2014年1月27日月曜日

Josh Kalis Interview by JENKEM


JENLEMに掲載されているJosh Kalisのインタビューです。

今回も熱いっす。美学があるって大事だなと思います。

元記事:
http://www.jenkemmag.com/home/2014/01/06/the-josh-kalis-interview/
JENKEM:
http://www.jenkemmag.com/

photo courtesy of DC

ジョシュ・ケイリスと、俺が今までインタビューしてきた他のスケーターたちが違うところは、ジョシュは実際に(スケートのことを)気にかけているところだ。自身のキャリアやスポンサーについてだけではなく、彼はスケートボーディングとそのカルチャーについてのより大きな視点を持っている。カリフォルニアあたりのエリートだけが滑れるプライベートパークでしかスケートしないような他のプロスケーターと違って、ジョシュはJKwonプラザに毎週日曜日にやってきて、誰とでも、みんなとスケートしている。彼をインタビューするのは、その辺のスポットにいるスケートが大好きな奴と話をしているのに近い。ジョークを飛ばしあったり、いろいろな噂話やスケート話に夢中になったり。もしスケートにポリティカルなシステムがあったとして、君や俺みたいなやつが誰かに投票して、スケートボーディングの世界で俺たちの声を代表してもらうとしたら、俺はジョシュに一票入れるだろう。


2年かそこらで入れ替わるプロスケーターの世界で、君は15年以上ものキャリアを保ち、トレンドや景気の上下に左右されずに生き残っているよね。どうやったらそんなに長い間プロスケーターでいられるの?

俺はただ好きなだけだよ。スケートするのが大好きなんだ。俺が唯一スケートやプロスケーターの世界に関わりたくないなと思う時ってのは、それが退屈で、JKwonやEMB、Love Parkみたいなスポットも無く、カルチャーが無くなってるような時だけだよ。もし自分がスケートカルチャーに属せなくなったら、それは俺がもう関心を持てなくなったってことで、最悪な時さ。前からずっと言ってきてることだけど、一度スケートで金をもらったら、好き嫌いに関わらず、その瞬間にスケートは仕事になる。俺はスケートを自分のキャリアにすることを選んだ。そこに対しては真摯でいないといけない。俺は自分ができる限りのベストを、できる限り長い間やらなくちゃならないんだ。スケートは常に自由や自己表現、楽しさ、ルールに縛られないことなんかを表すものだけど、金を受け取るようになったら、そこには責任が生まれるんだ。たとえ金をもらっていても、好き勝手にやってていいんだって思ってる奴らもいるけどね。でも現実としては、たとえば法廷で人々を代表して、それでお金をもらってるようなことと、なんら変わらないんだよ。わかる?俺はそういう風に考えてるよ。

スケート業界に入りたがっている友達たちにはいつも言うんだけど、もしその扉が開いたなら、自分でプッシュして入っていかなくちゃならない。だって誰も君を引き入れてなんてくれないんだからね。毎日俺は見てるよ。キッズたちはフローになったり、月に何百ドルとかお金をもらい始めたりしても、何もしないんだ。ただ待つだけ。フォトグラファーやフィルマーを待って待って、待ち続ける。そして気づいたら7年とか経ってて、まだフローのままだ。自分でプッシュし続けないとダメなんだよ。俺は今37歳で、プロボード、プロシューズ、プロウィールを出して、すべてやり尽くしたように思えるけど、実際はまだ扉は開き続けてる。俺はリタイアなんてできないよ。まだまだプッシュするものがあるし、使うべきリソースや、手助けするべき人たちがいる。俺には前に進む以外に道はないんだ。

photo: mike blabac

君は今はDGKのライダーだけど、今まで自分のボードブランドを始めようとか思ったことってある?

わかんない。一度も自分のボードブランドを持ったことがないから間違ってるかもしれないけど、今は(ボードブランドにとっては)かなり大変な時期なんじゃないかな。そんなに儲かるとは思えないんだ。eBayでボード100枚が10ドルで落とせたりするんだぜ?俺が見る限り、板とかのハードグッズで金を稼ぐのは相当大変だよ。考えても見てよ、俺がスケートを始めた1987年とか88年のころ、板の値段は50ドルだった。今も板の値段は50ドルだけど、他のすべての費用が上がってる。でもだからと言って、1週間くらいしか板がもたないのに、どうやって(板の値段を上げて)キッズたちから金をもっと取れっていうんだ?

だから会社はTシャツやスウェット、パンツとかのソフトグッズを売ってお金を稼いでるんだよね。

そうだね。でもそこでも軋轢があるんだけど、もしスケーターが別でアパレルブランドと契約してたら、そのスケーターはスケートのハードグッズブランドの服は着ちゃいけなかったりするんだ。かなり謎なことが起こってる。だからコンテストとかで上位に入るようなスケーターは、(違うブランドの)ロゴがふたつ付いてる服を着てたりするんだよ。あるスニーカーの会社なんか、契約で板にそのスニーカーブランドのステッカーを貼らなくちゃいけなかったりするんだけど、それやっちゃうと板のグラフィックが見えなくなるから、今度はボードブランドが困ることになる。わかんないけど、最近はすごく変な、情け容赦ない状況だよ。

全体として、ここ2年くらいでプロボードのセールスって世界的に落ちてきてると思う?

そうだと思うよ。間違いなく。2000年は月に6000本くらい俺の板が売れてたのに、2004年までには1000本にまで減ってたからね。これってプロスケーターの名前が通用しなくなったとか、そういうことじゃなくて、単純にプロボードってのが以前のようには売れなくなったんだよ。今はショップボード、ブランクボード、eBayボードとか色々あるからね。ショップのオーナーにとっても変な感じだよ。だって俺はたくさんのショップとも友達だからさ、ショップに行ってキッズたちにプロボードを買うように説教することなんて、俺にはできないよ。そんなクソ野郎にはなれない。

でも将来プロになりたいっていうキッズに対しては、「もし今君がスケート業界をサポートするなら、君がプロになる頃になっても業界は残っているだろう。でももし今サポートしなければ、君がプロになる年頃には業界はなくなってるよ」って言うよ。(ロブ)デューデックは10年前に、将来プロスケーターって存在はいなくなるだろうって話してた。10人くらいのプロが、すべてを支配してる大企業の傘下ブランドのライダーとして存在しているだけだろうってね。彼の考えでは、10人くらいのメジャーなプロが大金を稼いで、残りの奴らはただ楽しみのために滑ってるか、僅かな金を稼いでるくらいだろうってことだった。俺はそれを聞いて、そんなことは起こらないよって思ってる半面、たったここ5年での大きな変化ってのも見てきてるからね・・・

scan courtesy of chromeball

まだ君がスケートでお金を稼ぐようになる前、君はMortal Kombat(2D格闘ゲーム)で賭けゲームをやってたって言ってたけど、どのくらいのお金を賭けてたの?他に毎日の生活を支えるためにやってた事についても教えて。

1ゲームにつき10ドルから40ドル賭けてたね。だいたいいつもセブンイレブンでプレイして、大きなゲームのときはモールに行ってた。負けた奴が金を払いたくないからって、俺に銃を向けてきたなんてこともあったよ。



あと、セブンイレブンは午後の2時に、あの一日中ぐるぐる回ってるホットドッグを交換するから、その時間に行ってたね。ホットドッグを新しいのと交換して古いのを捨てるから、その捨てるやつをもらってたんだ。他にはCountry Fried Chickenっていうチキン食べ放題のスポットがレストランの裏にあってさ、誰かが食い終わったら、テーブルに皿がそのまま残るだろ?その皿を使ってフロントまで行って「ポテトが気に入らなかったから新しい皿に変えていいか?」って聞いてさ、新しい皿をゲットして食いまくってたよ。

でも色々やってた中でもベストのやつは、アントってやつがいてさ、今じゃ彼は親友だよ。そいつはフルタイムの仕事をしてたんだけど、俺らは毎週金曜日にそいつの給料を勝手に取りに行って、その金をアントに渡さなかったりしてたね。アントは今じゃファミリーだよ。俺らはもうみんな大人になったからさ、今じゃそういう馬鹿なこととかは笑い話さ。でもアントが俺たちと一緒につるみたがってたんだからさ、まぁそうなるよって話だよね。

別のインタビューで、君が初めてサンフランシスコに来たとき、EMBに行ったらローカルの奴らが超感じ悪かったって言ってたよね?君にはそういう風に見えて、そしてそうあるべきだとも言ってたね。どうしてそういうことって大事なことだと思うの?

正直にいうと、たぶん環境のせいだと思う。俺は他人から受け入れられるためには何かをしないといけない時代で育ったからね。今の時代はもうそういう必要はないけど。でも俺はそういう風に育って、それが俺の知ってることだった。キッズたちは何かをして、自分でリスペクトを勝ち取らないといけなかったんだ。でも今でもそういう考え方をしていたら、ちょっと嫌な奴になっちゃうけどね。俺は今でも、カルフォルニアのカールスバッドで、どこかに行くときに誘われなかったりすることもあり得るよ。俺がそういう嫌な奴になる可能性があるからね。(笑)(昔と今では)違う世界だよ。俺がEMBやLovePark、Pulaskiパークとかのスポットに行ったとき、俺は自分のやるべきことをやって、リスペクトを得る必要があった。じゃないと俺は板を盗まれて終わってたと思うよ。奴らにカツアゲされてた可能性もあったけど、やり方を間違えずに自分のために立ち上がっていれば、認められるっていう感じだったね。


AVEとDillがMikey(Taylor)をAlien Workshopから追い出したあとで、彼らまで出て行ってしまったね。ムチャクチャだなって思う?

正直思うね。実際わけわかんないよ。そもそもDillとAVEがエイリアンを抜けたってことが考えられない。俺は今でもエイリアンのことを愛してる。彼らとは長いこと一緒だったからね。Carter(Alien Workshop創始者)は俺にとって親父みたいなもんだし、デューデックは俺にとってメンターみたいなもんだよ。何があっても、俺はエイリアンのことが本当に好きなんだ。エイリアンが進んでいた方向も、どこに行こうとしていたのかも知ってる。俺がエイリアンを辞めたとき、DillとAVEは自分たちの友達をチームに入れ始めた。Kevin(Terpening)とかね。DillとAVEがMikey TaylorやデューデックのMeatyのグラフィックの板とかについて、どういう風に思っていたのかも知ってる。

でもさ、ハードグッズのカンパニーはマジで大変だってさっき言っただろ?よく考えてみればわかるけどさ、エイリアンがライダーたちに払ってる給料はものすごい額のはずだよ。エイリアンとハビタット(兄弟ブランド)は特にそうさ。でもソフトグッズの売り上げがいいってわけでもない。どこに行ってもエイリアンの服を着てる奴を見かける、なんてことないだろ?だから俺個人としては、Meatyボードとかそういうものに対してムカついたりとかはなかったよ。だってそういうのが売れまくれば、それでプロたちに給料を払えるんだからね。問題ないよ。

俺がAlien Workshopを辞めたのは、自分の発言権がなくなったからさ。AVEやDillとかあいつらは発言権を持ってたけど、俺は自分ひとりの世界だった。それが今じゃあいつらが辞めただって?発言権を持つために?俺からしたら「お前らマジかよ」って感じだよ。しかもGrant(Taylor)まで抜けたんだって?マジで最悪だし、悲しくなる。ロブ(デューデック)は俺の友達だし、こういうライダーがどんどん抜けてくってことが、どれほどカンパニーにとってダメージになるかも分かってる。俺は個人的に、Carterや他のみんなに同情するよ。
          
ほんと信じられないよ。Mikeyがやられたみたいに俺もAVEとDillに辞めさせられた、とは言わないけど、まあほぼ同じようなもんさ。俺は奴らから直接面と向かって辞めろとか言われたわけじゃないけどね。で、今は奴らも辞めちまった。やりきれないよ。TransworldのCinematographer Projectのエイリアンのパートを観たけど、超ヤバかったよ。時々観るんだけど、かっこよすぎて感情的になる。でも、俺がそこにハマらないってことも分かるんだ。それでも俺はAlien Workshopが好きだし、彼らには成功して欲しい。だからエイリアンが崩壊していくのを見るのはマジできついよ。Gilbert(Crockett)には残ってほしいな。あいつはマジでかっこいいよ。Jake(Johnson)も好きだし、(Tyler)Bledsoeもだね。Bledsoeは今はもう体の調子もいいと思う。

たぶん今はただ、そういう大変な時期なんだろうね。Alien Workshopはまたオーナーシップが一部変わったけど、それはいいことだと思う?(訳注:財政上の問題で、Alienは2008年にBurtonに身売りしたが、2012年に初期からのライダーであるRob Dyrdek がBurtonから買い戻した経緯がある)

正直に本当のことを話すけど、ロブは真剣にエイリアンをあるべき姿に保つために努力してたんだ。プロライダーたちにも発言権を与えて、みんなで正しい方向に進もうとしてた。でもロブはAlien Workshopをキープするために破産しそうになってたんだよ。これはみんなが知らないことだけどね。俺から見た印象だと、彼は自分のポケットマネーで全ての支払いをしていた。他のすべてのものから得ている収入よりも、エイリアンのために支払っているお金のほうが多かったんだ。相当きつかったみたいだよ。だからロブは何かしなくちゃならなかった。エイリアンを存続させるために何百万ドルって金を失ってた。ロブはそれを、元々のエイリアンのオーナーたちや、抱えているプロたち、俺たち全員のためにやってたんだ。単純に大変すぎたよ。今は、エイリアンのオーナーシップは別の会社と半々になってる。この別の新しい会社はチャドってやつが社長で、彼はジェイミー・トーマスの会社Black Box(Zero、Mystery、Fallen Footwearなど)を築き上げる手助けをした男だ。だから良くなっていくと思うよ。
kalis at jkwon plaza / photo: daisuke takahashi

エナジー・ドリンクの会社から契約のオファーが来てたって聞いたけど、どうして断ったの?かなりいい給料をもらえるはずだったと思うけど?

それはサインをすれば成立するってくらいまで話が行ってたわけじゃなくて、ちょっとそういう話があったってだけだよ。契約の話を続けるかどうかは、半分は俺次第、もう半分は向こう次第ってとこだった。でも俺はそういう会社と契約したくなかったんだ。あるサイン会の会場でさ、テーブルの上にエナジードリンクが所狭しと並べられてて、キッズたちがそれを手に取って飲んでるのを見たんだ。自分の娘がこういう飲み物を飲んでもいいと思うかって?絶対ダメだ。間違ってもない。入ってるカフェインとか、それが何なのかも分からないような色んなもんのことを考えてみろよ。自分の子供にあげられないようなものに、自分の名前は使わせられない。だから電話をかけ直さなかったし、向こうからもかかってこなかった。だから(契約しなかったのは)お互いにとって良かったと思うよ。でも確かにそういう契約のチャンスはあった。ただ俺はそれに乗っかりたくなかったんだ。

君みたいに長く健康なキャリアを持つために、これからのスケーターたちにアドバイスとかってある?

ほとんどの人が理解していないのは、トリックについてだね。単純にトリックだけじゃ、キャリアは長続きしないよ。パーソナリティ、ライフスタイル、カルチャー、そういうスケートカルチャーを生き、リスペクトしてるスケーターだけが長く続けることができる。そういうスケーターなら、何もクレイジーなトリックをやらなくても、板は売れるしシューズも売れる。なぜなら彼らはスケートボードに生きて、スケートボードを呼吸しているからなんだ。Gino(Ianuucci)とかがそうだね。何でもいいから、彼がやりたいことをやってビデオパートを作ってくれたら、それだけで最高さ。

若いキッズたちはそういうことに気づいてなくて、Nyjah(Huston)やShane O’Neillがどんだけ難しいトリックを更新してくれるかってことを見たがってる。別にNyjahやShaneのことを悪く言おうとしてるわけじゃないよ。ただ彼らはトリックに関してマジでヤバいから名前を出しただけさ。今から10年も経てば、今の若いヤバいプロたちの中で、どいつらがアイコン的存在になっているのかを知ることができるだろう。誰が40歳になってもまだプロでい続けているかをね。そういう奴らはきっと、個性やライフスタイルを持っていて、スケートカルチャーを生きている奴らさ。(Marc)Suciuとかね。Suciuのことも、Ishodのことも俺は個人的に知らないけど、この二人はずっとプロでい続けると思うよ。



もう一つの要素としては、一度にやりすぎるなってことだね。ほとんどの人はどういう風に、ビデオパートを残していけばいいかってことを理解していない。たった一つのビデオパートのためだけに、自分の全てを賭けて自殺行為をするなってこと。それから先も(キャリアは)何年もあるんだぜ?うまく分散させないと、パートを追いかけ続けることになるよ。クレイジーにスケートするんじゃなくて、賢くスケートして、どういうトリックをやるのかを、ある意味戦略的に考えるんだ。あんまり早く自分が持ってるものを出し切っちゃうと、4年くらいで君のパートは下り坂になっていくよ。今までもクソヤバい奴らは登場してきたけど、4年間のうちに3回膝の手術をしたりして、それっきりさ。ものすごいパートを残す奴らっているけどさ、それから5年間次のパートが作れないなんてことになっちゃダメだよ。俺的に、そういうのは賢くない。

スケートって時代によって色々あるけど、今の時代(2010~2015年)はどういう時代だったって将来言われると思う?

うーんどうだろう?今は色んな事が起きてるからね。トラニー(パーク、プール系スケート)の人気が復活してすごい勢いだし。すごくいい質問だね。今の時代が将来どういう時代だったって言われるか?「Hodgepodge(ごちゃ混ぜ)」かな。(笑)最初に頭に浮かんだのはこの言葉だね。二つ目は、「Survival of the Fittest(適者生存)」。昔からのプロにとっても、新しいプロにとっても、アマチュアにとっても、みんなに厳しい時代だよ。今これからプロになろうってキッズはかわいそうだね。むちゃくちゃ大変だよ。


Mobb Deep "Survival Of the Fittest" Remix


2014年1月13日月曜日

Alex Olson Interview by JENKEM


JENKEMに掲載されてたアレックス・オルソンのインタビューです。
リクエストあったので訳しました。

どうしてガールを辞めたのか、さらにどうしてブライアン・アンダーソンの3Dまで始まる前に辞めてしまったのか、そして自身で立ち上げるという新ブランドについて話してます。

なかなか面白いです。けっこう共感できます

彼のゲイ疑惑ははっきりしませんが、ブライアン・アンダーソンは確定っぽい気がします。


元記事↓

JENKEM↓


アレックス・オルソンが3D Skateboardsを辞めると聞いたときは、クソ野郎だと思った。2か月前に彼はGirl Skateboardsを辞め、ブライアン・アンダーソンの立ち上げた新しいカンパニー、3D Skateboardsに加入したばかりだった。そして今、3Dの最初のボードもリリースされないうちに、3Dも辞めてしまった。これはインスタグラム上で騒ぎを起こして楽しんでいるだけなのか、それとも何かの変なドッキリなのか。Alexに電話で話し、物事の真相を聞くことができた。

5月に君はガールを辞めたよね。辞める時はうまくいった?

いや、あんまり。ていうか、誰だって他の人からダサいとか言われたくないだろ。別に俺がマジで「お前らダサいんだよ!」なんて言ったわけじゃないけど、俺は彼らに自分が感じていることを正直に伝えたんだ。言われたほうにしたら、そういうのを受け入れるのは難しいよ。彼女から別れ話をされて、その理由を聞かされてるようなもんさ。最悪に決まってるじゃん。彼らにその話をするのはマジでキツかったよ。だって、彼らが俺のことを信じてくれて、いろいろと手助けしてくれたおかげで今の俺があるんだからね。

どうして辞めたかったの?

俺が小さい頃から見てきたスケーターたちは、もう既にガールのライダーじゃなかったり、スケートをしてなかった。ジノ、スコット・ジョンストン、ブライアン・アンダーソンとかね。彼らは単純に年を取ってしまったし、俺は年齢的にチームの真ん中にいて、自分と同じ年頃のライダーがいなかった。他のライダーはみんな俺よりもだいぶ若いし、チームの中で自分がまるで態度の悪い厄介者のように思えたんだ。若いやつらは最近酒を覚え始めたばかりでさ、俺もそれに付き合ったりしたけど、なんだか立場的に微妙な感じになっていったんだ。「Pretty Sweet」の扱われ方も好きになれなかったし。まあ、それはそれだけど。彼らはああいう風にする以外、他に選択肢はなかったしね。タイ(エヴァンス)はフッテージを人質にとって、彼らがフッテージで何かやろうとするのを妨げていたみたいで、どうにもならない感じになってた。ある意味かなり強引なやり方だったよ。彼らの責任じゃないけどね。俺は別に悪口を言おうとしてるわけじゃなくて、単純に出来上がったものが「製品」っぽいんだよね。(Pretty Sweetに)参加できて有難いとは思ってるよ。キッズたちはこういうビデオを観て、そしてキッズたちの人生が変わるんだからね。そういう面からみると、Pretty Sweetみたいなプロジェクトに参加できたのは素晴らしいことだよ。俺らが子供のころに観たパウエルのビデオや、アニマル・チンみたいなもんさ。

ガールのチームでは、誰と一番つるんでたの?

ブライアン(アンダーソン)だね。だからブライアンがガールを辞めるって言ったとき、俺が残る理由はもうないな、って思ったんだ。俺がかっこいいと思う人はブライアンと、あとマイク(キャロル)くらいだった。マイクはアートや音楽に興味を持って楽しむことができる人で、そういうことにオープンだったけど、他のライダーはそういうのに興味がなかったり、オープンじゃなかった。



でもせっかくブライアン・アンダーソンと一緒にガールを辞めて、彼の新しいカンパニー3D Skateboardsのライダーになることになっていたのに、それもまた辞めちゃったね。

オーケー、3Dについては、Pretty Sweetの撮影をしているときから話してたことで、もし新しい会社を立ち上げるならっていうアイデアを出し合って楽しんでたんだ。それから1年が過ぎて、ブライアンから自分の会社を立ち上げるからライダーになってほしいって話を聞かされたんだ。それで俺は「もちろん!君がガールを辞めるんなら、俺は君のライダーになるよ。君は俺がガールに乗ってる理由の一つなんだから」って言ったんだ。そしてブライアンは会社を立ち上げ、俺はただ彼を信じるだけだった。彼のビジョンとか、クエイティブの方向性とか全部をね。

で、長い話を短くまとめると、3Dはなんだかガールと同じように見えたんだ。俺としては、Palaceがやってるようなことをやりたいって考えてた。そっちのほうがかっこよく思えたんだ。俺たちは別のビジョンを持ってたんだよ。ブライアンは安定した何かを求めていて、俺は何か実験的なことがしたかった。それで俺はブライアンに、「君は自分のやりたいことをやって、俺はそのお蔭で生活できるって感じだけど、俺もそうしたいんだ。俺も自分のカンパニーを始めたい」って言ったんだ。ブライアンは俺の親友だから、「迷惑をかけたくないから、辞めるなら今のほうがいいと思う。2シーズンとか経って俺が3Dに深く関わり過ぎてしまう前に」ってことも話した。俺はもうちょっと変わった感じのものが欲しかったんだ。個人的に、スケートは今すごく代わり映えしないものに感じる。だから小さなボードカンパニーが生まれている、今の流れはとてもいいと思うよ。

もしPalaceのチームから誘われたらどうする?それとも自分で一から全部を始めようとしてるの?

全部一から始めようとしてる。もう基本的に動き始めてるよ。おかげでモチベーションも取り戻したしね。だからガールを辞めたってところもあるんだ。Pretty Sweetが終わってから、全然滑らなくなってた。5ヵ月くらい板に触れさえしなかったよ。だから何か新しいことを始めれば、モチベーションが上がってスケートしたくなるだろうって思ったんだ。James Murphy(LCD Sound System)のビデオをたくさん観てたんだけど、彼はツアーだったり一度ついてしまった自分のイメージだったりが嫌になってしまって、自分の人生を取り戻すためにバンドを辞めたんだけど、俺も似たような感じだなって思った。だからそれからも少し影響を受けてるね。俺は何かクリエイティブなことがしたいんだ。スケートの外からの影響をスケートに持ち込んだり、スケートをまた別の何かに持ち込んだりしたい。同じような焼き直しの曲やダンスにはちょっと嫌気がさしてたし、俺はPalaceのビデオが好きなんだよね。俺の好きなスケートを表現してるんだ。Polarもだね。超難しいことをやろうとするんじゃなくて、もっとリアルなスケートなんだ。

たしかに。

ひとつのトリックをメイクするのに7日かかって、やっとメイクったと思ったら、同じような難しいトリックをあと15個やんないといけない、とかじゃなくてね。もしかしたら俺が怠け者なだけなのかもしれないけど、Mouse(1997年のGirlのビデオ。クラシック)のアップデート版みたいなのを観たいんだ。それだと進歩にならないっていうのも分かってるけど、俺はただノーマルな良いスケートが見たいだけなんだ。どういうラインかに関係なく、AVE(Anthony Van Engelen)がラインをやってるのを見るほうが好きだ。Crailtap(Girl、Choco、Lakaiのこと)が小さなビデオを出すときは、君はアガると思うんだ。単純にスケートだからね。死ぬほど難しいこととかをやるわけじゃないから、身近に感じることができる。今のスケートってのは奇妙だよ。みんな「俺はメイクするためにこんなに頑張ったぞ!見てくれ!」みたいなメンタリティなんだよ。そしてそれが進歩で、それもいいけどさ、俺はスケートして楽しんで、そしてそういう楽しいところを見せたいんだ。今のスケートからは音楽やクリエイティビティの側面がどこかに行ってしまっていて、みんな「一番売れているもの」の焼き直しばかりだよ。たとえばマリファナの葉をのせれば物が売れるから、みんな作ってるんだ。アメリカや企業ってのはそういうもんさ。「iPodが売れてるらしいな、俺たちもMP3プレーヤーを作らないと」ってね。

5パネルのキャップやバケットハットとかもそうだね。

その通りだよ。「あいつら上手いこと稼いでるな、俺らもやろう」って感じさ。俺はそういうのが嫌なんだ。マジでそういうのから離れたい。俺はレコードをたくさん買うんだけど、たくさんのDJがディスコソングをリミックスしててさ、そのリミックス曲のホワイトレーベルのレコードが200枚しか出てなかったりするんだよ。リエディットものってマジで見つけるの大変なんだけど、そういう限定の、手に入る時にしか手に入らないものに魅かれるんだ。それがけっこう大事な部分だったりする。クオリティの高いものを作るんだ。そしてもしすごく売れるTシャツがあったとしても、同じTシャツの色違いを5つも作ったりなんてことはしない。そういうのは好きじゃないんだ。正直イラッとくる。クオリティの低いTシャツで経費を最小限に抑えて、最大限に儲けよう…みたいなメンタリティは今じゃマジで馬鹿だよ。俺からしたらさ、どうしてプレミアムなものを作らないんだろう?って思うんだ。クオリティが高ければみんな買うだろうし、いいものだって分かってるんだから、次もまた買うと思うんだ。



バイナルのレコードの売れ方を見て、俺はそう思ったんだ。もちろん大きな市場じゃないけど、俺は別に大企業になりたいわけじゃないし、売上とかも気にしない。俺が気にするのはかっこいいものを作るってことで、それで会社を維持することができたらそれでいいよ。面白いビデオを作りたい。もしナイキからパートを作るように言われたら、全力で気合入れたパートを作るよ。でもその一方で、よりクリエイティブなものにもしたい。安っぽいありきたりな風に聞こえるかもしれないけど、今俺がスケート界に感じているのはこんなところかな。音楽はスケートの世界で失われたものの中でも大きいよ。俺はそれを取り戻したい。今じゃ音楽とスケートって全然リンクしてないだろ。悲しいよ。

俺は若いキッズに音楽を紹介することができる。キッズたちはただ単にShazamを使って音楽を探す、なんてことはできないんだ。俺は音楽のそういうところも好きなんだ。これは若い奴らに音楽のジャンルを紹介するようなものなんだよ。ベタな言い方だけど、深いところでは、それが俺のアイデアなんだ。たとえばPalaceはセオ・パリッシュのようなバイブスを持ってる。俺はDJハーヴェイみたいなバイブスが欲しい。なんだかPalaceからかなり影響されてる感じだけど、俺と彼らはだいたい同じ年代で、だいたい同じような音楽が好きなんだよ。

君の会社を立ち上げるのに、手助けしてくれる人はいるの?

財政的なこととかを手助けしてくれる友達がいるよ。クリエイティブな部分は俺がソロでやる感じ。もしキッズたちが自分たちのやってることとかを俺に送ってくれて、俺がそれを気に入れば、キッズたちはそのバイブスを感じるし、俺も最高さ。ていうか、これって基本的にPalaceのパクリだね。(笑)残念ながら。Lev(Palaceの創始者)には、彼からインスピレーションを受けて、自分の会社を始めようと思ったってことをちゃんと話したよ。あとPolarもだね。他の人の気に障るようなことはしたくないからさ。

新しい会社の名前とかって決まってるの?White Labelとかってどう?

それ俺も思いついたんだけど、ちょっとそれだとBlack Labelに似すぎなんだよね。名前を考えるのってマジで超大変だよ。でも同時に名前なんて大したことないんだけどね。何にせよその周りのものがブランドのアイデンティティを作っていくわけだから。イメージが先に来て、名前はほとんど二の次になる。


別のインタビューで、スケートに一時期飽き飽きしていたけど、自分のブログのおかげでやる気を失わずにすんだって言ってるのをみたけど、どういうことなの?

自分のことを気にしてくれてるってわけじゃないけど、何かしら興味を持ってくれてる人がいるってことに気が付いたってことかな、たぶん。その頃ってのはちょうどVansのライダーになったばかりの頃で、ニューメキシコへのツアーがあったんだ。そのツアーにはDaniel Lutheranもいたんだけど、どうやら俺は彼に対して嫌味な感じだったみたいなんだ。ニューメキシコって何もやることないからさ、感じ悪くなっちゃったんだ。俺は嫌なクソガキだったんだよ。

そのツアーから戻ったら、Vansのクリエイティブ・ディレクターから電話がきて「おい、一体何だっていうんだ?お前全然ツアーに乗り気じゃなかったらしいじゃないか。いいか、これはチャンスなんだ・・・」とかなんとか言われたんだ。その電話でヤラレちゃってさ、もし明日Vansをクビになったとしたら、俺はどこに行けばいいんだろう?トレードとかも何もない。自分の拠り所を持つには何をしたらいいだろう?って考えだんだ。それで写真を撮り始めて、ブログを始めてキッズたちからの質問に答えるようになって、そこでキッズたちから励まされたんだ。実際に俺のことを気にかけてくれるキッズたちがいるんだよ。そこから、俺はこれに背を向けちゃいけないってことに気付いたんだ。その頃の俺は、スケートがもうクリエイティブなものじゃなくなってしまったってイラついててさ、でもまだ23歳で、ちょうど大人になり始めの時期だったんだよね。

同じインタビューで、スケート業界のこともずっと気に入らなかったって言ってたけど、特にどういうものが気に入らないの?

すごくコントロールされてる感じとかが嫌だね。わかる?たぶん俺は80年代とか90年代を美化しすぎてるんだろうけど、それにしても昔はみんなクリエイティブだったと思うんだ。でももしかしたら、今と別に変わらないのかもしれない。同じだって言う人も当然いると思う。俺はいつもLord Of The Flies(邦題:蠅の王。小説)を引き合いに出すんだけど、当時はキッズが業界を支配していて、誰も気にしてなかった。誰も金なんて稼いでなかったから、もっとクリエイティブだった。今は誰も選択肢を持ってない。選択肢を持っている人にとっては・・・

君は反抗的な奴らが好きなんだね。

その通り。今じゃもう誰も選択肢を持ってない。スケートコンテストに行けば、みんなドラッグでキマってるみたいに全員がハッピーだ。トムクルーズの嫁がロボットになっちゃう映画ってなんだっけ?Stepford Wivesだっけ?(訳注:ステップフォードという町に引っ越した主人公が、その町の住人の妻たちが皆、判で押したように完璧な妻であることに気付くところから始まるコメディ・ホラー)

「アレックスは甘やかされたクソガキだ。自分がどんなに素晴らしい会社を辞めたのか分かってない」みたいなコメントを読んで、悩んじゃったりする?

そういうコメントをしてくる奴らは俺のことを知らないのに、なんで俺のことを気にするんだろう?別にそういうコメントは全然気にならないよ。一度も会ったことがないんだから。もし俺のことをそれなりに長く知ってる人からそういうことを言われたら、もう少し影響されると思うけど。でも、全然分かってないのに俺のことを既に嫌ってる人もいる。たぶんジェラシーなのかな、それか、もし自分が同じチャンスを与えられていたら、もっと違うようにやってたのに、って思うからかなのかな。別にいいけどね。人それぞれ意見があっていい。たまにそういうコメント読むのって楽しいよ。

君のお父さん(Steve Olson)は、君の決断を応援してくれてる?そもそも彼に話した?

親父に3Dを辞めて、自分の会社を立ち上げるって話をしたとき、「おおいいじゃん、お前が何をやろうとも応援するぞ」って言ってくれたよ。親父は俺を110%応援してくれてる。もし俺が明日性転換の手術をするって言ったとしても、たぶん「それがお前のやりたいことなら、いいと思うよ」って言ってくれるよ。

君の新しいブランドで、お父さんにゲストアートとかやってもらう?

いや、ゲストアートの前にゲストパートだね。年取ったライダーのチームってのも考えてみたんだ。親父と、あとScott Oster。彼らに選択権はないよ。もうチームの一員さ。

他に新しいブランドのことで、話せることってある?

ブライアン・アンダーソンから、Fire Islandって本を買ってもらったんだけど、それが新しいブランドの雰囲気になるかな。人によってはトゥーマッチかもしれないけど。ざっくり言うと、Fire Islandっていうゲイのための大きな場所があって、そこに行けばゲイたちは自由にくつろげて、他人にゲイだってことを知られることを心配する必要もないんだ。それはLong Islandにあって、そこではゲイの人たちみんなオープンにゲイでいられるんだ。そして彼らは普通の仕事をして、誰にも彼らがゲイだってことを知られない。マジでクレイジーで、そして少し悲しい話だよ。彼らのほとんどはエイズが大流行したときに死んでしまったからね。クレイジーな時期の話なんだけど、俺はすごく興味があるんだ。

ってことは、君のカンパニーはすごくゲイな感じになるの?

すごいゲイな感じにはならないけど、同性愛差別と対極のものにはなるね。スケートの世界は完全に男の世界だけどさ、スケーターの中にもゲイは結構たくさんいるはずなんだ。ゲイだって知られてるプロが3人かそこらなんてことはあり得ないよ。だって一般に10人に1人はゲイだって言われてるんだぜ?今どのくらいの数のスケーターがいると思ってるんだ?将来スケーターの同窓会があったとして、みんな45歳くらいになっててさ、そこで「俺ゲイなんだ!」って言ってくれたらいいなと思うよ。

プロスケーターのキャリアの最中で、ゲイだって公に言うプロっていると思う?

わかんない。でも必要だよ。みんなが知るべき事のひとつだよ。(カミングアウトすることは)その人を強くするし、より多くの人にアピールできる。他のプロアスリートとかじゃカミングアウトする人たちがいるのに、スケーターには一人もいないなんて馬鹿げてるよ。(カミングアウトしても)悪いことなんて起きないし、スポンサーが付かなくなることもないし、チームを追い出されるなんてこともないよ。もしそんなことが起きたら、それはそいつらが逆に問題だよ。馬鹿な話さ。この業界はこんなに大きいのに、誰ひとりカミングアウトしてない。クレイジーだよ。

最後に、もうスケートなんて全部やめてしまおう、とか考えたことある?

そうだね。ていうか、だからクソくらえって言うんだよ。俺は自分のことをやる。もしそれが上手くいかなくても、俺は挑戦したし、自分ができるあらゆるスケートてのをやったし、スケートの全ての部分を見てきた。そして結局人は自分ができることしかできないんだよ。だから別にそんなに不安にもならないし、人生は続いていくし、スケート以外にも世の中には色んなものがあって、俺は他のことにも興味があるんだ。とは言っても俺はスケートを続けるけど、それは必ずしもスケートでお金を稼がないといけないってことじゃない。スケートは俺が生きていく上でやっていくもので、誤魔化したりウソをついたりする必要なんてない。もし明日スポンサー全部を失ったとしても、たぶん俺はスケートを続けるし、自分が作りたいものを作り続ける。人からサポートしてもらえれば有難いけど、してもらえなかったとしてもどうってことないよ。セラヴィ(フランスの慣用句で「人生なんてそんなもん」みたいな意味)さ。もしかしたらIn-N-Out(ハンバーガー屋)で将来働いているかもしれない。誰にも分からないよ。

2013年12月4日水曜日

Marc Johnson Interview by JENKEM

JENKEMに載っているMarc Johnsonのインタビューです。
長いけど、面白いので読んでみてください。

元記事↓

JENKEM:



このインタビューは、JENKEMが始まって以来の、一番長く、パーソナルで、そして最も誠実なインタビューだ。メールでやり取りをして、マークはこちらからの質問全てに、詳しく、正直に答えてくれた。まるで長年付き合ってきた友達に対するように。会社経営の経験、10以上のフルパート、20年以上のスケートボーディングを持つマークほどに、スケートのことを知っている人間はあまりいない。長いインタビューだが、あまり語られることのなかった色々な事を知ることができるだろう。

ブライアン・アンダーソンがGirlを辞め、ジェイソン・ディルとAVEがAlien Workshopを辞め、他のブランドもチームの再編が始まっているね。どうしてみんな急にこういう劇的な決断をし始めたんだと思う?こういうメジャーなチームの変化はスケートボーディング全体にどういう影響を及ぼすと思う?

どうして上に挙げたようなスケーターたちが「劇的な」決断をし始めたのかを、ストーリー形式で答えてみるね。それはこんな感じだ:

君は家を建てる大工だとしよう。誰かが電話してきて、彼らの家を建てる仕事を持ち掛けてきたとする。彼らもハンマーやのこぎりの使い方を知っているが、彼らだけで家を完成させることはできない。それで、腕のいい大工を雇って、彼らの家を完成させようってわけだ。そのほうが簡単だからね。みんなで作業を分担して、何年か経って家が完成する。そして家が完成したとき、君の仕事も終わる。

終わりだよ。完成した家に戻って、そこに住んだり、住むまでいかなくても、そこで寝ようとしただけでも君は放り出されてしまうだろう。「でもこの家を建てたのは俺だ!」と君は言うかもしれないが、そこでオーナーは言うんだ。「そうだな、でも俺はこの家を建てるための給料をお前に払ったんだよ。もう家は完成したんだ。出て行け」ってね。分かるよね?オーナーが正しいんだよ。君は彼の家を建てただけなんだ。自分自身の家ではなく。

みんな他人のために家を建て続けることが嫌になって、自分たちの家を建てたくなったんだろう。家を建てるために必要な経験はもう確実に持っているからね。スケートボーディングの経験がある人間によって立てられた家がもっと増えるべきだ。ビデオパートの撮影や、クソみたいな奴らに指示をされながらクソみたいなツアーに行くことがどういうことかとか、そういうことを知ってる人間によって建てられた家が増えるべきなんだよ。スケートと共に地獄を経験した人たちさ。スケートを使って大金を稼ごうとしている奴らじゃなくてね。奴らはスケートで大金を稼いでいる間にも、スケーターの顔にでっかいクソを垂れて、契約を繰り返し、会計報告を操作し続けているんだ。だから(自分たちの会社を始めようとしているスケーターには)「やれよ!」って感じだよ。スケートボードはスケーターたちのものだ。


昔のインタビューで、君はこう言っていたね。
「スケートボーディングにハマる理由に、ルールに従ったりするのが嫌だからってのがあるけど、今の俺たちを見てみろよ、ルールばっかりじゃないか。これはやっちゃいけない、このトリックはダサい、とかね」
でもスケートって昔からそういうものじゃなかったかな?どの時代にも、何がアリで何がナシか、特有のルールがあったよね。

そうだね、ぶっちゃけその通りだよ。スケートに本来ルールはない、だけどスケートボードのコミュニティの中では、暗黙のルールってのが常に存在してきた。こういうルールってのは、他の物事と同じように変わっていくものさ。ぶっちゃけ今のスケートの状態ってのはすごくいいよ。何がクールで何がクールじゃないかを、16歳のガキが決めてスケートボードの幅が狭くなるような時代は終わったんだ。16歳のガキどもがスケートを支配してるのを想像できる?90年代初期ってのは実際そういう時代だったんだ。特定のトリックや決まった格好をしてないと、スポンサーは付かないし、スポンサーが付いていてもチームから外されてしまう。バーチカルのスケーターたちが最初にそれをくらったよ。それから他の多くのストリートスケーターもね。年月を経てスケートボーディングは本当に変わったよ。昔はスケーターでいるってことはクレイジーな時期だった。今は、もっと広がりがあっていろんな種類のスケートが受け入れられ、プロモートされサポートされている。これからスケートの会社は沢山の違ったタイプのスケーターをサポートするようになっていくよ。

今でも暗黙のルールってのはあるけど、前よりもゆるいし、誰かイケてる奴が出てきてやってしまえばそのルールは簡単に破られる。何がクールかってのは常に変わっていくものさ。面白いのは、おおっぴらに何かや誰かを嫌ってる奴らって、流行のおかげでその嫌ってたものや人物がアリになったら、すぐに流行りに乗っかるんだよ。ヘイターから大ファンに一夜で変身さ。そいつらがどんな奴らか分かるよね。スケートボーディングはそんなことばっかりだよ。こういう馬鹿たちと付き合っていかないといけないんだ。家畜の思考とね。ボルトロン(ロボットアニメ)みたいに合体しないと、考えひとつ自分では決められないんだ。こういう奴らはマジでジョークだよ。こういう奴らが流行に乗っかりたがるのは、スケートボードのシーンで自分の小さな居場所を確保するためだったり、スケートボーディングに対して自分では何も貢献するものを持っていないからなんだ。奴らは居場所を確保して、大多数の意見にただ頷いているだけ。大好きから大嫌いに一夜で変われるし、大嫌いから大好きにも一夜で変われる。そういったことが奴らの顔に出るのを見るのは最高さ。アホ炸裂だよ。


君はストリート・リーグが始まって最初の年には出場していたのに、それからは出なくなったね。何があったの?

クビになったんだよ。Pretty Sweetの撮影中に足首をやっちゃってね。Drydekはアシスタントを使って俺をクビにしたよ。クビになって良かったけどね。ストリートリーグでいい成績を残してるみんなに対してはおめでとうって気持ちだけど、俺個人はああいったTVだったりルールだったり条件だったりと付き合うのは御免だ。最初のシーズンは、今まで会ったことのない奴らともスケートできたから楽しかったけど、俺的にはああいう感じのものは違うんだ。ストリートリーグ的なものと俺のやってることは関係ないね。

スケートのために、ステロイドとか、他のいろんな “パフォーマンスを向上させるためのドラッグ”に手を出してみようと思ったことはある?コンテストのためとかパートの撮影のためとか?試してみなって言われたことってある?

イエスだよ。特定のビデオのために、パフォーマンスを向上させるためのドラッグに手を出したことがある。監禁されてるような状態でスケートするために、ビールとウイスキーを飲んでた。ビールとウイスキーは人から飲みなよって言われたんだけど、赤ワインは俺のアイデアだ。酒が必要だったのは今では恥ずかしいけれど、でもある程度はそれで救われたんだ。自分の人生の中でも最もタフな時期のひとつを乗り切るためにね。こんなこと言っちゃったら(2007年に獲った)スケーター・オブ・ジ・イヤーが無効になっちゃうかな?もう長い間シラフだけどね。

どうやったらそんなに謙虚でいられるの?

俺は自分で自分のことを謙虚だなんて思ってないよ。ただ、自分がプロスケーターだからとかその他の理由で、自分が他の人たちよりも優れているだなんて思わないんだ。大きな目でみたら、俺なんて特別でも何でもない。俺は俺でしかないんだ。みんなそうだよ。誰だって間違いを犯すし、誰だって可能性を持ってる。俺は沢山の間違いを犯してきて、そしてそれに気付いて、犯してきた間違いから学ぼうと努力しているんだ。賢い人たちは良い選択をする。だから賢い人なんだ。謙虚な人っていうのは、自分で何もかもを分かっている訳じゃないってことを知っていて、それを受け入れて、より良い人間になろうと努力する人だ。馬鹿であることを誇りに思ったりしちゃいけない。馬鹿であることをやめるために真面目に努力することを誇るべきだよ。


君の家族について殆ど聞いたことがないんだけど、昔君は「自分には基本的に家族はいない。生物学的に俺の親は俺を身ごもったわけだけど、その俺を生んだ人たちは俺のことを屁とも思ってなかった。だから俺に家族ってのはいないんだ。」
それから家族とは連絡を取るようになったりした?今自分自身が父親になって、自分の家庭を築いていく上で、そういう身の上ってのは影響してる?

自分自身は家族的な経験ってのが殆どないんだ。親戚のほとんどはもう死んじゃったし、他の知ってる親戚とも連絡を取ったりはしてない。子供のとき、俺の親父は何もしてくれなかった。めちゃくちゃ貧乏だったよ。でも親父の家族は金を持ってた。金持ちだったんだ。でも俺の親父はイカレてたから、親父の家族たちは俺らとは距離を置くようにしていた。親父が失踪して俺らが全然食えてなかったとき、俺の母親は、ばあちゃんから「あんたたちは私にはもう関係ないから」って言われたし、妹と俺はとんでもない期待はずれに成長したなって言われた。むちゃくちゃだよ。親戚とは常に一方通行で、連絡をとるには俺たちから電話をするか、向こうに出向いていかなきゃならなかった。そして何も返ってこなかったよ。そして連絡することをやめたんだ。あの人たちは忙しいんだろう、たぶん。色々と素晴らしい家族ってのも知ってるし、家族ってのは素晴らしいものになれるってのも分かってる。ただ、俺はそういう家庭に生まれなかったんだ。でも気にしてないよ。いつか俺自身の家族を持つんだ。

もし、大企業のスポーツブランドが、今君が受け取っている給料の2、3倍の給料を払うって言ってきたら、Lakaiを辞めて移籍する?

オーケー、それはNOだ。俺はメインストリームのスポーツシューズブランドのチームには入らないよ。俺は大企業のシューズブランドのためにスケートしたりしない。

どうして?

大企業は規則を設けていて、スケートショップはその大企業ブランドの人気のあるモデルを取り扱いたいなら、強制的に他の全てのモデルも取り扱わなくちゃならないんだ。強制的に、大企業のモデルの全てを取り扱わないといけないんだよ。もしこれらのシューズが売れなかったら、スケートショップはその大企業に借金している状態になって、借金は店が潰れるまで増え続けるんだ。ローカルのスケートショップは大企業に大きな借金ができ、それをなんとかするために、その人気のあるモデルを売り続けなくちゃならない。そしてもっと深刻な借金状態に陥っていくんだ。なぜなら他のモデルが全く売れないからさ。誰も欲しがらない。でもスケートショップは強制的に他のモデルを取り扱い続けなくちゃならない。ひとつの人気モデルを売ることができるようにね。こうなったらスケートショップ側にはどのモデルをオーダーするのかの選択権はない。ランダムにシューズがショップに送られてきて、オーダーしてもいないモデルのために、ショップは大企業への借金をどんどん増やしていく羽目になるんだ。
一体どんな奴がスケートショップにそんなことをするんだ?

明らかに、スケートショップやスケートボーディング、スケーターのことを考えていない奴らさ。最悪だよ。スケートシューズのブランドはスケートショップにそんなことはしない。スケートシューズブランドはスケートショップに、どのモデルを仕入れたいかを選んでもらう。スケートシューズブランドは、スケートショップにやりたくないことをやらせたりしないし、ショップを強引に借金隷属状態に追い込んだりしない。



スケートシューズブランドが今苦戦している理由は、何人かの人間が大企業のシューズブランドに「YES」と言ってしまったからだよ。何人かが大金を手に入れることを選んだら、他のやつらもどんどん同じことをし始めた。これらの大金を選んだ人たちは、俺たちのスケートボーディング業界で、大企業ブランドをアリにしたんだ。何人かのプロたちは大金をもらって、大企業がスケートボーディングに参入してくることを後押しし、そしてキッズたちはそれを見て、「○○が大企業を支持してるんだから、大企業ブランドってクールなんだろ?」って思うようになる。キッズたちはスケート人気がなかった時期、大企業たちがスケートボードになんて触れようともしなかった頃を知らないんだ。

大企業たちはスケート業界に沢山金が流れていることを見つけるまで、スケートボードのことなんて気にもしていなかったよ。スケートに関わっている会社を合わせると、とんでもない額の金が生み出されている。最近はスケートをするキッズってのは腐るほどいて、若い奴らのやることとしてスケートボーディングは広く受け入れられている。スケートのプロダクトを売るビジネスに関わっていれば、とても儲かるんだ。スケートボードは本当にメインストリームなものになってしまって、スケートをしない人でもスケートに関係する服やシューズを買うようになった。

ユースカルチャーはマジで儲かるビジネスなんだ。そしてスケートは今ではユースカルチャーの大部分を占めるようになった。多くの企業がスケートパークにリムジンで乗り付けてきて、小切手を切るんだ。なぜならリスペクトされたプロスケーターたちが「クールだ」とキッズたちに伝えない限り、誰も大企業のことなんて気にもしないからさ。だから大企業はプロたちに大金を払い、プロたちはその数字を見ながら「こいつは小さいシューズブランドに在籍したままだったら一生お目にかかれない金額じゃないか。自分にとって最善の選択をしないと」って言うのさ。
もう一回読んでくれよ、そいつらは「自分にとって最善の選択をしないと」って言うんだ。


でもこれは理解できるよ。だってさ、10年15年も階段飛んでさ、それでギリギリいろんな支払いができるくらいの状態のときに、スーツ着てネクタイ締めた奴らに雇われた、スケーターの格好をした奴がやってきて、100年たってもお目にかかれないような金額を提示してくるんだぜ?たいていの奴がそっちに行くだろ。自分にとって最善を尽くさないと。そうだろ?だからきっと、君でもその金を選ぶよ。

プロでいられるのは平均して5年だ。ほとんどのプロは、2つくらいのビデオパートと、昔の自分の古いプロモデルで一杯になった部屋以外、何も残っているものがない状態でスケートシーンから姿を消していく。スケート外の世界で通用するものなど何一つない状態で社会に放り出されるんだ。そして手元に残ったものの中でも最も少ないものが、金さ。一度使い物にならなくなって、売れなくなったプロのことを会社が気にしてくれると思うかい?あり得ないよ。スケーターは自立しなくちゃならない。君の好きなプロスケーターの将来なんて、どこの会社も気にしちゃくれない。そういうもんさ。俺は23年間それを見てきたよ。

クビになったら、プロスケーターってのは大抵何もない状態でスケートシーンから消えていく。特に、現実社会で仕事を見つけられる経験やスキルなんてない。スケート以外何も学ばないままプロの期間が長くなれば長くなるほど、スケート業界以外では必要とされない存在になっていく。ある時期までくると、実質的にスケート業界の外では雇ってもらえないようになる。どうにもならない状態さ。自分の好きなもののために何年もの歳月を費やしたおかげで、スケートボードが終わった後の準備をする時間がないんだ。

どういう風になろうとも、一度会社が必要としなくなったら、会社はプロを切る。そのプロが去っていくときに、侮辱して追い出すときだってある。その後そいつがどうなろうと知ったこっちゃない。会社の問題じゃないんだ。プロスケーターたちは、ステアを飛んだりハンドレールに突っ込んだりっていう、自殺行為をしながらその会社を「クール」にし、全てを会社にささげて、そしてそれが終わったら自力で生きろって言われるんだ。会社はプロに素晴らしいスケートをさせるために少しばかりの金を払い、プロは自分が夢見た生活をしばらく味わって、それが終わったら使い物にならなくなる。


だからみんなが(大企業の)金を選ぶのは不思議じゃないよ。みんな自分の友達だったり同僚たちがコアなスケート会社からひどい扱いをされるのを見てきてるんだ!もらえるときに金をもらい、そしてスケート会社から放り出されたときのために、別のなにかを用意しておくんだ。

コインの裏表だよ。正直、今まで出会った中で一番いかがわしくて、ケチで、強欲で不誠実な奴らってのは、“コア”なスケートの会社を運営している元スケーターたちだったよ。ただ単にその会社が“コア”だからって、それを運営しているのがいい人たちだってことにはならない。そいつらだって、大金を稼ごうとしている人間であることに変わりはないんだ。自己中のクソ野郎どもが昔何年間かスケートしてたなんて、そんな事実は何の意味もない。そして多くの場合、こういう元プロたちってのはクソ野郎だ。

大企業が、きっと彼らだけでは実際のスケートを通して得ることなんてできなかった、スケートシーンへの道とストリートからの支持を得た今となっては、“コア”な会社は重い腰を上げて、姿勢を正さないといけなくなった。大企業ってのは実際、ビジネスに長けてるんだ。大企業ってのはそういうことのトップだよ。彼らはビジネスを効率的に、徹底的に行い、プロスケーターたちに、彼らの実際の価値により近い金額を、喜んで払う。「スケーターは馬鹿だから、与えるものならなんても受け取る」なんて考えて、払う金をごまかしたり、低く見積もったりせずにね。大企業は、“コア”な会社を倒産の恐怖に追い込んでいる。だから“コア”な会社は今こそビジネスを適切に行って、努力をして、自分のところのライダーたちをきちんとケアしなくちゃならない。昔みたいに「俺たちはスケートボーディングの人気ブランドだ。別にライダーたちに良くしたり、ケアする方法を知っている必要なんてない。ケアする必要もない。ファックだ。だいたい他にこいつらは行くところあんのか?」なんてことはもう通用しない。今ならスケーターたちは大企業ブランドに行ける。それを“コア”なシューズブランドは恐れているんだ。

コアなブランドは調子に乗りすぎて状況について行けてなくて、頭を働かせるのが遅かったんだ。ナマケモノと一緒で、こういう大きなコアなシューズブランドは、大企業がやってきてライダーたちを盗んで行った間に、寝てたんだよ。コアブランドは、車のヘッドライトに照らされてどうしていいか分からないで突っ立っている馬鹿な鹿みたいに、自分らのポリシーの中ではすぐに変わることができなかった。今ではみんなが「スケーターが運営している会社です」っていう旗を振って走り回っている。

大企業のシューズブランドが参入してきてコアなブランドの立場を脅かすようになる前は、誰も「スケーターがやっている」かどうかなんて気にしてなかった。大企業がスケーターたちを、本当にプロフェッショナルなアスリートとして扱うようになる前は、コアブランドのビジネスがどういう風に行われてて、ライダーとの関係がどうなっているのかなんて、誰ひとり気にしちゃいなかったよ。昔は、ローカルスケートショップのオーナーのリビングの床にピザとコーラが転がっている頃、コアブランドのオーナーはビーチ沿いの家でピニャコラーダを飲みながら、次のセールス会議の話をしているような感じだったんだ。

大企業はスケートショップや他のブランドを、シンプルに強欲から潰そうとしているのかもしれない。でも大企業は自分のところのライダーの面倒を見るし、彼らがやるべきことをやる助けをしてくれる。ぶっちゃけやりすぎなくらいだよ。今は、プロスケーターとしてはとても変な感じの状況になってる。スケートボーディングの生命線の大部分を犠牲にして、自分の利益を考えるか、それとも生命線、つまりスケートショップをサポートして、より健康的なブランドと小売店の関係を築くことを考え、少ない給料でよしとするか。どっちにしろスケートはするんだからね。


どっちもどっちさ。君が愛しているもの全てを飲み込んでいく、強欲なスケートショップ・キラーだけども、所属するライダーたちを、本当に価値のあるアスリートのように扱ってくれるほうを選ぶか、それとも、一度ライダーの価値がなくなれば放置し、不誠実で、冷遇するような、一方通行の“天気”のような関係性だけど、ショップとともに業界全体を良くしようとするコアブランドを選んで、コアに徹するか。これはビジネスであって、スケートボーディングじゃない。

ここで“天気”のようなって言ったのは、例えばもし君が人気があって、誰もが認める存在でスケート界を席巻しているときは、彼らはめちゃくちゃ君に良くしてくれるし、何でもしてくれる。だけど、一度そこから落ちてしまい、新しいキッズがスポットライトを浴びるようになると、途端に彼らはまるで君がタコスのトラックの展示会での残り物かのように、君のことを捨てるんだ。その時に、君は自分だどれだけ“クール”で、君の“友達”が何者だったのかを知るんだ。それが“天気”ってこと(訳注:「変わりやすい」という意味かと)。ほとんどのブランドはそういう風にまわってる。会社側も言うんだよ、「我々は我々にとっての最善を尽くさなくてはならない」ってね。

言いたいのは、そのブランドが大きかろうと小さかろうと、スケーターたちが「クールだ」って言わない限り、そのブランドは何でもないんだ。プロダクトなんて誰だって作れる。スケーターたちが、そのブランドが周りからどう思われるのかを決めるんだ。スケーターたちがブランドをアリにするから、キッズはそのブランドの商品を欲しいと思うんだ。最終的に、スケーターたちが、ブランドが商品を動かせるかどうかを決めるんだよ。ほとんどの会社はスケーターたちをアホだとしか思っていない。多くの会社はスケーターのことを無知で自由にできる会社の資産くらいにしか見ていない。スケーターは契約書も読めないし、違いも分からないし、他により良いものがあるなんてことも知らないから、与えれば何でも受け取るし、2とか3とか5とかの後ろに0を何個か付ければ、それですごく良いように見えるだろ、としか思ってないんだ。

事実、スケートブランドのいくつかは、スケーターたちがそのブランドを売れるものにしてくれたお陰で、ものすごい大金を稼いでいる。だけどその稼いだ金は、殆どスケーターには還元されない。こういったブランドが1年間で稼いでいる金額と比べれば、スケーターに払われている金なんてピーナッツみたいなものだよ。スケーターはテーブルクロスの上のパンくずとゴミを貰ってるようなもんさ。

クソみたいな話だよ。(ブランドが)大きかろうが小さかろうが、みんな金のためにやっている。スケートのビジネスでは大金が生み出されている。そのブランドがどういう風に動かされるのかは、それぞれの会社で舵を取っている人間が誰なのかで決まる。(アホだと思われてる)スケーターだって、スケートに対して愛情も経験もない奴らより、よっぽどクールな選択をすることがある。この愛情っていうのは、スケートの経験がある人間だけが持てる種類の愛だ。世の中は変わっていく。人々は目を覚まして、どういう風にビジネスが動いているのかを見るべきだ。大金を稼ぐことを恐れる必要はないし、ビジネスで成功するために他人を侮辱したり蹴落したりする必要もない。単純に、そんな必要はないんだ。


個人的には、俺は大企業のシューズブランドのライダーにはならない。それは俺が誰とビジネスをするのかっていうのを重視しているからなんだ。たぶん俺はナイーブで、俺の想いは報いられていないかもしれないけど、俺は自分が関わっている会社のことが好きなんだ。俺が関わっている殆ど全ての会社は、スケーターが物事を決めている。俺は自分が知りたいと思っている以上にスケートビジネスのことを知っているし、長年にわたってコアなブランドのクソ野郎どもが、閉じた扉の向こうで何を言っていたのかも聞いてきている。スケーターはおしゃべりさ。喋るのが好きなんだよ。個人的な意見だけど、みんなは自分が何を買い、何をサポートするのかを、ちゃんと学んで決断をすべきだと思う。もし誰もキッズに物事の両面を教えなかったら、どうやってキッズたちは考えた上での決断をできるんだ?

俺は自分の人生の大部分と、努力と、気合と魂をLakaiに捧げてきた。なぜならスケーターが所有し、スケーターが運営し、スケーターがシューズのデザインをする会社だからだ。スケーターがビデオを作るし、俺はチームに在籍しているスケーターのことが本当に好きなんだ。俺はLakaiに関わっているみんなを子供の頃から見てきたし、影響されてきた。彼らが誰なのかを俺は知っている。俺にすごくいい給料を払ってくれるし、スケートショップに対しても、あるべき形で付き合っている。結局すべてパートナーシップなんだ。俺たちはスケートショップが必要だ。俺たちはスケートショップが好きだ。なぜなら俺たちはみんな同じ仲間だからさ。スケートボーダーなんだ。

Lakaiは俺の献身やサポートを金で得る必要なんてなかった。俺はLakaiに関わっている人たちのことを、チームに入るよりずっと前からサポートしてきたよ。Rick Howardの板にも、Mike Carrollの板にも、Kelly Birdの板にも、Scott Johnstonの板にも乗ってた。そして今俺は彼らと一緒に仕事をしている。彼らと一緒にツアーに行ったし、撮影中に彼らがストレスでまいっているのも見てきた。俺が経験してきたものと同じものを、彼らも経験しているのを見てきたんだ。Motel6の部屋もシェアしたし、Bojangle’sも一緒に食った。全身全霊で自分たちの愛するもののために撮影していて、文明的なものから3時間も離れた町で動けなくなってる時に、彼らにグリップテープやボルトにウィール、シューレースやソックスなんかをあげたもんさ。彼らは俺が飲んだくれて酷かった時期でもサポートし続けてくれて、クソみたいな態度や、むちゃくちゃな恥ずかしいことを散々やらかした後でも、俺から離れずにいてくれた。俺は、俺が経験してきたことを知っていて、そして俺と同じ経験をしてきた人たちによって作られた会社のためにスケートする。それが俺がサポートする会社だ。

変な感じの答えになっちゃってごめん。これを全部言うかどうかむちゃくちゃ悩んだんだけどね。俺はスケートボーダーで、そして今自分がここにいられることに感謝してる。

今までのスケートボーディングのキャリアの中で、一番誇りに思うことって何?

ここまでこられて、そして今まだここにいられるだけで感謝だよ。他の人が目標を達成することを手助けできたことや、自分の可能性を実現できたことについても幸せだと思ってる。ありがたいことに、全てを経て、俺は(スケートを)始めたころよりも良い人間になれたし、みんなにとって良い友人になれた。ワケわかんなくなったり、ネガティブになったり、変人みたいになった時期もあったけど、そういうのを全部乗り越えて、そこから学んだことでより良い人間になれたと思っているよ。

2013年11月28日木曜日

JERRY HSU interview by JENKEM

アメリカのJENKEMというスケートのサイトがあるのですが、ここの記事が毎回アツイし面白いしで、これはシェアせねばならんと思って翻訳しました。JENKEMから許可もらいました。ありがとう!

I translated this article with the permission from JENKEM magazine. Thank you so much!!

JENKEMほんと面白いんで、ぜひチェックを!
If you didn't know JENKEM, now you know! Check them out!
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JERRY HSU DISCUSSES CHOCOLATE, LEAVING ENJOI & THE INDUSTRY


他のみんなと同じく、俺はEnjoiに洗脳されてきた。Enjoiのことを考えるとき、あのどぎついオレンジの色、パンダ、そしてジェリー・スーの顔を思い浮かべずにはいられない。それは単純にジェリーがBag of Suck(Enjoiが出したビデオ)でトリを飾ったからかもしれないが、やっぱりジェリーが一番Enjoiを象徴していたと思う。レイノルズがエメリカ、ナイジャがエレメントを象徴しているのと同じように。俺的にはJerryこそEnjoiだ。だから彼が10年以上在籍したEnjoiを離れるという話を聞いた時は、すぐには信じられなかった。Chocolateファミリーの一員となった今、ジェリーがこれからベテランスケーターとして、若手たちとバランスを取りながらどういったキャリアを積んでいくのか、楽しみでならない。

10年以上在籍したEnjoiを最近辞めてしまったね。理由のひとつにブランドマネージャーのマット・エバーソーが辞めてしまったことを挙げていたけど、君の目からみて、マットはどうしてそれほどEnjoiにとって重要だったの?そして、どうして彼が辞めたあとで自分も辞めようと思ったの?

マットと俺は15年以上も友達だから、お互いをほんとに良く知ってるんだ。マーク(ジョンソン)が辞めたあとは、マットがEnjoiのブレインだった。それを俺だと思ってる人が多いけど、実際はマットだった。彼はそれにふさわしい名声を得ることができなかったけどね。彼はブランドマネージャーの仕事だけでなく、広告も作ったり、ボードのグラフィックをやったり(Enjoi専属アーティストのWilson Tsengと一緒に)、撮影したり、ビデオも作ったり、チームマネージャーの仕事もやっていた。4つも5つも同時に仕事を抱えていたんだ。それに、今言ったような仕事だけじゃなくて、Enjoiを所有している親会社の役員たちとも戦わなくちゃならなくて、ものすごいストレスになってた。向こうがやりたいことと俺たちがやりたいことは必ずしも一致しなかったからね。マットがいたから、可能な限りEnjoiはルーツに忠実であり続けることができたんだ。

マットがいなくなったらEnjoiは別のものになってしまうってのは分かっていたし、そうなった後のEnjoiは俺がいるべき場所じゃないと感じたんだ。俺はこれから起こる出来事の先を行きたかった。そしてそのチャンスがあるとしたら、それは今だったんだ。簡単な決断じゃなかったけどね。何年も、ブランド内部で俺が納得できないことが積み重なってた。決断には時間がかかったよ。ただ俺が辞めたことと、チームメートとは全く関係ない。俺は彼らを本当にリスペクトしているんだ。


どんな風にして辞めたの?どんなリアクションだった?

殆どの人にとってはショックだったよね。俺自身も含めて。人から「まだEnjoiに在籍してるのか?」って聞かれたら、「分かんない。もうしばらく経ってから聞いてくれ」って答えてた。長年真剣に付き合ってきた彼女とうまくいかなくなって、別れる時に似ているね。それと向き合いたくなかったから、本当に「辞める」って瞬間は、誰から見ても「もう終わりだ」ってなるまで、可能な限り引き伸ばしてきたんだ。なかなか決められなかったし感傷的になった。来年の予算に入るか?って聞かれた時に、やっと予算には俺を入れないでくれって言えたんだ。ほとんどいつもルーイ(バーレッタ)と相談してたんだけど、辞めるってことを彼に伝えるのは簡単じゃなかった。俺たちは同じボードブランドに14年間も一緒にいたんだからね。俺にとっては気持ち的にキツかったよ。

ネット上でキッズたちがネガティブな反応をしているのも見るよ。まるで誰が一番俺のことをボロクソに言えるかどうか競っているみたいな感じだ。キッズの多くは変化を嫌うんだろう。でもたしかに俺とEnjoiの絆はほんとに強かったから、キッズたちを責める気にはなれないよ。

契約書とかはどうなっていたの?Enjoiとの契約期間が終わるまで辞められなかったりした?

もし契約書が存在していたら、そうなっただろうけど、俺はEnjoiと契約書は交わしてなかったんだ。これはマットが俺たちライダーのために、そうしてくれてたんだと思う。マットは俺たちが、親会社が持ってるブランドの中でも、特に重要なポジションにいることを分かっていたからね。俺たちは会社のなかである程度の力を持っていたから、経営陣が俺たちに無理な要求をしようとしてきたときに、マットは契約書を交わさない形にしたんだ。もし物事が悪い方向に進み始めたら、チームを利用して「OK、だったら俺はチームと一緒にどこか別のところに行くよ」って言えたんだ。いつもうまくいったわけじゃないけどね。社内の関係を維持するためには、チームのライダーから社内のトップにいたるまで、みんなに負担がかかってた。




マットや君みたいな門番的存在がいなくなってしまった今、これからどんな風に(Enjoiは)変わっていくと思う?

基本的にスケートボードってのはビジネスで、ビジネスの目的ってのは金を稼ぐことだよ。多くの会社が最終的には「黒幕たち」によって経営されているんだ。「黒幕たち」ってのは、投資をしてより多くの金を手に入れようとする人たちのことで、普通の人は会うことさえない。奴らが欲しいのは結果だけだ。Enjoiの俺のボスたちの上にもボスがいるし、そのボスたちにもまたボスがいる。スケーターたちとこの黒幕たちの間には沢山の人たちがいて、それぞれ自分の仕事をやって家族を養い、上司を喜ばせようとしている。どれほどEnjoiをコアなブランドのままにしたいと思っても、できるだけ多くのプロダクトを作って、それを売らなくてはならないっていう要求がある。拡大と成長さ!マットは17色のカラージーンズなんて作りたくないって言ったんだけど、結局俺たちはやることになってしまった。ケツのところにどでかいパンダの付いたジーンズなんて作れるわけないじゃん!経営陣は常に成長を続ける安定した経営ってのを欲しがる。理想をかかげて成功を手に入れた全てのスケートブランドが、最終的に向き合う問題がこれさ。「ライダーと従業員全員の面倒を見ながら、ビッグビジネスに屈しないようにするには、どうしたらいいのか?」

殆どの人にとっては答えは簡単だよ。「大きいことはいいことだ!」ってね。こういったことについて議論するときに大事なのは、みんなのやりたいことが、それぞれどれだけ違ったものになりうるのかってことを考えることだ。中間から上位の経営陣は、ブランドがコアかどうかを心配しながら夜をすごすなんてことはない。だいたいそんな理由もないしね。彼らが夜起きて心配しているのは、自分たちの仕事のこととアダルトなことさ。それで結局わけ分かんない決定がたくさん下されて、誰も意見が一致していない状態になる。クリエイターやスケーターたちが何かやりたがっても、黒幕たちが賛成しない。一般的にクリエイターたちってのは何も持ってないんだから、どっちが勝つかわかるだろ?みんな信念を持ってスケートビジネスの世界に入ってくるけど、最終的には冷めて無関心になる。

それに、どのプロスケーターも同じ考え方ってわけじゃない。この問題について殆どのプロは「何が問題だっていうんだ?ぶつくさ言ってないでレインボーのジーンズでも作ってWalmartとの契約まとめて来いよ!その金で中国行って撮影するんだ!」って言うよ。自分の車のローンがちゃんと支払えればよくて、面倒くさいこととか気にしたくないんだ。それは俺もすごく分かるよ。俺だって馬鹿みたいな決定がされているときに、ボーっとして座ったままでいたことがあるよ。そういう面倒は無視して、Enjoiは給料も良かったから、それをありがたく頂戴するってほうが楽なんだ。スケーターとしては、こうした馬鹿な決定の数々を見るのはがっかりするよ。マットだって何よりもまずスケーターなんだからね。だからマットがEnjoiを辞めるってなったとき、俺もそうする時だって思ったんだ。



最近は沢山のスケーターが、長年在籍したスポンサーを離れる動きが出ているよね。どうしてみんなこういう動きを始めたんだと思う?

理由には色々な要素が重なり合っていると思うけど、ここ5年かそこらの間に、ライダーたちや会社がどういう風に扱われてきたかってことに対するリアクションだと思うんだ。常にあることではあるけど、大企業が再びスケートに参入してきて俺たちに擦り寄ってきたりっていう、スケートボードの現状とかね。こうした中で、多くの人にとってネガティブに感じられるものが、スケートボードの中にできてしまったと思うんだ。俺たちはスケートボードが誰からも相手にされてないころに、スケートを始めたんだからね。給料だって月々500ドルくらいのもんだったし、学校じゃボコられる理由だった。そうしたことを経て、謙虚に物事をありがたいと思えるスケーターが育つんだ。今じゃスケーターはヒーローだよ。俺にとっては信じられない話さ。映画「ナーズの復讐」をもう一度観ているようなもんでさ、今じゃジョックス(アメリカで、アメフト選手などのスポーツ系/筋肉系の嫌な奴を表す言葉)はみんなスケーターだよ。どいつもこいつもスケートが好きで、メジャーのカルチャーが俺たちのサブカルチャーに入ってきている。こういったことがスケーターたちの目を覚まして、何かしないといけないって気にさせるんだ。自分が言いたいことを言い、やりたいことをやって、みんなに自分が思うスケートボードってのは何かを見せるんだ。こういう人たちが、自分たちの小さなスケートボードのカンパニーを作り始めてるんだ。それはすごくいいことだよ。今あるスケートボードだけが全てじゃないってことを見せているんだ。最初の何人かが動きはじめたら、後はその動きが広がるだけさ。最近は沢山の変化があったし、これからどんどん色んなことが起こると思う。

1992年にスケートボードをかっこいいと思ったキッズと、2013年にスケートボードをかっこいいと思うキッズってのはタイプが違うよ。もちろん世代の違いってのはあるけど、それにしても違うよ。もし俺が今12歳のキッズだったら、スケートボードについてどう思うのか自分じゃ想像ができない。スケートがどんだけヤバくて面白いものなのか、ちゃんと理解できるだろうか?分からないけど、たぶん気味の悪いメインストリームなものだって思うんじゃないかな。たぶんスケートを始めることすらないかもしれない。俺がスケートを始めた理由って、髪を緑に染たり太いズボンを履いたりしてるやつらがスケートしてたからなんだ。スケーターはアホな奴らに見えた。俺もそうなりたかったんだ。今までスケートが俺に与えてくれたことには全て感謝しているけど、当時のスケーターの感じが今はもうないのが寂しいよ。


スケート業界は新しく立ち上がってきたインディペンデントなブランドをサポートできると思う?

それはキッズ次第だね。結局のところ、どのブランドが生き残って、どのブランドが潰れるかはキッズが決めるんだ。俺の答えはイエスだね。こういった小さなブランドが生き残る可能性は十分あるし、こういう良い人たちがいて、リスクを省みずにやろうとしているのは素晴らしいよ。スケートボードにとってポジティブなことだと思う。

90年代から続いてる昔からのブランドは、将来10年20年先も、今のように存在し続けることができると思う?

もしブランドがそのくらい長く存続しようと思うなら、ブランドイメージを変える必要はないと思うけど、基本的にはどんな若手をプロにするかにかかってくるだろうね。次の世代のスケーターが全てさ。ここをうまくやることができれば、将来にも続いていくことが出来ると思うよ。もうひとつ大事なのは流行にあんまり左右されないようにすること。流行ってのはバブルだから、いつかは弾ける。だから流行に飛び乗るんじゃなくて、先手を打っていくようにしたほうが賢明だよね。

自分のブランドを立ち上げようと考えたりはしなかったの?

真剣に考えたことはないね。色んな人たちから「新しい会社を立ち上げろよ、何かやりなよ」って言われたよ。俺はそう言う彼らの顔を見ながら思ったんだ。退屈だからとか、スポンサーがいないからとか、そういう理由で立ち上げられたボードカンパニーなんて、スケートボードは必要としてないだろうって。そんなのはカンパニーを立ち上げる理由じゃないよ。カンパニーを立ち上げるとしたら、それは本当に素晴らしいアイデアがあって、「これだ!」っていう夢中になれるものがあってのことだと思う。そこまでのものは俺になかった。別に史上最高のアイデアを持つ必要はないけど、少なくとも、平凡普通なものを作って周りの人たちを窒息死させるようなマネはするべきじゃない。スケートショップを、退屈で面白くないモノで一杯にするようなことだけはしないで欲しい。何かを始める時ってのは、ある程度の責任が伴うんだ。1秒でもいいから、果たして世界は本当に別の新しいブランドを必要としているだろうかって考えてみて欲しい。これは小さなインディペンデントのカンパニーのことを言ってるんじゃないよ。俺は彼らを支持してる。俺が言ってるのは、スケートのカルチャーに何の貢献もせず、金を儲けるだけのために大企業がブランドを作ることについてだよ。

どうしてチョコレートに移籍することにしたの?Crailtapのブランドのどういうところが好きなの?

分かりやすい理由はマイク(キャロル)とリック(ハワード)がいるからだよね。スケートを始めたときから、彼らがやってきたことの大ファンだったし、彼らが長年かけて作り上げてきたものが、このインタビューで俺が話してること全てに対する答えだね。ファミリーなんだ。リックのオフィスに行けば、グラフィックをプリントアウトしたものが床に並べられてて、リックがそれを自分で選んでるんだ。それを見たとき、俺の居場所はここだって思ったよ。それにマーク・ジョンソンもいるしね。俺のボードスポンサーは全部マークが持ってきてくれたものだから、それを考えたらチョコレートは俺がいるべき場所なんだと思うよ。みんなありがとう。もし君たちが俺のことをフックアップしてくれなかったら、スケートボードにドンキーパンチするところだったよ。他にやることを考えつかなかったからね。