2022年3月2日水曜日

ウクライナで何が起こっているのか その1 by PLACE SKATEBOARD CULTURE

何年も放置していたこのブログですが、とても大事だと思う記事があったので、日本語訳を載せることにしました。

今回の翻訳は自分の嫁さんの可奈子ちゃんがやってくれました。ちょっとした直しだけ自分が手伝ってます。

ベルリンのスケートウェブサイト、https://place.tv/に掲載された現地在住スケーターへのインタビュー記事です。リアルです。ロシアがウクライナに侵攻する直前(2022/02/18)のインタビューです。明日にはロシアのスケーターの記事をあげようと思います。


The original article:https://place.tv/sasha-ukraine/


Placeのロングリード・シリーズへようこそ。これほどあからさまに地政学的な記事は、2016年にドラルド・トランプが大統領に選ばれたことについてアレックス・ オルソン、デニス・ブセニッツ、パトリック・オデールなどにインタビューした時以来で、本当に久しぶりだ。ただし、今回の記事には当時のようなビッグネームは登場しないということを先に言っておく。

だが今回の事は以前の記事以上に、俺たちの未来に直接関わってくることだ。最近はウクライナ情勢をニュースで見ない日は無い。社会のあらゆる階層(少なくともヨーローッパでは)で、人々はロシアが軍隊や兵器を強化していること、国境で血が流れていることを話題にしている。西側メディアによる報道はアメリカ大統領と対立する(高い)可能性や、大統領の言葉の選び方の意味などに焦点を当てている。

最近の情勢を注視している人からすれば、ウクライナ側からの声はないがしろにされているのが現状で、報道は現場の状況を正確に描写していないように見える。

実際真実がどこにあるのかはわからないが、僕たちはウクライナ、正確に言えばハリコフとういう街に住んでいるスケーターを知っている。 僕たちのチャンネルにも何回も出演している、サーシャ・グロシェボイに連絡を取り、現在の状況と周りの人々の考えについて聞いた。参考までに、ハリコフとはロシアとの国境に最も近い大都市で、緊張が高まっているのは本当だ。とにかく、このインタビューをスタートして、この疑問に答えてみよう:「ウクライナで一体何が起こっているのか?」


序文&インタビュー :Roland Hoogwater.

サムネイル: Kevin Vietzke.

写真: Daniel Vaysberg.

サーシャ、元気にしてる?ハリコフやウクライナの今の様子はどんな感じ?

今は何の問題もない 。みんな外に出てカフェに行ったりコーヒー飲んだりしているよ。いつもと同じに感じる。ウクライナに関するニュースは大袈裟すぎだと思う。でも状況を考えてウクライナを出た友達もいるし、俺も出たほうがいいかなと思い始めてる。でも今のところは大丈夫。この戦争状態って実際8年くらい続いてるんだよ。今まで地元やキエフではそれを感じたことはなかったけど。

状況はここ数週間で変化した?俺のいるベルリンでは戦争がいよいよ始まるんじゃないかって雰囲気になってる。でもウクライナ側からすると、みんな落ち着けよって感じらしいね。

みんなの話題にはなるけど誰もパニックにはなってないよ。だってこちらはこの状況の中で何年も生活してきたんだ。大体の人は「今回はどうなるかね」って感じ。本当に戦争になったらみんなウクライナを離れると思うけど。

君も戦争が起きたらウクライナを離れる?

うん、もちろん。トライするよ。

戦争にはなると思う?それかこれは力比べのゲームだと思う?

わからないな。政治的なゲームなだけのようにも感じるし。プーチンは大統領の座に長く居座りすぎだし、俺は尊敬していない。ウクライナの大統領は変わるけどプーチンはロシアでずっと同じ地位にいる。彼を信じていないし、年寄りすぎて頭がおかしくなったんじゃないかと思う。

ロシアには知り合いがいっぱいいるでしょ?今の状況について話したりする?

するよ。モスクワにいる友達と話した。あいつ、戦争が起きそうになってることを知らなくてウケたよ。あっちではあんまりみんなテレビやニュースを見ないんだ。だから俺が教えたんだよ。今も友達同士(笑)。ほら、それがスケートボーディングだからさ。

それやばいね。街でスケートしてて何か気づいたことはある?警察とか大勢出動していたりするの?

ないない。でもニュースではパスポートを常に持ち歩いた方がいいって言ってる。警察は市民に今は責任と敬意を持って行動するようにと言ってる。それくらいかな。

じゃあ何も普段の生活で変化は無いんだ?もちろんストレスはあるだろうし、みんなの話題にはなっているだろうけど。

ないない。どう説明していいかわからないけど、緊張感はあるけど全部いつも通り。でもバイデンが今月16日にロシアがウクライナに侵略して、戦争が始まるって言ってた時は怖かった。仕事でキエフ行きの飛行機に乗る直前だった彼女と合流した。もし戦争があるならウクライナを一緒に出たかったんだ。空港が閉鎖されるかもって噂があって、でも結局それはフェイクニュースで、彼女も無事飛行機で仕事に行けて大丈夫だった。ただその時に考えたんだ。もし本当に戦争が起きてすべて封鎖された時にどうやって国を出ればいいのかって。自分の国が好きだからこのまま無事に何も起こらないで欲しいと願っているけど、今のところ念のためにウクライナを出ようと思ってる。

想像できるよ。実際には戦争は起こってないのに、その可能性のために準備を始めなきゃいけないなんて変な感じだよね。君以外の家族はこの状況をどう思っているの?

母さんはこの戦争は起きると思ってない。彼女は大丈夫だろう。慣れっこのローカルだから(笑)。さっきも言ったけど、この状況で何年も生活しているからね。ドネツクでは今も戦争が継続中だけど、誰も気にしてない。キエフに住んでるドネツク出身の友達は、母親に会いに行くのが超大変みたい。ドネツクに行くにはまずロシアに行って、そこからぐるっとウクライナを回る必要がある。狂ってるよ。だって5時間で着く距離なのに20時間かかるんだぜ。

彼は戦争の前からキエフに住んでるの?

彼がドネツクからキエフに引っ越したのはちょうど色んなことが始まった頃かな。たくさんの人が戦地に近い都市からハリコフの俺の地元や他の都市に移動した。多くのウクライナ人が戦争によりホームを失ったんだよ。

今回新たに戦地に近い都市の人たちが、戦争を避けるために移動してきているようには感じる?

確かにそうだね。俺の地元からもキエフに移動してる人たちがたくさんいる。ヨーロッパやポーランドに近くなるからね。でもロシアが何か言ったわけじゃない。ロシア軍は国境沿いに配備されているけど、それだけ。ウクライナも同じで、パニックは起こしたくない。政府は大丈夫だと言う。ヨーロッパやイギリス、アメリカのニュースがパニックを起こすんだよ。彼らが全てを知っているはずがないのに。バイデンはまたここ数日の間にロシアがウクライナを侵略するって言ってる。わからないけど俺たちはただ待ってるだけ。今の状況は大丈夫。でもみんなこの話題で持ちきりで、一部の人々は国を出た。みんな怖いから。俺の友達の数人もイタリアやドイツとか、知り合いのいるところに避難したよ。


Sasha Groshevoy, photos by Daniel Vaysberg.

なんか狂ってるよね。君が今話してくれていること、感じているプレッシャーがどれほどのものかわからないけど、その何が起こるかわからない感じはありありと想像できる。

そうだよな。ほんと狂ってる。

何も起こらないことを願ってるよ。

俺もだよ。今はもう2022年だぜ。こんなことありえないよ。

明日は 母なるロシアよりキリル・コロブコフのインタビュー記事を掲載するのでお見逃しなく。


追記1:2022年2月21日現在、サーシャはキエフに向かっていて23日に出国する便に乗ろうとしている。

追記2:インタービュー後、ウクライナに家族を持つ写真家のダニエル・ベイスバーグとも簡単に話をしたが、サーシャと同じような思いだった。今回の危機によって、他に同じような辛い経験をしている全ての人々の無事を願う。

追記3:このインタビューは2022年2月18日の金曜日に行われた。現在の現場の状況を100%正確には反映していない可能性があることを記しておく。




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