でも同時に、もし可能だと思ってなかったら、そもそも俺も最初にトライなんかしてなかっただろうとも思った。

ジョーズは全部で何回くらいあのステアにトライしに行ったの?

うーん、たぶん全部で5回くらい行ったと思うよ。

そんなに?

そうだよ!初日にすぐに行ってトライしたんだけど、スラムしてセキュリティーが来て終了。それで次の日にまた再トライした。

すぐ次の日にあのステアを再トライするなんて、聞いただけでゾッとするよ。

ほんとその通りだよ。次の日は最初からセキュリティーが立ってて、ステアをブロックするフェンスまで立ててあった。何から何まで不可能に思えたよ。でも俺はみんなに言ったんだ。俺がトライしたときも、全部で4秒くらいしかかからなかった。だからフェンスをどかして飛んでしまえばどうってことない。セキュリティーと交渉して許可をもらおうとかしないほうがいい、ってね。やるしかないんだよ。メイクするかしないかだ。それでジョーズがまず一回だけトライした。フェンスを移動させて、トライしたんだけどメイクできなくて、セキュリティーも当然ブチ切れ。どんな流れでそうなったのか正確には覚えてないけど、とにかくそういうことがあった。それでホテルのスタッフと話して許可をお願いしてみることにしたんだけど、一人が「OK、この日のこの時間なら俺たちのボスはいない」って言ったから、それでその日のその時間に行ったんだ。でもセキュリティーからは出てけって怒鳴られた。でも出てけって言われても、俺たちそこのホテルに泊まってたからね。

Security problems (Photo: Ali Boulala)


みんなだんだん不安になってきて、トライを続けるために飛行機のチケットを延長すべきかどうかって話し始めた。でも結局「明日が最終日だ。明日決めるしかねぇ」ってことになった。そして確かフレッドだったと思うけど、ホテル側の誰かと話をつけてきて、「この日、この時間に一時間だけやる。それだけだ!」って言ってもらえたんだ。それでもう、その時にやれるかやれないかっていう状況になった。

最終日にジョーズがトライを始める前に、彼に「グラブするのかしないのか」って聞いてみたら、「たぶんグラブする」って答えだった。その時初めて「ああ、そっか・・・」って気分になった。俺は心の中で、グラブなしのレギュラー・オーリーで飛んで欲しいって思ってたんだ。もちろんグラブを入れてもハードだよ。でもそれじゃ別のトリックになっちゃうだろ?だから普通にオーリーして欲しかった。でも誰かに何をすべきで何をすべきじゃないかなんて言う権利は俺にはない。それに彼はメイクしたし、俺はメイクできなかった。

それと、今回ジョーズには十分なスピードをつけるためのバンクもあった。俺の時はただ狂ったように鬼プッシュしただけだったけどね。

スピードが重要なキーになるってのは、みんなが話してたことの一つだよ。

その通り!俺もあの時それをちゃんと考えてれば良かったのかもね?ジョーズはさらに賢くて、大きな柔らかいウィールを使ってた。あそこのフラットはそれほどいい路面じゃないからね。

そこまでちゃんと考えてなかったのを後悔してる?それとも別に気にしてなかった?

そうだね、そういうことは全然考えてなかったな。でも俺が最初のトライをした後、Flipが別のボードを俺に用意してくれたんだけど、それは厚めの板だった。たしか8プライの板だったかな?厚いし強いから、それを使ってみろって言われた。でも俺は自分が普段乗ってるもの以外を使う気になれなかった。ファーストライの後、フレッドから彼の板のほうがワイドだから、彼の板を使ってみてって言われたのを覚えてるよ。でも2回目のときは、自分の板を使いたかった。結局どんな板を使おうが関係ないと思うんだ。ただまぁ、大きなウィールを使ったりしたほうがいいのかもしれないけどね。でもメイクするかしないかって話なんだから、あんまり細かいこと言っても意味ないと思う。

彼がメイクしたことは最高にクールだ。でもメイクしなかったとしてもクールだったよ。俺が来たことを喜んでくれたし、楽しかったからね。俺があそこにいた理由は、バイブスを上げて彼のやる気を引き出すことだったんだと思う。

コンサルタントとして雇われたってわけね。

ハハハ!彼らからは俺の”ノウハウ”が必要だって言われたけど、俺にできること、言えることなんてたかが知れてるよ。ここでジャンプして、こうやって、着地するんだ!くらいしか言えない。そもそも俺はメイクしてないんだから。




ジョーズがメイクしたとき、彼はドラッグも酒も入ってないクリーンな状態だった?

そうだと思うよ。俺はクリーンじゃなかったけどね!トライ前に葉っぱ吸っちゃって、いざトライするときに後悔したよ。今回のミッション中、ジョーズはメイクするまで酒なんて一滴も飲んでないと思う。みんなでシャンパンでお祝いしたとき、彼の親父が「イェー!ベイビー!」って叫んで、喜びで泣いてるのを見たよ。最初それを見たときは冗談かと思ったけど、マジだった。トリックをメイクして、あそこまでエモーショナルになったことが果たして俺にあるかどうか疑問だね。俺が若いころはむしろ正反対だった。泣くのはトリックをメイクできないときだけだったよ。200回くらいトライしてもメイクできなくて、情けなくなって涙が出てきたことってない?お菓子もらえなかった子供みたいに。でも今回は全く逆のパターンだった。ジョーズの親父は喜びの涙を流してたし、それは俺にも理解できた。不思議な光景ではあったけどね。ジョーズの親父がジョーズの元に走り寄って泣き出したとき、フレッドが俺にカメラを向けてきたから「あの人いま泣いてんの?」って言っちゃった。泣くとしたらむしろ俺のほうだろ!ジョーズが俺を歴史から葬り去ったんだから!ハハハ!

実際そんな風に思った?

ぶっちゃけちょっとはそう思ったよ。でもジョーズがやったのは別のトリックって気持ちがあるけど。

君の「Sorry」のパートのあの瞬間が伝説になったのは、単純にメイクできなかったからじゃないか、って話を以前したよね。スケートで可能なことの限界がついに示された、みたいな。

そうだね、あのパートのいいところはラストトリックがメイクじゃないところだって、どっかで読んだことがあるよ。普通はベストトリックを最後に持ってくるのに、俺のは失敗だからね。でもあのトライの後、あのステアはまだあそこにあるし、メイクは可能だと思ってた。でも俺は別のスポットで滑りたかったし、別のところで飛びまくったり、他のことをやってたら、結局再トライはしなかった。俺は”クリーンな”スポットでスケートしたかったんだ。ハハハ!

誰か他にトライするだろうと思った人、もしくはトライして欲しい人っていた?

ディエゴ・ブッチエリならやるんじゃないかってずっと思ってた。実際何度か行ってみたらしいんだけど、「ありえん。狂ってる。やりたくない」って言ったらしいよ。フレッドが俺にプレッシャーをかけるために「ジェイミー・トーマスがトライするらしいぞ」って言ってきたこともあった。アホなスコットランド人がトライしたんだけど、ボードなしでジャンプして大怪我したって話も聞いたことがある。両足骨折したらしいよ。Elementの奴らが行って「ナイジャならキックフリップできる」って言ってたとかも聞いたことがある。「はいはい」って思ったけどね。でもオーリーが可能ならキックフリップもできるかも。わかんないけど、でも誰もあそこでキックフリップなんてやりたがらないと思うよ。でもジョーズがメイクしたトライは、見ていてついにメイクするだろうなって思った。


French Fred and Daddy Jaws (Photo: Ali Boulala)

みんながこのスポットを”手付かず”のままにしておきたい理由のひとつって、ジョーズはすでにこれより大きなやつを飛んだことがあるかもしれないからかもね。でも別に誰もスポットの正確な高さと幅を測ったりとかしないでしょ?

今回はぶっちゃけ測ってたよ。メジャーであのステアの大きさを測ってた。不思議な光景だった。俺もジョーズに聞いてみたんだ、「これより大きいギャップ飛んだことあるんじゃない?」ってさ。そしたら「わからない。たぶん?あなたは?」って返ってきたから、「わかんない。スポットの大きさを測ったことなんてないし、ただやれるかどうかトライしてみるだけだから」って答えた。でも今回彼らはステアの大きさを実際に測ってたよ。

ジョーズがメイクするまで何トライかかったかわかる?

フレッドから聞いたところによると、全部で13回くらいトライしたらしいよ。100%確かじゃないけど。

全部のトライで、あの薄いヴォルカナイズのDeklineを履いてたの?

そうだ!そこもあった!ジョーズは服の下にパッドスーツを着てたんだ。ちょっとウケたよ。エルボーパッド、ニーパッド、ヒップ・プロテクションに、特別なインソール。メイクしたあと、ジョーズがそのパッドを脱いでいくところをフレッドが隣に立って撮影してた。それを見て「マジで?服の下にそんなの着けてたの?」って思わず聞いちゃった。そしたら「そうだよ、俺の防護服さ」だって。そこでフレッドが俺にカメラを向けてきて「アリ、君はこのステアをトライするとき何を持ってた?」って聞いてきたから「うーん、二日酔いの頭痛?」って答えた。