2014年7月5日土曜日

KEVIN TIERNEY インタビュー

JENKEMに載ってた、KEVIN TIERNEYのインタビューです。

ってよく知らなかったんですが、ZOO YORKのAMなんですね。そして自分はまだ観てないすけどSTATIC 4でパートもあるらしいっす。

内容がけっこう面白くて、とくに保険の話なんかは、TPPで国民健康保険が壊滅させられようとしている今の日本にとっても人ごとではありません。

日本の健康保険は平等にみんなをカバーしてくれますが、アメリカだと保険にもグレードがあるらしく、いい医者にかかるにはハイグレードな保険が必要になるみたいです。そして高くね!?

民営化なんかされたら終わりですな。





photo: sean cronan


インタビューに臨むときは、普段はオープンマインドで偏見を持たないようにしているんだが、今回のインタビューに関しては、なんとなくケビンはきっと嫌な奴だろうなと思っていた。街中で2、3回会ったことがあったんだが、NYのスケーターでたまにいる、「クールな奴」のバイブスを感じたからだ。でも簡単な質問をいくつかした後からは、お互い構えずにリラックスできるようになって、彼も心を開いてくれた。
そして自立した育ち方や、膝の問題と家族の話を聞いて、俺のケビンを見る目が変わった。ほとんどのキッズには、人生の計画があらかじめ立てられているが、ケビンは自力で学びながら自分の人生を拓いていく必要があった。彼の話を聞くうちに、俺は彼に対して尊敬の念を抱くようになった。なるべく早く膝の手術をして、彼がスケートボードに乗ったときの本当のポテンシャルを、世界に見せつけて欲しい。
君は「クールな奴」じゃん?クールな奴になるための秘訣とかあったら教えて。
俺ってクールなの?それって悪い意味で?うーん、それについては何とも言えないな。でもクールな奴になるための秘訣?もしNYに来たなら、会うやつ全員シカトだね。「やあ」とか挨拶もしない。…で、ノーコンプライとかやるんだよ。ノーコンプライはかなりクールだからね。俺はフェイキーでも出来るようになったよ!ストレートなフェイキーのノーコンプライさ。かなりクールだよ。あとは、どっかでモデルでもやるとか?俺もそんなことできたらいいけど(笑)。何回かやったことあるよ!スケートのモデルさ。イェー!
ネット上で君の(スケート)スタイルはダメだなんて書かれてるけど、そういうのって気にする?
まじで?(笑)それは嫌だね。わかんないよ、俺はスケートに乗ってる感覚が好きなんだ。気にしないよ。もし俺のスタイルが気に入らないんなら、それはそれだけのことさ。鏡で自分の姿を見て、ああ、俺のスタイルってなんか狂ってるなって思うことはある。って言ってもどうでもいいけど。俺はスケートできる限りスケートを続けるだけだよ。好きか嫌いかさ!
君のスタイルを悪く言う人たちは、ほとんどみんな君の腕の動きについて言ってるよ。拘束着を着て腕を振り回すのを矯正しようかって考えたこととかある?
なんだよそれ!(笑)俺の腕はワイルドだろ?クソ、でもいっつも腕を振り回してるわけじゃないよ!腕の話って、Stuy Townのボードスライドのこと?あれって超長いボードスライドだぜ!あんな長いボードスライドを、楽勝な感じでやってるように見せないといけないのかよ?
photo: sean cronan
君はNY出身だけど、今までマーク・ゴンザレスと会ったり一緒にスケートしたことってある?
何度か会ったことあるよ。Steve Brandiと、彼がミルクセーキの店にいるとこを見つけたときがあったんだけど、そのとき俺は彼から絵を描くゲームをさせられたんだ。言われたお題を一発で描かないといけなくて、ミスったらダメ。四角の上に三角が乗ってて、真ん中にXがあるやつを一続きで描いてみろって言われたんだ。一度描いた線の上はもう線を重ねちゃダメ。何の脈絡もなくいきなりそんなこと言われたよ。狂ってるよ。マークは俺がどこの誰かなのかも知らなかったと思うけど、俺に絵を描かせて試してきたんだ。でもぶっちゃけファーストトライでメイクしたよ!
その後で、彼は消火栓を自分の板でぶっ壊そうとしてさ、俺の首くらいまである高い消火栓だよ。下のほうからありったけの力で、板で消火栓を殴りつけてた。まじでワケわかんなかったよ!(笑)ちょっと何してんの?って感じ。思わず後ずさったよね。新しい美術館の近くでさ、マークは美術館のガラスをウォールライドしようとして、キックアウトくらって怒鳴られてた。で、「そーか分かった、この消火栓を真っ二つにしてやる!」ってあのゴンズの声で言い返してさ。かなりヤバかったよ。
君のアートについて教えて。どうしていつも電車なの?
ずっと電車に乗って育ってきたからね。俺はクイーンズに住んでて街まで出るのに45分かかるからさ、その間にいろいろ考え事とかをするんだ。13歳のときから街に行くときは自分一人だし、電車に乗るってのは毎日のことなんだ。それに電車がずっと好きなんだ。酒飲んだ帰りに電車に乗ってクイーンズに帰るのは、ちょっとヤバめだね。間違いなく俺は寝ちゃうから、起きたらConey Islandとか適当な場所に着いちゃってて、帽子がなくなってたりとかするよ。
電車以外のものも描いてみようと思ったことはある?
ゴミ箱を描こうとしたことあるけど、あんまり好きじゃなかった。電車は好き。いろんな思いが電車にはある。
kevin’s train art / photo: zoo york
君は膝を痛めちゃってるんだよね?ほとんどの人は、君が膝を悪くしたままで滑り続けちゃってることを知らないんじゃないかな。
そう、ここ5年くらい、膝を痛めたままだよ。手術が必要なんだ。膝を新しく取り替えたいよ。すごくユルユルで弱いんだ。100%の状態には絶対にならない。滑るときは膝のことを考えないようにしてるけどね。スケートスポットでは、3時間くらいアップしないと、いい感じにならない。すぐに飛んだりとかできないんだ。スポットに着いた時点で、すでに膝を使いすぎてるような感じになったり、硬直してたりする。日によって違うから、撮影するときも、いつ調子がよくなるか分からないんだ。ゴムバンドでエクササイズなんかも始めて、膝を強くしようとはしてるよ。でもだんだんイライラしてくるから、あんまり長い間はエクササイズできない。すごい調子がいいと感じる日もあるよ。バックサイドの360を覚えたときは最高だった。でもオーリーすらできない日なんかもあるんだ。
スケートをキャリアとして考えるのはやめようと思ったことはある?
うん、そうだね。(笑)考えたことあるよ。膝がマジでやっかいだし、俺は医者も嫌いだからね。(NYには西海岸みたいに)「スケート・ドクター」がいないんだ。カリフォルニアにはスケートのトレーナーやスケートの外科医、医者がいるけど。こっちにいるのは自分が何の話をしているのかも分かってないようなおっさんさ。
俺が診て欲しい、良いって分かってる医者たちは、俺の保険を受け付けてくれないんだ。でも俺は保険に月々300ドル(約3万円)を払ってるんだよ。前に俺の膝を診てくれた医者はあんまり良くなかったと思うんだよね。90歳のじいさんだったし。だからそもそも最初から間違ってたような気がする。もし健康な状態でスケートできたら、それで完了なんだけどね。そしたら、中途半端なところで満足しなくてもよくなる。自分のSTATIC 4のパートを見たときは、「ちくしょう、もっと本当はできるのに」って思ったよ。
wallie / photo: sean cronan
酒を飲んだら顔が赤くなるほう?
ていうか、何をしても顔が赤くなるよ。何でなのか分からない。スケートすれば顔が赤くなるし、飲んでも赤くなる。セックスしても赤くなるし、ブロンズ色のTシャツ来ても顔が赤くなるんだ。わけ分かんないよ。
だから健康食品の店にいって、「ねぇ、俺の顔めちゃめちゃ赤いだろ、どうしたらいい?」って聞いてみたんだ。そしたら店の人から「アロエを買ってそれを毎晩顔に塗りな。少なくとも1ヶ月続けろ」って言われた。それで先週から始めてるんだけど、マジで唾を塗りたくってるような感じがするよ。恐竜の唾液みたいで最悪さ。めちゃくちゃ気持ち悪い。でも毎晩顔に塗ってるけどね。確かに効いてるみたいだし。切り傷や痣にも塗ってる。ドープだよ。
君って健康オタクなの?プロバイオティクスのドリンクや昆布茶を飲んでるの見たことあるけど。
ちょっとね。でも最近いろんなことを止めてみたんだ。違いを感じるかどうか見てみようと思ってね。で、なんだか同じで変わらない気がした。毎日緑のビタミンドリンクを飲んだり、フィッシュオイルやグルコサミン、フレッシュココナッツとかを採ってたんだけど、しばらく金欠のときがあって、そのへんを飲むのを止めてたんだけど、別に何も変わらないことに気がついたんだ。ビタミンを採って、それが健康にいいと思っていれば、健康に感じるもんなんだよ。もしマクドナルドを食ってても、ハッピーでネガティブなことを考えずにポジティブでいれば、全く同じように健康に感じると思うんだ。
しばらくは不安だったけどね。もしフィッシュオイルを採るのを忘れたら、一日をダメにしてしまうんじゃないかってね。でもそれから1ヶ月採らずにいて、そもそも俺には必要じゃなかったってことに気がついたんだ。膝を悪くしてからは、そういうメンタル的なことを実践してきたよ。膝のことは考えないようにして、大丈夫だって自分に言い聞かせるんだ。そうすると大抵は一日中大丈夫だよ。でも膝をひねっちゃったり、ちょっとでも痛みを感じたりすると、急に不安になって、あと数年で歩けなくなるんじゃないかって思ってしまう。浮き沈みが激しいんだ。


君の両親はどういう人たちなの?
両親のことはちょっと大変なんだ。正直、両親について話すのは好きじゃない。俺の母さんは精神病で、俺の親父はベトナム帰還兵だ。親父は糖尿病だし、13回も膝の手術してる。でも毎日起きて、自分のやることをやってるけどね。全体として親父はいい親だよ。親父からは「これをやったらダメだ」とかは一度も言われなかったけど、それにしては俺は素直に育ったと思う。悪いこととかやらないからね。母さんは月に一回病院に行って、電気ショック療法を受けてるんだけど、かなりハンパないよ。俺が家にいないで、常に外でスケートしてる理由の一つだね。俺は自分で何でも学んできた。すごく自立してるよ。兄貴がいるんだけど、33歳で一日中ビデオゲームしてる。別に仲は悪くないけどね。兄貴はチルってるだけさ。家にいないで、家のことは考えないようにしてるけど、難しいね。
お母さんの手助けとかしてる?
親父が母さんを月に一回、療養のために車で病院に送ってる。なんだろう、母さんはゆっくりしてて、たくさん薬を採ってる。時々、母さんは心ここにあらずみたいな感じになってる時がある。ハッピーそうだけど、会話が成立しない時があるんだ。もちろん、俺が母さんの息子で、俺が母さんを愛してるってことは理解できてるよ。
photo: sean cronan
自分がスケートを始めたのって、そういう大変な家庭環境からの抜け道だったからってとこある?
家庭の状況が、当時スケートを始めた理由なのかどうか分からないけど、振り返ってみると、そう思えるね。小さいころ、12、3歳のころは毎日一人で街に出てた。クイーンズってなかなか抜け出せないよ。俺はクイーンズに住んでたけど、基本的に街で育った。クイーンズにいたままだと、あまり生産的にはなれないと思う。
かなり自由な感じで育ってきたわりには、あまりトラブルにも巻き込まれずに済んでるね。
そうだね。自分でも不思議だよ。何かで罰を与えられたりしたこともないし、何かをするなって言われたこともない。正直言うと、宿題だって一度もやったことなんてないよ。だって、誰も俺に宿題を済ませろって言う人がいなかったんだからね。学校でも特に指導とかなかったから、成績はひどかったね。勉強する必要がなかったんだ。それでも75点、C+とかで卒業したよ。テストはたくさん落ちたけど。(笑)でも毎日授業には出てたから、先生たちからは好かれてたんだ。俺は問題児じゃなかったからね。
でも俺が好きだった先生は、たぶん刑務所に行くことになったと思う。彼はどの生徒とも仲が良くて、一番しっかりした人だったんだけど、生徒2人と3Pしてるのを発見されちゃったんだ。生徒の一人は女の子で、もう一人は男だった。二人とも17歳でね。先生はバイセクシャルだったと思う。実際に彼が刑務所に行ったのかどうかは知らないけど、間違いなくクビにはなったよね。でも彼は一番いい先生だったよ。彼からたくさんのことを学んだ。

自分がドラッグに手を出したり、グレなかったのは不思議だよ。両親ががんばって良い方に導こうとしてるのに、グレちまった奴をたくさん知ってる。俺はいつもいい子だったな。何でなのか分からないけど。正直言うと、昔はビビりだった。悪いこととかやりたくなかったし、俺はただスケートして自分のことをやりたいだけだったね。



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